私の中にはおさかなが住んでる
ぴちゃん
揺れて

ねぇ、ちいさな音

震えるみたいな ちいさな音

怯えないで

高い音ではねるときもある

ぴちゃん
とがって

ねぇ、 ....
明日の朝餉で
煮物たちは
ついに食べられるつもりです
かぼちゃの君は
セミロング気味に散髪され
さらりと初冬の乾いた風になびかせ
そっと魔法の馬車馬が走り出す
だいこんの僕は
降りしき ....
あしたは雪が降るそうです
大気がこころを揺らすんだ
あと三日で母が逝った日だ
目が腫れぼったくなる夜中
花柄の枕に涙が沁みて真昼
飛び降りても抱きしめると
窓の外雪が降り積もってた
それ ....
あなたは蝶みたいに喋る。
わたしも蝶みたいに喋る。

「喋れない」とも喋れない蝶たちは、ひらひらと舞って、お花畑を自由に飛んでいる。

結局、わたしもあなたも喋りかけられるのを待っていた。今 ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
金色は広がってさわさわと揺れていた

黄金を探してかがむ君の葉だらけな頭
その黄色を見もしない

草飾りは名残をちっとも残さず
かなしく舞い落ちて行く
飾り立てられた頭を振り
滑りのい ....
それは恋文でしたか
長く綴られた美しい文字でも
過去形になると
住所も名前も内容も
要らなくなってしまうのですね

中古屋で買ったシュレッダーに
「アパート」という文字を半分消されて
 ....
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を


まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日


永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け


いくたび ....
赤いチュチュをはいた
白い花たちが
寄り添って踊る

小さなバレリーナ

踊ることは
生きていることだと
無邪気に笑う

顔を寄せたわたしの目の前で
おさなごのやわらかな手に触れ ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった

矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
  朝靄の しんとした公園で
  ゆりかごが一頻り揺さぶられ
  あかるい 幾つものさびしさが
  同じ数のむかでに変わるまでの間


  わたしたちは決して変わらないだろう
  ....
わたし何も見えなくなればいいのに
聞こえなくなればいいのに
云えなくなればいいのに
感じなくなるのが一等いい(たとえば空腹)
そんなことばかりを考える鴉は
鴉のなかでも異端で
おんなじ黒い ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
シュルレアリストの洒落たエア・リアルのレアなリズムで
 アリスのあられもない素足が水を蹴りあげる
  哀れなミズスマシは見た!

    静まる死の間際の未詩 
     冷たいリリシズム
 ....
私は、いかにも農家の家と言える灰色の瓦屋根の実家にいる。
庭に出てみると、白壁の土蔵の蔦に絡まった美しい男性がいた。
死んでいると思いきや、ビクッと動き私は驚いた。
その動きたるや、金粉を撒 ....
唐辛子を陽に干している

ワックスかけたてみたいに
艶やかだった彼女らは
日ごとしぼみ
くすんで
ぼやき
手をとりあって
しわしわになる
光の中で
そのしわは
小さな影を織りなし ....
血管に流れているのは感情です
言えない言葉が澱になって
いつかその人を支配してしまうのです

だけど言葉を
出し過ぎてしまったら
枯れてしまうのです

ひとは
その皮膚のしたに
自 ....
春が足元に
一夜限りの花びらの星座を描いた



夏の夜の夢は
浅く長い ひとつの戯曲のようだった



秋に降る火球の
行き着く先は誰も知らないまま


 ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
いつか死ぬんだ、ジュクジュクした桃色の
痺れまくりのコギトの裸体に
はしる痛覚のノイズは白く、潮騒

宇宙に放り出されている、寝ぼけながら
いつの間にか物語らしきものを持っていました
生き ....
*あなたの都合にわたしを合わせられますように*




(わたしの視座は、あなたのお言葉で大きく広がる 羽を付ける だから)
だから、わたしは、すれ違う方々全ての、あなた目線でその都度、世 ....
じいちゃんの亡くなったカミさんが
うえたザクロの木のもとに
実がパッカリあいてころがっていた

