世界は
そうではないもの で
埋めつくされて

わたしは 青緑を食んでいた
ひとびとがそれぞれに
大切なものを忘れゆくように

陸に上げれば
日保ちのしない魚で
「卑しい」が名前の由来だと

腐って臭うので
頭を、柊の葉の刺と合わせて
節分に鬼の退治といわれた、モノで
これがまた平安と呼ぶ
わたしには途方 ....
   宝箱の鍵が

  みつかりません

 仕方なく箱を振ったら

   カラカラと

   頭蓋骨から

 乾いた音が響きました
やさしくなるにはね
悲しみを憶えること
傷つくことを怖れないこと
からだの痛みではなく心の痛みを知ること
辛さや苦しさや淋しさから逃げないこと

そんなことをだれもが抱えていると想うこと
 ....
そよとも揺れないすすきの穂が
あたりに白く浮かぶ

とおくを
スローモーションの足どりで
駆けて行く
赤いセーターを着た少女

お腹がみるみる膨らんで
まんまるになったかと思 ....
生きる事は死の待ちぼうけ

なんて誰かがいうらしいけれど

せっかく80年ぐらい時間があるのだから

せめてお茶とか

せめてお菓子だとか

用意してにやにやと

いつでも来い ....
羽毛時間に起きて
ひとり
立ったまま金色のコーンスープをのむ

おそるおそる
ほどくように
わたしの一挙一動が
いま「この日、この場所」という名の
プロペラになって
ひかりの塵を ....
あなたのような人は長生きしてほしい
そう素直な人あってのひねくれ者だから
だから九十四歳は悪くない 悪くない
これでも献花のつもりなんだ

アンパンマンを見たことがなかった
なのにアンパン ....
 {ルビ呼 吸=い き} し

  地 に

 陽  魅 入 り 

     ・・・ 意 ?
強風に この身のタガをはずされそうで夜の毛布を抱きしめている

蓋のないボンドはいつしか固まって自己完結を目指しています

貝ボタンはずせばそこはあの海で潮の香りが満ちて広がる

風見鶏  ....
記憶の糸をほどく
風景や音や肌触り
縫い合わされていた
いくつもの欠片が
ふたたび熱を取り戻して差し出される
思い出は語られたがっているのだろうか

子供の頃ひと夏を過ごした祖父母の家
 ....
{引用=猫}
降る讃辞しっぽの先で受け流す
{引用=人}
寝子胸に朝ランデヴー日曜日
{引用=猫}
老描の眠り百年時の棲む
{引用=人}
痩せ三毛のかそけき息に目を凝らす
その生き物に色とりどりのガラス玉をもらった
それはよく見ると一個ずつが脈動してそれぞれの色で輝いている
ときおり澄んだ音色で囀る心臓のようだった

ふしぎな生き物は美しかった
息が止まるぐら ....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み

その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
 
みずいろの雨をききながら床に入ると、雨がふる

ぽっかり空いた穴を補完するように、雨がふる

決して満ちることはないんだけど、それでも雨がふる





*YouTube み ....
健全な夕暮れに秋の冷たい風が吹く。
私は人生の喜びを一人の詩人に教わっている。
心の師は人生を達観している。
そのため私は私の境地を再確認出来るのだ。

疲れた頭に師の言葉の数々が染み渡る。 ....
猫っぽいものが
あなたっぽい暗がりへすり寄って
休日っぽい一日になった

下腹あたりに
あなたっぽくて
わたしっぽいものを抱えながら
とりあえずいまは
手足がとても熱い
秋祭ふたり見上げる同じ空 来世も諦めることになった かーさん ももいろひよこ かってや
めっちゃ かわいーやんか
そらいろも いるんやで
にじいろも いるんやで
ハートマークも いるんやで

息も絶え絶えのひよこたち
鳴いてるんじゃない
 ....
朝焼けと茜空の間に
彩(いろどり)が溢れ
茜空と朝焼けの間に
暗闇が横たわる
少女はその秘密を知りたくて
彩の一つ一つを呼び出しては
新しく命名し昼の詩を
暗闇の底を探っては
言葉で照 ....
  冷蔵庫の中で
  鶏卵の形状はときに難解だ
  それは石油や民主主義やマックブックが難解であるのと
  何ら遜色ない次元での難解さ



