汚れきったダイヤモンドを
土の中に隠し持って
ひたすら澄ましていた
ずっと澄ましていた
不自然な清らかな微笑みを
見抜かれぬよう
震えていた長い冬
誰かがきっと待っていたのだろう
無条 ....
光の柱に指を寄せ
確かめながら触れてゆく
光でも水でもあるかたちまで
幾度も幾度も確かめながら


芯には幼いものたちが居て
はじまりを忘れてははじまってゆく
水と光の ....
 忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
 淡い色に変色したノートや書籍。
 どこの国の物か分からない人形。
 出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。

 遠い記憶 ....
幼い頃から
ぼくは時計が大好きで
何時も秒針を眺めては
朝日に光る産毛の中に
満足を覚えていた

117の電話を聴いて
今も正確さに
その美しさを享受している

多分ぼくは前世にお ....
ひどいことされて

それを正当化されて

お金や時間や尊厳をうばわれて

泣かされて

うらまず

なやまず

うれいを持たず

生きていくには奇蹟が必要だ


ぼく ....
日没を{ルビ悟=し}る港町の夕市とうその記憶のなかの小母さん


真夜にも止むことのない港町夕焼け市場の冬の日の雪


完璧に息絶えてないお魚のしょっぱいなみだも瓶詰として


暮れ ....
次の日の青あざもきっと可愛い
レンタルのスケート靴は湿っているけれど

夜景の中の白いアイスリンクで
恋人たちが不慣れに踊る
ろくに整備もされていない足元
にんげんの群れも氷像のよう

 ....
 私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを .... 踏草する
踏草する

迷いのなかを

踏みつける 踏みつける

それは、私の自我であったり、
それは時に、私の誇りだったり、
それは時に、私のちいさな優しさだったりする

踏草す ....
現実逃避に散歩した。人と一緒にいるのが辛いから。
腕時計もスマホも本も鍵もなにも持たずに外に出て、
川沿い、田んぼ、池、公園、草むら、海辺、かつての僕が居る、いろんな場所を歩いた。
自然は現 ....
孤立

死病

人は人と
繋がらなければ
生きていけない
のに

金を持って
いないと
キリストだけ
を信じて
いないと
健康で
いないと
胃ナイト 
クエネェシ ....
外に臼がほしてありました
もうすぐもちつきだからです
家族はそれぞれに白い息をはいて
うったり
うたれたり

白くて柔らかいもちを
家族の手でまるめて
少しいびつなそれは
部屋に飾ら ....
街角にはロボット

ロボットのつぎは鹿

さいごにセンサーを外した俺たち

ブドウ畑が青白いひかりを浴びている

モーティブから落ちて怪我しようが

まるでかまわない

まだ春 ....
マーガレット色の街灯が
午前三時の路上で
墜ちた月のように佇んでいる
ジンの酔いは
俺のこめかみを
左から右へ真っ直ぐに射貫いて
思考がそこから全部漏れていく
 ....
やがてぼくは
水や空気や雲になって
生まれ変わるだろう

なんにだってなれる
雷や雪や雨にだって
土や石や砂にもなれるだろう

ぼくは森羅万象のすべてが好きだから
何にだってなれるん ....
朝早く
家族が眠っている間に雪かきをする
でないと外出も時間も困難になるから

白く美しい雪
儚く消える雪
だが降り過ぎるとまったく始末に負えない

気温が下がり切らないと雪は酷く重く ....

私は人間ではない
生物でさえない
生きているのに


私は一本の直線だった
貴方のことを知りたくて三角形となった
私のことを知りたくて四角形になった
いくら角が増えても角(つの ....
石っころ
おまえを蹴っ飛ばす
花よ
おまえを踏みつける

けれども
踏ん張れ石っころ
けれども
立ち上がれ野の花よ

そうして私に教えてほしい
身をもって 意気地を
それでも、 ....
お母さんがわたしを
おなかに宿したとき

ピンクや赤や白の花が
見渡す限り一面に
あまぁくあまぁくかおって揺れる
夢をいく晩もくりかえしたよ

だから
しらべなくとも
わたしが女の ....
平成だ

まったく平成いがい

ない光景だ

汚れていく緻密な先端

つきまとう

粗雑な日常のひかり

平成だ


砂漠に水をまこう

焼け石に水かけよう

傷 ....
 雄大な光景が私の心の襞に響く。
 山々の稜線が音楽のように流れて見える。
 私は絵画の前で瞑想しながら感動している。
 窓の外には現実が眠っている。

