原点風景というものが
誰の胸にもある
どのように、どれほどに、遠く離れようと
消えてはくれない景色がある
この胸に
掻き毟れど肉とともに解けることなく
撃ち抜けど血とともに流れ ....
知らない街で
洗濯物が揺れている
風に洗われて
青空を映しながら
知らない道に
鳥の羽根が落ちている
素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
....
・・・・・・父は営林署の職員だった。私たち家族は小高い丘の上に建てられた社宅のひとつに住んだ。数十軒の社宅が営林署の三階だての建物を円形状にとりかこみ、遠くから眺めると近世の城とその武家屋敷の集落のよ ....
(Insomnia)
あのとき初めて聞いた「さよなら」という言葉
無音の爆撃のなか 僕はまだ惰眠を貪っていた
ただ胸騒ぎ
夢の続きを 夢の続きを…
グーグー
そうして断層で象ら ....
埃の体積する部屋にも
光りは射す
この空は
吸い込むの
落ちてくるの
光りは涙みたいだね
透き通った影
触れるとあたたかいから
僕はとか ....
父さん!
なべぶた!
忘れものです!
僕です!
宛先を!
正常 騎乗 座位 側位 半回転して ハイ背面!
正常 騎乗 座位 側位 半回転して Hai Hai MEN!!
平常思考は 性的趣向
煩悩108 全てエロ 頭ん中は 全てエロ
道行く彼氏 ....
僕の夢は
夢を見なくなる
ことだったりしたから
僕は夢を
宇宙に放り投げたり
地面深くに埋めたりした
ある日外へ出てみると
地面には夢が
もさもさ生えてきてたり
空 ....
厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....
ひるがえる灰色のシャツ
がそっぽを向く夕暮れ
の片隅に咲いている花
とそれをなじるあなた
本当は愛してたいのに
を口にしないひと
そして思ってもいないのかも
と勝手に悲し ....
つまり群集の中の孤独ってやつよ
昔は良かったね
インド洋もいいけどやっぱカムチャツカでしょ
水温低いほうが酸素豊富で楽だし
なんつってもプランクトン多いからね
[左39 下14]
....
10年ほど前、社員旅行でオーストラリアのケアンズに行った。1日だけ、なんの理由もなくブルーになってしまった僕は、仲間たちと別れ、単独行動をした。12月の暑い日だった。
巨大ショッピング・モールに ....
I, binary
私は、バイナリー
ペタは祖父、テラは父
I, hologram
私は、ホログラム
誰も私のスイッチを切れはしない
私はプログラムではなく、
私はスクリプトではなく、
....
What am I waiting for
After you said goodbye?
Is it a joke or something
That I give up before I t ....
伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。
列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く
....
ホワイトアウト。別に、遭難した仲間を探しに来たわけではない。美那子と初めての外泊に新潟のホテルを選んだ。深夜の露天風呂に浸かる彼女を覗いてやろうと、タオル一枚腰に巻いて岩場を乗り越えた。あとひとつ岩 ....
困ったことが起きていました それを急いで箱に入れてしまいました
そうするより他なかったのかな、知恵もなかったし、
ふむ、、
で困ったら、むしょうになんかこうねじってみたくなり
ねじりま ....
ある日 吐き出した唾液が
ニコチンで染まってて
嗚呼 これが僕が汚れた証だと
ふ と思ったのです
ある日 つっぷした枕が
涙で染みていて
嗚呼 これが僕が犯した罪だと
ふ と思ったの ....
線路を歩いた
草がたくさん生えていた
誰もいなかった
ずっと前に廃線になったのだ
線路沿いに坂を上っていくと
車両が置き晒されていた
子供が廊下を走っていた
もう少し歩いて ....
話したことも無いけれど
重なるこころを
感じるのは
こうして
見つめ合っているからですね
どちらかが
目をそらしたら
そこで
終わってしまうかもしれない
もしくは
すれ ....
鍵盤の流れ
書斎の壁
狂った額に優しく
私は受話器を落とす
「悲しみを愛せよ・・・」
無数の音符に巻かれて
加速する刃
氷を突き、宙を舞った
私は目覚める
衝撃は ....
釘打ち
塞いでしまったピアノを
蓋の上から叩いてみる
かたい
なんてかたいんだ
という思い出
指先が充血して膨れる
針で突いてみたいけど
ただ赤いだけでつまらない
....
なやみにみちてねむりに落ちる
まどろみながら足は窓へ向かう
外を見下ろすと今まで知らなかった河が流れていて
月の光子を静かに回す
いろいろなものが流れていく
光が流れていく音楽が流れて ....
あしたがこないと
カラスが言った
あしたはたべたと
夕日が言った
あしたはにげたと
闇は言った
あしたは遠い空の上
きょうは輝く月の下
あしたはじっときょうをま ....
この世の常識とやらは
情け容赦無い
時代は再び上昇気流の乗ったと
多くの人々は言うけれど
人々の一人一人の冷たい瞳が
今日にも人を少しずつ
殺している
二人でいればもはや
二人 ....
ピンポン球の
はねる理由を
知りたくて
開いてみたら
からっぽだった
どこかで
見かけませんでしたか
1 会った時に浮かんだイメージを2、3分持続させましょう。
例えば、毛むくじゃらで緩慢な男性をあなたが「何だかもぐもぐした人だ」と感じたとします。「○○さんってもぐもぐした方ですね」と言うと相手 ....
お誕生日、おめでとう
お母さんは、いつも居間で突っ伏していて
僕は、カーネーションも、あげたのに
お母さんにも、言ってあげたのに
4日後だから、僕の番なのに
でも
お誕生日、おめでとう ....
一回の裏が終わって夏終わる
(1)
高校生のとき、
まだJRが国鉄だった時代、
三十日間三十万円日本一周鉄道の旅を計画した。
青春18切符があれば、不可能事ではなかった、
東京を通過しないとどこにも行けない関東圏、 ....
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