深い深い場所にいる
誰にも言わないで
眼を逸らさないから
言葉に縛られたまま
堕ちるまで見ていよう
すべて失ったときに
縋るしかないと
そのときまでは
深い場所を泳ぐ
なにもかも捨てなければ眠ることはできなかった
今日ひろいあつめた荷物をまるで投げ捨てるようにうば
われていつまでもあきらめきれずに夢の入口に立ちつく
す日は朝まで眠れない
それはなぜか、老いる ....
雨ってやつは
悲しくもない 涙みたいだ
くたびれた革靴の つま先から
じわじわと 染み込んでくる
晩秋の雫
 
子供の頃は 雨に酔った
そのどこか 厳とした冷たさに

突然景色がうつ ....
ゆうちゃんは無口な転校生だった

四年生の春に
ぼくのクラスにやってきた
ゆうちゃんと、ぼくは
なぜか気があって放課後はいつも一緒にあそんだ

がっこうは友だちできへんからきらいや。
 ....
       きおくも れんが色になれば
     なくなるばかりの   公園のベンチは
   にじんで消えて ●     ●そぼ濡れ枯れる
  潮のわかれに ●         ●つめたさが湿 ....
わたしの雨は
昨日すべて
降ってしまいました
あんなにたくさん
両腕に抱えていたのに
傘が眠っています
夜明けの寂しい
コンクリートのように
オーガズムとは、性的興奮、快感、精神的刺激がピークに達した時のことを意味します。
一般的に分かりやすく使われている言葉として「イク」とも表現されています。
これは、女性に生まれた事に感謝する瞬間で ....
さびしいこころがひとつ
道におちていた
拾わなかった

ぼくももっていたから

さびしい命がひとつ
歌をうたっていた
いっしょにうたった
さびしいさかなが
店先に並んでいた

 ....
毎週土曜日
僕がひそかに尊敬していた先輩が

その熊のような
かわいらしい
大きなぬいぐるみのような
からだと
それに
そぐわない
ひとなっこい笑顔で
星の世界の
水先案内人を
 ....
あなたのうしろを
追いかけずとも
こうして傍にいるよ
あなたを想って
泣きだすほど
弱りきることもなく
いつか時間を越える
振り返らずとも
やがて朽ちる
そのときまで
わたしが傍に ....
空から舞い降りたまま
天使は居眠りをしてしまった

公園の片隅のベンチで
遠い街のざわめきを子守唄にききながら

自分が誰の子供なのか夢のなかで
思い出そうとしていた

噴水のある公園は
なつかしい匂 ....
暑て長い眠れない夜
これが夏なんだなあと思う
通りにはラップが流れチャラい奴らもちらりほらり
きっとこれが最近の夏の夜の風物詩なんだな

もし日本がこのまま亜熱帯化したら探検してみたい
極 ....
まな板の上で
かつて
生命を有していた
魚が微笑う

深い海の記憶が
プチプチとした卵のかたちをして
銀色に膨らんでいる

今にもビッグバンを起こして
マリンブルーの
星の卵が
膨張しはじめる気配

 ....
あ、義父さん
ハンカチを一枚お借りします


+ + +


初めて会うひとはわたしのすべてを見透かしたあとに
無学なバイトの若造が生活(いちにんまえ)を語るのかと息巻きながらも
そ ....
階段の灯りをLED電球に交換した
ちょっと薄暗いけど

四万時間の寿命だという
居間から二階の寝室まで
三十秒あれば昇りきるとして
電卓をたたいてみた
五十年は切れることはなかった
ぼ ....
林さんの御葬式会場は
林家斎場
何故か緊張感が無い