 何かを感じる一瞬間、人の心は純 ....
濁るよりほかに
生き延びようがなかったから
水を欲して、
水を求めて、
ここはさながら渇きの底

濁るよりほかに
明るい方向を知らなかったから
黒を試して、
黒を重ねて、
 ....
わたしはもう
石になってしまいました
かつてわたしにも
水だった時代があり
白濁した粘質の水となり
やがて泥となり
固まっていったのです
土として長年を過ごし
生き物をすまわせもし
 ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
ひとしずく
罪がこぼれる
染みを残す
いつまでも
作り笑顔の下に
明るさを奪い
言葉を失くし
首を傾げたまま
繊細な左足の小指は
曲げられたまま
財布にまだ二千円ある
エレベータより歩道橋で明治通りへ
5時、夕日傾いて
なんか悲しくてどうでもいい

見てる見てる
渋谷の再開発
大きなクレーンが強そうだ
どでかい穴を掘削機がドルド ....
無数の素数たちは、真っ直ぐ前を向き、自然数のもとへと走りだすのです。
セミがミンミン鳴くなかを、ひまわりのところへ、かたつむりのところへ、
帰るのです。自然数のもとへ。
自然数の「おかえり」とい ....
納豆のカラシ

ぜんぶは入れない

納豆のカラシ

小袋に残る

納豆のカラシ

可燃か 不燃か

納豆のカラシ

とりあえず 可燃へ

納豆のカラシ

今夜もまた ....
希望とか夢とか未来に手を振って冬の茜にいま身投げする


絶望の終着駅の冬の夜の銀河のほとりをさらに素足で


平熱をほしがる骨と取り引きし身元不明の駒を進める


靴を履く理由をつ ....
鳥のような羽根を失くした日は
どこかで雨宿りすれば良いのに
立ち止まると不安になるから
景色を連れて自転車に乗った

ペダルを漕ぐと空を飛べそうな
パイロットの夢が語られる時
 ....
小林螢太さんのおすすめリスト(725)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死の中で生きる- 星丘涙自由詩5*16-12-28
夜鉱街- 木立 悟自由詩416-12-28
見つめる- ヒヤシン ...自由詩12*16-12-28
久遠- レタス自由詩1016-12-28
奇蹟- 吉岡ペペ ...自由詩716-12-28
「港町夕焼け市場」_一〇首_2016.12.21,_27- もっぷ短歌416-12-27
ice- 青の群れ自由詩416-12-26
うみのほね- 田中修子散文(批評 ...7*16-12-26
踏草する- 水菜自由詩2*16-12-26
詩集のページをめくるときのように始まる- 水宮うみ自由詩4*16-12-25
イナイト(自由参加詩)ー増殖中- ひだかた ...自由詩16*16-12-25
臼の陽の目- 朧月自由詩516-12-25
ふくよかな時代- 吉岡ペペ ...自由詩616-12-25
銃を取れ(それがどんな感情だろうと)- ホロウ・ ...自由詩10*16-12-24
讃歌- レタス自由詩616-12-24
たぶんクリスマス- ただのみ ...自由詩12*16-12-24
棄てられたモノローグたち- 宣井龍人自由詩15*16-12-24
身勝手なヤレハス- もっぷ自由詩716-12-24
散る- 田中修子自由詩5*16-12-24
平成の光景- 吉岡ペペ ...自由詩416-12-23
あじけない部屋にて- ヒヤシン ...自由詩8*16-12-23
濁るよりほかに- 千波 一 ...自由詩516-12-23
- 山人自由詩19*16-12-22
短詩2篇- 白島真自由詩24*16-12-22
とある風景- 坂本瞳子自由詩1*16-12-21
平成38年までに再開発- うめバア自由詩1216-12-21
自然数の家- 水宮うみ自由詩4*16-12-21
納豆のカラシ- もり自由詩13*16-12-21
かおるのおと_2016.12.20(~21)_五首- もっぷ短歌216-12-20
グッドラック- ミナト ...自由詩8*16-12-20

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