皮からあふれ散らばっている実
鬼子母神の澄んだ涙を
庭におりたツグミがうまそうに食んでいる
 ....
午後の羽の蝶が群がり
枝は一時 空に呑まれる
実は鉱に転がり 水に落ち
空へ還る空を見つめる


砂漠の火花に
鳥は降りる
そこに在ったかもしれない命の
無機と無 ....
魚焼きグリルってさ
ホント後始末が大変なのよね
それでもね
面倒臭くても
秋にはサンマを焼くの
炎で焼くの
フライパンはNGだよ
滴る脂を見てると
つくづく
秋らしくない
秋の風物 ....
貴方はもう眠っているんだろう。
そのかんばせに疲労と充足感をたたえて
閉じた瞼に縁取られるのは
かさついた睫毛か湿った青紫の隈か その両方か。

声を聞きたい。と
一人、ぽつりと呟いて
 ....
無私の愛が
人の魂の病を癒し
魂浸透した肉の病すら和らげる

冷える秋夜の森の静謐に
天使たちは降りて来るのだろうか
自愛に充ち病んで倒れる己の魂の許に

あの遠い日の海の夜明け
靄 ....
もう部屋じゅうに
季節が終わる報せが届きます
ネットポートは再び夕空でジャックされ
きっとポケット深く携帯電話にも
微かに振動は繰り返され
むかし聴いたあの唄が
そっと鳴るでしょう
波音 ....
舌先で像を結ばない
時代の陰りの不安漠然とした
――漏出か
灰に灰よりも濃く灰を溶き混ぜた
ような雲
 も 時折 
    裂 け
息苦しい断絶の青さ遠くかもめのように過る
無垢のまま ....
ゆるさない、しずかな鬼が
胃のうらで体育すわりをしてる
午前8時の喫茶店にて

ゆで卵のむき出しの
黄身に塩がかかりすぎて
窓辺から光さすきらきらの
砂丘はじごくでした。小さな人が
登 ....
小林螢太さんのおすすめリスト(725)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おさかな- 水菜自由詩12*16-11-26
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ことばあそび六- 田中修子自由詩5*16-11-25
蝶々- 水宮うみ自由詩3*16-11-23
鈍色の匙- ただのみ ...自由詩16*16-11-23
すすき野- 這 いず ...自由詩116-11-23
シュレッダー- 為平 澪自由詩1116-11-22
飛ぶ鳥を探す日- 石瀬琳々短歌14*16-11-21
秒針のない時間- そらの珊 ...自由詩16*16-11-21
恋慕- 智鶴自由詩616-11-20
漂うもの- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-20
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鴉なぜ、鳴かないの- もっぷ自由詩416-11-19
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
つめみずむし- ただのみ ...自由詩11*16-11-19
扉の向こう側- 小川麻由 ...自由詩4*16-11-19
今夜はペペロンチーノ- そらの珊 ...自由詩10*16-11-19
赤い感情- 朧月自由詩416-11-19
『よるのうた』- 葉月 祐自由詩5*16-11-18
短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
コギトを寝かせて- 青木怜二自由詩1*16-11-18
わたしなりの小舟にのって- 水菜自由詩216-11-18
ザクロと鳥と- 田中修子自由詩5*16-11-18
夜へ_ふたたび- 木立 悟自由詩716-11-17
サンマ食えっ!- まいこプ ...自由詩6*16-11-17
ラブレターは夜に書く- 愛心自由詩716-11-16
天使たちは- ひだかた ...自由詩7+16-11-16
祈り- りゅうの ...自由詩8*16-11-16
ある朝こぼれ- ただのみ ...自由詩14*16-11-16
けさのじごく- 青木怜二自由詩3*16-11-16

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