水を張った洗面器
顔を沈める姉
ストップウォッチを押す弟
呆れて素通りする母
あくびをする猫

どれだけ息を止めていられるか
平凡な家庭のちゃぶ台の上で
流行ったのは
危険な遊戯
 ....
もうさがさないでくださいあたいのこと
どこにもいないのですから
かぜのなかにさえ
あなたのこころにさえ

人魚でもない星でもない
あるいはおんなでもない

もう時間がないのです
いつ ....
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった


何 ....
朝の心地良い風が優しく吹き込んでくる窓辺にほんの少し黄ばんだキャンバスを置く。
そこに描かれた幾重にも塗りたくられた意識の高揚をじっと見つめる。
その高揚の中には、自信と自惚れ、嫉妬と蔑み、夢 ....
掘削船がやって来る
おれの堆積した泥土を掘り返す
脳だけクラゲの揺蕩いで
光の海に温む予定が台無しだ

  山の麓に猫女が住んでいるという
  噂の真相を求めて捜す者も多いらしい
  捜 ....
寒い季節に
ちゃんと寒いと少し
安心する

うまく笑えない私だけど
咲いている花をみて
少し安心する

道路工事のおじさん
地面をほっている
がりがりとどかどかと
そのうえに
 ....
自分の骨を見た詩人がいた

群れると空気が支配する
集団の最大公約数は愚劣である
集団の最小公倍数はサロンである

詐術をかけて誑かすのは容易
いともたやすく右に倣い左に靡く
風にうね ....
丸1年間
給料なしで必死に働く有限会社の社長がいる
貯金を切り崩し 社員とその家族を守るために

「あと1年は石にかじり付いてもやる」
「真面目だけが私の取り得だ」

社員も彼を信じて必 ....
御褒美の、早いひとがいる。
御褒美の、遅いひとがいる。

人生の開花予報はいつなのか?
そんなことは、知ったこっちゃあないのです。

(明日は明日の風が吹く)
と誰かさんが言ったっけ。
 ....
幸薄そうな女から宝くじ買っている 影は次々と
落ちてきて
重なって
離れて
あおい時間も
ふじいろの空間も
あなたの指で
押し広げられて
そんなふうにして
世界はできあがり
あなたが残した
古い写真の
風景 ....
こんなふうに
穏やかに
労りながら
暮らしていけると思ったやさきに

何の前触れもなく溶岩のように
吹き上がる
怒りを
とどめようもなくぶつけてしまった

慎重に
優しく積み上げ ....
片目は泪に流れ落ち
からだの何処かにたどり着き
そこから視界を送っては
震えの歩みを惑わせる


灯が眠る光を引きずるあとを
春は静かに追いかけてゆく
泥と雪と
鎖の ....
子どものころから知っていた
その今度は 
生涯 来ないこともあることは

だから
続きは また今度 
と言われたら
諦めるしかない
ただ在ってたたずむだけの石っころ風が過ぎてく君の向こうへ


部屋の灯を暗くしてから角砂糖ひとつを澄んだ水に沈める


生き方をそらみたことかと言う人の名前は全部どぶで泳がす


蝋 ....
うろおぼえの風景の中を
戻って行く
繋いでいく

抜け出したい
と思った時
光が見えた

根毛を伸ばし
水を吸い上げる
双葉を拡げ
光を浴びる

暖かかった
柔らかかった
 ....
こんな日は
決まって風が泣く

弔いはもう済ませたというのに

細い通路に
冬という冬が
我もわれもと押し寄せて
ひゅうう ひゅううと
うなるのだ

夢遊病者のように
あの音を ....
木立を抜けた風が
遠い町のざわめきを運んでくる

夕暮れの空が誘っている
踊りだす色の魔法で
ここちよく…あちらの世界に
ちくちくと心を刺す過ぎ去った風景

風に髪をなびかせながら ....
雪を被った針葉樹の臍あたり
ふっくりと一羽の雀
小さな瞳に世界を映す
やがて薄曇りの向こう儚げに
手招きをする太陽へと飛び去って
小さな黒点となり
視界から消えた

