スーパーで並んでいたときのこと

小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた

理由はわか ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた

毎日々
ベルトコ ....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす

アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている

いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット

セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている

ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる

小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
【透明なマグマ】


あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が  ....
こわくない
冬なので
こわくない
ビタミン剤あるから
ぜんぜんこわくない

花柄の靴したを
いつもばかにされても
構わないで履きつづけていた
ななちゃんは9歳だったのに
勇敢だ ....
摂理という美の魅力によって
自然は不思議という概念を創造した

ある石は固く曲がることはない
ある石は蒟蒻のように柔らかく曲がる

甘い蜜でしたたかに誘う花もあれば
容赦なく殺す毒を持つ ....
猫背の猫、
あたらしいグランドピアノ
その黒鍵よりくろいひかり
猫の、目の、奥がものがたる
誰も見たことのない、できない
猫の詩、
白鍵を選び歩く
猫の、足の、裏がかなでる
雪より白い ....
魚上氷
うおこおりをいづる


冷たい水底で
来る日も来る日も
あわぶくの羅列を眺めてきた

滞りがちな
私の中の遅い水は
妄想だけを鰓の内側に沈殿させた

待つのは慣れて ....
かがやく曇と
黙りこむ曇のはざまに置かれたひとつの皿に
荒れた虹の音が降り
非対称の笑みを咲かせる


人工の水 人工の光
すぎるものは皆 幽霊のように視線をそらし
何 ....
 太平洋の荒い波が
 かつてひとつであった石さえも
 みっつに分断させたのよ
小説家志望の女の子の戯言が
ここでなら
信憑性をもって
語りかけてくる
干潮時にだけ現れる
海の通路を渡り ....
大雪の翌日

退院間近の幼い息子を迎えに行けるように
シャベルを握り、腰を据え、無心になって
門前に降りつもる雪の{ルビ塊=かたまり}を、掬って、投げた。

玄関から顔を出した、姉さん女房 ....
公園で母と子が手をつないで歌を歌っている


私は5歳の時 
3ヶ月間入院生活を送っていた
当時の大学病院の小児病棟は
母親が付き添う様になっていた
私には3歳と生後5ヵ月の2人の妹がい ....
言葉の針に意図を通すのは難しい
何を繕うでもなく
きれいなシシュウを夢見ては
チクリチクリと傷つける日々


   《針子のトラ:2014年2月11日》
心の戸棚に並んだアルバム

私よ、鮮明に見ることができる?

ある1枚の写真を取り出す・・・

コスモス畑と幼き私

青いお空が印象的

私よ、思い出してごらん?

・・・おぼ ....
冷たい雨は たちが悪い
それに風が加わると最悪な夜だった

粗悪なアスファルトはタイヤに雨水を投げさせては
信号を待つ私の股間を濡らす

何だよ
世間は雪と氷の祭典で盛り上がっているのに ....
挨拶したのに
ぼくを見て
顔を横にして
何もいわない人の
その一瞬が
ぼくのこころに
小さな傷を作る

返さない人の
こころのうちは
苦しくはないのだろうか

その人のことを
 ....
冬の下総台地の端に
小さな家一軒
剥き出しの枝と幹だけの
梨畑の中に
小さな家一軒

落葉高木の梨の樹
畑の樹は灌木のようで
海軍レーダーのように
針金が渡されている

白い季節 ....
雪が降った!

私の住む町で
こんなに雪が降り積もるのは
何年振りだろう

熱いコーヒーを淹れて
窓辺に立って外を眺める
まるで紙吹雪みたいに
ひらひらと空から落ちてくる

ひら ....
あなたがむかし
わたしにつけた縄を
こんどはわたしが
あのひとに結びます

雪は屋根のうえでだらしなくなって
白がすこし疲れたようす

毎朝 沸騰する
わたしの身体を知らないでし ....
硝子板の上の小さな池で
草履虫が草履虫を食べる

部屋には誰もいない
かすかに染み付いた酢酸臭がする
壁には飛び散った硝酸銀の痕跡
古代の半島を描いている

午前11時の憂鬱
あたし ....
寒い

たった今

布団乾燥機のプラグを握りしめたまま
目が覚めた

酩酊して
コンセントを探していて
力尽きた

おい
俺よ
この六畳の部屋で
遭難死するところだったじゃ ....
さわやかな朝に
無愛想なカッターナイフ
笑いながら手首を切ると
色とりどりのビーズがこぼれ落ちて
アタシは嫌でも
自分がコンビニだと思い知らされる
だから意地でも口紅は塗らない
薄利多売 ....
夜中
息をひそめて
折りたたんだ気持をひろげていく
広げきったら折りたたみ
わたしが
きのうのまま
朝を迎える
それからも
春は繰り返す

ゆがむ 水の記憶の上に

橋 畦道 雑木林
学校 郵便局 診療所
ヤチブキ
エンレイソウ
カタクリ
エゾエンゴサク

プリズムのフレームに
予め切 ....
窓辺から春の風はまだ来ない
両開きの窓は閉じられたまま
白いカーテン越しに外を見る

春の風は春の香りを運ぶのだ
春の風は春の妖精が運ぶのだ
春の風は花の香りに満ち溢る

眩い光の十字 ....
花が草が虫が獣が 生国を知っている 
潤いがたちこめて 生き物たちを通わせるのです。

人間のしでかす すべてのことは隙間だらけ
人の皮膚の隙間という隙間を ふるふると震わせる霧

穴ぼこ ....
小林螢太さんのおすすめリスト(719)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ただそれだけのこと- そらの珊 ...自由詩20*14-2-22
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小さな村のお話- そらの珊 ...自由詩12*14-2-20
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まろやかな不思議- ichirou自由詩11*14-2-17
猫の猫による猫のためのグランドピアノ- 左屋百色自由詩10*14-2-17
魚上氷- nonya自由詩22*14-2-17
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春の小川と春の青空- ichirou自由詩9+*14-2-16
針子のトラ- ただのみ ...自由詩26*14-2-15
一枚の写真から・・・- シズクに ...自由詩1*14-2-15
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梨畑- ……とあ ...自由詩14*14-2-14
【_雪が降った!_】- 泡沫恋歌自由詩21+*14-2-14
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パラサイト- 藤原絵理 ...自由詩10*14-2-13
コンセント- ichirou自由詩10*14-2-13
朝の思考α- 自由詩514-2-13
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水の村___Ⅰ- Lucy自由詩13*14-2-12
春は窓辺から・・・- tamami自由詩1014-2-12
【霧】生国______- るるりら自由詩20*14-2-12

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