  女は夜、井戸で桶に水を汲み
  ....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる

ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる

涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
 

あなたの ちいさな裸形に わたしは慎ましく泣いた
蒙古斑の青さが 赤子のあなたを
きわだたせていた 
ゆがんだ顔だと 云った人もいたが
あんな うつくしさを わたしは それ ....
ふと

ショウウィンドウに映った薄ぼやけた自分の姿に 


人生 楽しい?

楽しかった?

これから楽しくなりそう?



現在過去未来


わかりっこないって そん ....
川の畔の土手に腰掛け  
考える人、のポーズを取る私を  
周囲で風に揺られる{ルビ秋桜=コスモス}の花も  
飼主に引かれ、小道を従いてゆく犬も  
みんな秋の琥珀の黄昏に包まれて    
 ....
鎧に水をためる
緊張して
わたしは
裸足で
後ろ指を
さされても
いいよ、どうぞ
裸で
こわいよ
でも
わたしは
鎧に水をためる
嗚呼朱く赤く紅く
秋に明け暮れ飽くことなし
移ろうものこそ美しい
去りゆくからこそ愛おしい
不変の美は仮庵から
渡り鳥のように飛び去るのだ


文字の檻に閉じ込めるなら
ソレハヒトツ ....
さよならの時期を知らない振りをして私あなたを殺していたのね

もう二度と愛に傷付かないように私あなたと心中します

気移りをしたなら行って構わない影だけ私に残してください

味噌汁 ....
成層圏の牧場に
幾千匹もの
群れなす羊

どこまでも透明な
追憶の彼方

舞い降りる
黄色い{ルビ木=こ}の葉

堆積する秋

深海の底に届いた
月光のように
青ざめた記憶 ....
石田とわさんのおすすめリスト(1485)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青緑- はるな自由詩413-10-18
鰯の頭_(想起させるものに、忠実に)- 乾 加津 ...自由詩15*13-10-18
【_私の才能_】- 泡沫恋歌自由詩19*13-10-18
やさしさと呼ぶもの- HAL自由詩8*13-10-18
夕日__(詩人サークル「群青」10月のお題「無」から)- Lucy自由詩12*13-10-17
上客接待- 雨の音自由詩813-10-17
いつかうつくしい日のはなしをしよう- 平井容子自由詩613-10-17
ひねくれ者より献花です- ただのみ ...自由詩37*13-10-16
い段の朝- ただのみ ...自由詩12*13-10-16
風の街- そらの珊 ...短歌1013-10-16
ありがとうの言葉とともに- そらの珊 ...自由詩18*13-10-16
ねこ曜日- salco俳句5*13-10-14
ふしぎな生き物- 梅昆布茶自由詩1813-10-14
ためいき- そらの珊 ...自由詩18*13-10-14
みずいろの雨をききながら- 殿上 童自由詩20*13-10-13
とある詩人へ- ヒヤシン ...自由詩11*13-10-13
休日- はるな自由詩413-10-12
秋祭ふたり見上げる同じ空- 北大路京 ...俳句213-10-11
来世も諦めることになった- 北大路京 ...自由詩813-10-11
夜市- そらの珊 ...自由詩17*13-10-11
10月10日の詩- ただのみ ...自由詩21*13-10-11
難解さ- 草野春心自由詩613-10-10
十月の扉- そらの珊 ...自由詩18*13-10-9
自立する_貴女に- るるりら自由詩20*13-10-9
柏谷呉服店さま- 芦沢 恵自由詩24*13-10-9
はじまりの日- 服部 剛自由詩1213-10-8
鎧に水をためる- はるな自由詩413-10-8
邂逅- ただのみ ...自由詩25*13-10-8
殺人狂時代- 永乃ゆち短歌11*13-10-6
赤いスカーフ- Lucy自由詩28*13-10-6

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