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  あなたを思うと、
  わたしの心に幾つもの
  穏やかな図形が描かれる
  熱い珈琲をかきまぜながら
  窓の向うの樹をあなたは見ている
  たぶん、世界じゅうのすべてのものが
 .... 
  朝靄の しんとした公園で
  ゆりかごが一頻り揺さぶられ
  あかるい 幾つものさびしさが
  同じ数のむかでに変わるまでの間
  わたしたちは決して変わらないだろう
  .... 
  磨かれた床に映りこむ
  月が清潔すぎるからと言って
  あなたはスリッパを履いたのだ
  けれどもいつもと変わらぬそぶりで
  私を抱きしめてくれますか
  どうか抱きしめてい .... 
{引用=  /とけた猫
 
  コバルト色の階段をとけた猫がつたっていく、春、うつむくこと
  は似合わない、踊る石と、まだ眠りから覚めない風を抱いている、
  きみには。
   ※
 .... 
  さびしいことを言ってくれ
  秋の幕がひかれるころに
  紅葉色のセーターに袖をとおして
  氷雨の似合う 唇のような{ルビ瞳=め}をして
  かなしくてたまらなくなることを言って .... 