吉野さんの御葬式会場は
吉野家斎場
なんだか牛丼屋のようだ

一二の御葬式会場は
一家斎場
「誰の?」と云いたくなる


 ....
うすい羽のはえた夜行バスにのって
月あかりにかがやくいくつもの雲をこえて
あいした理由も
あいされた理由も
すべてあなただったから

いつもの街角、いつものバス停
やわらかな猫の手に夜の ....
旅をする彼女を空港まで送った

夕食をとり国際線のフロアへのエスカレーターで

<なにか約束したいな>と彼女がはにかんだ


こんどまた会う日の約束なのか

結婚の約束なのか

 ....
天国にいってしまったら
天国から手紙は来ないから
せめてできることだけを
おぼえないとなあ

せいかつは強弱のヴォリュームでいきること
ときには手をぬく
つんのめるほど減り込まないよ ....
夜のわたしは
太陽のうしろで一人
藍色の鏡を抱いて泣いている

眠るように
唄うように

仄かに輝くことしか
ゆるされないわたしは
信ずる者は望まない

猫のように
従順ではな ....
逃げ水の中で魚が跳ねて

アスファルトが柔らかい



太陽は無関心な発光体




空はどこまでも遠く



僕は許されている






「だけど」 ....
すこやかな寝息としろくなめらかな腕 みだれうつぼくの欲求

水を抱くように おもいだしている 髪の毛 指先 かさなるため息
 
   夏は他の季節よりも、死にちかいと
  たれかがおっしゃったのは天の声のようにも想え
  または蝉の声のようにも想え
  または緑陰をくれる梢の優しさのようにも想え
  私は夏を見極 ....
目をつぶって、崩れる
その暗い暗い そこに

不規則な時計の針の音がして
落ち着かない夜
いつまでも一定になる事の無い、秒針

 カチ カチ カチカチカチ
カチ カチカチ  ....
 

屋根をつくった
もう雨が降っても
濡れなくてすむ

立ったまま目をつぶると
近くや遠くから
夏の音が聞こえてくる
いつもと同じなのに
いつもと同じくらい懐かしい

誰か早 ....
 駅まで送ってくれないか

 何処へ行くの
 いつ帰ってくるの
 もう帰ってこないんじゃないの

そんなことないよって言えなかった
八月の明るさがやけに眩しくて
私は瞼をしばたいた
 ....
これからも少しずつ 君は綺麗になっていくだろう

そして いつかを境に 年老いてくだろう

そんな君を追いかけることに 全てを捧げる
君との想い出を抱いて 死んでいけることを誇りに思うよ ニコニコと笑う君も 好きだけど
口とがらせて怒る君も 好きなんだよ
怒った顔も可愛いから
ついつい怒らせちゃう


僕を信じてる君も 好きだけど
僕を疑ってる君も 好きなんだよ
安 ....
そ だ あ 照 声
ば か な ら が
に ら た さ 聞
居   が れ こ
て   笑 る え
く   え と る
だ   ば   と
さ     あ 
い   嬉 た 優
 ....
石田とわさんのおすすめリスト(1485)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誘魚- 自由詩311-11-7
夢の入口_2011- たま自由詩24*11-10-28
雨のむこうに- さすらい ...自由詩15*11-10-23
陽だまり_2011- たま自由詩37*11-10-18
だれ- 乾 加津 ...自由詩8*11-10-8
童話(雨)- たもつ自由詩411-9-28
女性のオーガズム- 梅昆布茶散文(批評 ...211-9-6
さびしいこころ- 梅昆布茶自由詩1111-8-26
天文台へゆく- 梅昆布茶自由詩311-8-24
夢枕- 自由詩111-8-19
公園の天使- 梅昆布茶自由詩111-8-6
悲しき熱帯- 梅昆布茶自由詩211-8-4
魚が怖い訳- 梅昆布茶自由詩711-7-30
ハンカチ- 乾 加津 ...自由詩20*11-7-9
あどけない話- たま自由詩21*11-4-18
御葬式- 一 二自由詩711-1-25
朝の日記__2010夏- たま自由詩20*11-1-6
約束- 吉岡ペペ ...自由詩410-12-24
1011- 唐草フウ自由詩15*10-10-14
『下弦の月』- あおい満 ...自由詩4*10-6-30
七月の揺らぐ景色- 自由詩13*10-6-25
ため息- はるな短歌710-3-23
永遠を見極める眼球_2009- るるりら自由詩10*09-7-5
不規則銀河- ふく自由詩409-7-4
夏の音- たもつ自由詩1008-7-17
ホームレス- 青い風自由詩5*08-7-6
覚悟- 北大路京 ...自由詩8*07-9-11
宣告- 北大路京 ...自由詩9*07-9-10
ごめんね- 北大路京 ...自由詩23*07-9-5
だから- 北大路京 ...自由詩15*07-9-3

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