わたしの煤けた ....
      おぅい 北極圏よ
    寒気・冷気のかたまり
      いい加減にしろよ
今日でお別れってことにしろよ
     プレゼントの流氷は
      確かにとどいたよ
   返 ....
冬景色 北国生まれじゃないけれど懐かしいわぁ今日は湯豆腐

かつをぶし削って薫る郷愁は年経るごとに熟成します

水仙をたどれば春はつながるよ ふるさとの土 温かい風

手作りの竹馬結局乗れ ....
  チョキチョキと切り抜いたのは嘘泣きです天使の羽と切れないハサミ

   
  足の裏さみしい沼を飼っている思い出喰らい泣いては縮む


  夜が降るきのうも降った今夜もね、 ....
あなたは空を探す
世間体の要塞に閉じ込められて
強固な偏見の鍵をかけられても
逃げ出す知恵を巡らせる前に
小さな明かり取りの窓を見上げて
あなたは空を探そうとする

あなたは空を探す ....
祈りや想いが届かないなんて

思ったことなど

一度も

ない

 天然の生粋の心に鎧はない
 されど 裸で 晒す 無能もない
 武器を時に操るマジシャン如く
 智慧と悪知恵の二 ....
冬に溶けていた
欠片が
今、きらきらと
夜に降る
氷の棘でした

ひとつはカイの目の中に
ひとつはカイの心臓に

結晶というものは
なんて
おそろしいものでしょう

この世に ....
2月3日 午後8時
そうだ、今日は節分ではないか!
豆まきをやらねば、と突然思いつき
子供達を呼ぶ

「ねえ、豆撒きやるよ〜。おいで〜。」
「豆撒きってなあに?」
「節分の豆撒きだよ。」 ....
良いこと言って聞かれてなかった 磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない

家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
一生で1番君を笑わせる男が僕でありますように 葉は鎧のように
厚く
隙なく密生し
足元を覆い隠して

無防備な細い茎は
強情な決意のように屹立し
その上に僅かにうつむいて
そう 基本姿勢は
あくまで謙虚に

だけど譲れない
 ....
小林螢太さんのおすすめリスト(719)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
危険な遊戯- そらの珊 ...自由詩17*14-2-12
- 梅昆布茶自由詩1914-2-12
めかくしおに- Lucy自由詩21*14-2-11
朝のキャンバス- ヒヤシン ...自由詩9*14-2-11
黒い掘削船- ただのみ ...自由詩22*14-2-11
寒の花- 朧月自由詩614-2-11
スミレ- 藤原絵理 ...自由詩7*14-2-11
誠実でなければ守ることの意味がわからない- ichirou自由詩8*14-2-10
葡萄酒の晩餐- 服部 剛自由詩7*14-2-10
幸薄そうな女から宝くじ買っている- 北大路京 ...自由詩714-2-10
地の星- 壮佑自由詩22*14-2-10
溶岩- Lucy自由詩13*14-2-10
傾滴路- 木立 悟自由詩414-2-10
また今度- イナエ自由詩11*14-2-10
二月十日月曜日未明_(即興五首)- もっぷ短歌4*14-2-10
モンタージュ- Lucy自由詩10*14-2-9
もがりぶえ- そらの珊 ...自由詩20*14-2-9
水晶の砂時計- 藤原絵理 ...自由詩2*14-2-8
不死鳥- ただのみ ...自由詩29*14-2-8
黄色いcanvas六- 信天翁自由詩314-2-8
郷愁- そらの珊 ...短歌11*14-2-6
かなしいほどに- 石田とわ短歌13*14-2-5
空を探す- nonya自由詩21*14-2-5
祈りや想いの片目瞑り- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-2-5
氷の棘- そらの珊 ...自由詩18*14-2-4
節分_in_アメリカ- 夏美かを ...自由詩26*14-2-4
良いこと言って聞かれてなかった- 北大路京 ...自由詩814-2-4
バベル- 自由詩25+14-2-4
一生で1番君を笑わせる男が僕でありますように- 北大路京 ...短歌814-2-3
シクラメン- Lucy自由詩8*14-2-3

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