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叱られた痕を想えず一人居の宇宙で祖父はほほ笑んでいる


夢ばかり追い過ぎて消えたいくつもの夜想う時さやかな吐息


オリオンは故人を恋う夜ひたすらに心静まるかたちしている
{ルビ夕星=ゆうずつ}のけなげも知らず東京の空に物言うよそ者を撃つ


片道の切符求めて上野からママにスマホを観ている桜樹


災害時かならず守る{ルビ父母=ちちはは}の若い一枚みじめな矜 ....
その少女の心にとって
世界はちいさな鳥籠のようなものだった
清潔な場でなくてはならなかったし
少女も清らかな心を懐いて
完全無欠な美しい絶対の四季の森の湖面に
常にさやかな漣をつくる風のよう ....
紅いベルベットのシュシュがほしいと
彼女は探している
二つ、希望している
左右に分けた長い髪のために
それは紅いリネンのワンピースに合わせるために
この冬わたしクリスマスを知らなかったもの
 ....
ずいぶんと良くなってきた肋骨の骨折り損と笑えるほどに


あたらしいメール友達さびしそう返信探すわたしもさびしい


会いたいとも思ってるけどと口ごもるメールが届く 真実の声


か ....
扉のそとの明るい闇に
つっかけ一つで飛び出すと

石焼きいも屋さんがいた
おいちゃん、わたし千円持ってる
三つあげよう 特に美味しいのを選ぶからね
家には人間は一人しか待っていなかったけれ ....
日没を{ルビ悟=し}る港町の夕市とうその記憶のなかの小母さん


真夜にも止むことのない港町夕焼け市場の冬の日の雪


完璧に息絶えてないお魚のしょっぱいなみだも瓶詰として


暮れ ....
石っころ
おまえを蹴っ飛ばす
花よ
おまえを踏みつける

けれども
踏ん張れ石っころ
けれども
立ち上がれ野の花よ

そうして私に教えてほしい
身をもって 意気地を
それでも、 ....
希望とか夢とか未来に手を振って冬の茜にいま身投げする


絶望の終着駅の冬の夜の銀河のほとりをさらに素足で


平熱をほしがる骨と取り引きし身元不明の駒を進める


靴を履く理由をつ ....
しあわせ って意味も知らずにそれでも
その響きに惹かれて 微かに瞬く
ひかりを 疑えなかったのだと思う
決意をして 決意通りに堪えて生きてきた
泣いて泣いて泣いて泣いて いまもまた
わたしは ....
心はどこにあるのだろう
心は海にあるのだろう

今朝の静かな{ルビ潮=うしお}には
わたしが隠れているのだろう

そこでは無数のお魚が
シャンパン色の夢みてる

そこでは一人の{ルビ ....
あまりのやりきれなさに思わず
荒んだ瞳になって街のど真ん中で
……黙して堪えなくてはならない時にわたしが
想う 風景があります
そこはひたすらにさやかでのどかで 透明で
必要がないから透明な ....
わたし何も見えなくなればいいのに
聞こえなくなればいいのに
云えなくなればいいのに
感じなくなるのが一等いい(たとえば空腹)
そんなことばかりを考える鴉は
鴉のなかでも異端で
おんなじ黒い ....
夕陽はきっと溶けるように
水平線に抱擁されて 海の底
人魚の里で明日を孕むのだと思う
そこでは どんな哲学をさかのぼっても
たどり着けないとわをしる風が
淡水の泉を可愛がっている
つぎつぎ ....
誰とでも出会えるわけでないこの世タンポポの綿毛風はどこから


石ころを何とはなしに蹴ってみる蹴られるがままのきみは星屑
どうしても選べないみどりいろの服着ている彼女どこか優って


雨の夜あしたを想う想い過ぎまたキッチンで珈琲点てる


部屋のなかまで連れてきてる自転車は世界で一つの自転車だから


 ....
ただ在ってたたずむだけの石っころ風が過ぎてく君の向こうへ


部屋の灯を暗くしてから角砂糖ひとつを澄んだ水に沈める


生き方をそらみたことかと言う人の名前は全部どぶで泳がす


蝋 ....
夕日が沈むよ
きょうが死ににゆくよ
西が自分の墓場だと
ちゃんと知っているんだね

私には自分がわからない
舵取りもできない
そしていつかはこのまま
失ったまま終わるのだろうか

 ....
けぶる空 さよなら
いつか またね
わたしを待っていてくれるのなら
きっと すみれ色で出迎えて

真夜は訪れ
いのちたちは
息をひそめる
ちいさなさよならの

行き交う街角
きっ ....
小林螢太さんのもっぷさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「余情」_三首_2017.02.06- もっぷ短歌417-2-7
「蒼い旗」_五首_2017.02.06- もっぷ短歌317-2-6
いたる- もっぷ自由詩1117-2-5
冬雀の夢- もっぷ自由詩517-2-2
「人間だもの」_五首_2017.01.17- もっぷ短歌3*17-1-17
扉のそとの明るい闇に- もっぷ自由詩917-1-2
「港町夕焼け市場」_一〇首_2016.12.21,_27- もっぷ短歌416-12-27
身勝手なヤレハス- もっぷ自由詩716-12-24
かおるのおと_2016.12.20(~21)_五首- もっぷ短歌216-12-20
耳を澄ます_(試作品2)- もっぷ自由詩616-12-18
生きる_(草稿)- もっぷ自由詩6*16-12-9
=息をすること- もっぷ自由詩1116-11-27
鴉なぜ、鳴かないの- もっぷ自由詩416-11-19
みどりごの海- もっぷ自由詩1216-11-7
路傍二首_2016.10.19- もっぷ短歌416-10-19
かおるのおと_(五首)- もっぷ短歌516-9-25
二月十日月曜日未明_(即興五首)- もっぷ短歌4*14-2-10
空には星が- もっぷ自由詩914-1-28
はざかいで- もっぷ自由詩11*14-1-24

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