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井の中の蛙は外へ出たかった。しかし、何度跳ねても高い壁を越えることはできなかった。見上げる丸い空を、時々鳥が横切る。あんな羽が欲しいと思った。その気持ちは子供たちに受け継がれ、彼の孫のまた孫の背中に ....
夫と出かけると、いつもこうだ。レストランでバカ笑いをし、電車で大きなゲップをする。昔からまったく変わらない。本人が気にしていない分、横にいる私が余計にはずかしさを感じなければならない。だから復讐して ....
付き合って六年になる彼女は、背が高くて頭がいい。僕にはもったいないと思うが、結婚しようとは思わなかった。そうしてまた一年が過ぎようとした頃、彼女が交通事故にあった。生活するのに車椅子が必要な体になっ ....
一階に降りるエレベーターが突然止まった。青年と老女が閉じ込められた。青年は緊急連絡のボタンを押したが通じない。ふと二人の視線があった。背の高い青年と上品な老女。青年は、かなり年上の女性が好きだった。 ....
厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....
ホワイトアウト。別に、遭難した仲間を探しに来たわけではない。美那子と初めての外泊に新潟のホテルを選んだ。深夜の露天風呂に浸かる彼女を覗いてやろうと、タオル一枚腰に巻いて岩場を乗り越えた。あとひとつ岩 ....
少女連続暴行殺人事件の犯人。彼は色つき眼鏡をかけて白い杖をつき、人通りの多い駅を歩く。声をかけてきた親切な少女に案内を頼む。順路に人気のない路地を指定するが、目の見えない人だと思われているのであやし ....
入社三ヵ月で五度の遅刻。次はクビだといわれていたが、会社近くの駅についたのは出勤時刻五分前だった。改札へと急ぐ廊下の隅に、うずくまる老婦人を見つけた。見過ごせなかった。駅長室まで送り、会社へ走った。 ....
バイト先の女の子に告白したら、あっけなくふられた。その夜、貯金をすべておろしてタクシーに乗った。とにかく北へ向ってくれ。戸惑う運転手に事情を話すと、彼も今日女にふられたのだという。女の悪口に花を咲か ....
小学五年生だった息子が、いじめを苦に自殺した。私たち夫婦は互いに責め合った。離婚して五年。気持ちの整理がついたころ、佳奈と出会った。彼女も離婚をしていて、前の夫の連れ子を育てていた。高校一年生だそう ....
見覚えのある風景だ。体育館の裏。ポケットには呼び出しの手紙。セーラー服の彼女があらわれた。不安そうな顔で僕を見る。なぜだろう、この申し出を断った気がする。もちろんOKだ。そのあと同じ大学に合格。就職 ....
五十年、いつも妻がリードしてくれた。付き合いだすきっかけを作ったのは彼女。プロポーズもそうだ。子育ても任せてしまった。不甲斐ない夫だったろう。それでも私の顔を立ててくれた。その妻が、布団に横たわって ....
全身から汗がふき出している。一人きりのサウナに気分を良くして、すでに十分が過ぎていた。限界だ。腰を上げかけたとき、彼らが入ってきた。どの背中にもきれいな刺青が見えた。私は静かに腰を下ろした。でも、本 ....
ワタナベさんの城之崎二手次郎さんおすすめリスト
(13)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
蛙
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
5
04-7-8
逝
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
4
04-7-7
婚
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
3
04-6-29
始
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
3
04-6-28
終
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
13
04-6-18
雪
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
2
04-6-17
目
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
2
04-6-15
援
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
2
04-6-14
血
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
2
04-6-12
驚
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
3
04-6-11
夢
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
3
04-6-6
妻
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
5
04-6-4
汗
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城之崎二 ...
散文(批評 ...
2
04-6-1
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