すべてのおすすめ
ベッドに寝転びながら真っ暗な天井を見上げる
次第に浮かび上がる伸ばした手のかたち
疲れた貴方をこの手で抱きしめたくなる
言葉だけが遠く離れたあなたに届く
言葉というものの良さを ....
夜中に台所で誰かに話しかけたかったら
話しかけたらいい
誰もいなかったなら蛇口にでも話しかけたらいい
君は自由だ本質的に
誰の手にも負えないくらいに
卑猥なことを叫びたかったら
夜空に ....
白い花瓶が割れて
白い花が落ちた
僕ははっと驚いたよ
もう君はいないのに
君に何かあったのかと思ったよ
君は白が好きだった
花も白い花が好きだったね
初めての ....
トイレの便器に座って下着を下ろす
この普通の行為によって導きだされるのはそう、排泄物だ
食事中の方失礼
力んだところで出るものは出ず
変わりに長く細長いものがにゅるにゅると飛び出した
....
静かな午後に 空を見て思い出した
最近 思い出さなかったのは あまりに忙しくて
わかるとかわからないとか そんなことを考える間もなく
時間が過ぎていったから
わからないことをわからないと ....
琥珀色したウイスキーの様に詩をねかします
夜寝る前のぼんやりとした頭の中に
色んな香りや味がする言葉を放り投げて
樽の代わりに夢の中で
自分でも思いつかない言葉が時折
隠し味とし ....
僕は父親の顔を覚えていない
写真でしか知らない
母親もよく覚えていない
写真はないよ
不幸な家庭の不幸な子供
そう呼ばれていた
僕は色々なものを
失ったよ
夜空に刺 ....
いつもそこに見えている すぐ目の前にだ
共同幻想でもあるぞ 南無阿弥陀仏
現実の世間でも至極あたりまえの
他動説 信じて生きてきた果報者
石の上にも三年 その三年間
近づくと逃げてゆ ....
冷たい水の熱さに触れ
公園に立つ冬を見る
檻のなかの時計と噴水
公園に歌う冬を見る
風は痛く
水は閉じる
風はたくさんのものを集めている
誰もいない道を
ひとつ ....
白いテーブルクロスに
赤いしみをつけちまった
俺が愛飲する
300円の安ワイン
それを飲みながら
真夜中
無音の部屋
離れ小島みたいに
静かな中で
....
鳥のように生きたいと言っても
鳥の悲しみなど
知らないで
薔薇の花のようになりたいと言っても
薔薇の苦しみなど
知らないで
知らず 知らず
ひどい仕打ちをしていることを思って
....
手のひらに見つけたぴんく色の肉球で
疲れた貴方の頬に触れる
目の下のくまも丁寧にふに
冷たくなった頬もふにふに
疲れをすべて捕まえて
明日、また頑張れるように
にゃーとなく ....
ぽっかぽかの
日干しされたふとん
お日様のにおいが
ほんわか
あたたかくて
心が
溶けてゆくみたい
そんなふとんを
頭まで
すっぽりと
かぶったら
その日の
嫌 ....
もしも私に貴方好みのしっぽがあれば
私を愛してくれたかしら
ふんわりふわふわのしっぽがあれば
独りの寂しさ無くなるし
あたたかふんわりで
貴方を包んであげれるのに
怒った時はぴ ....
一人の夜に慣れきってしまった
僕はこれでいい
いつもこう思っていた
仕事と家の往復で疲れきった
僕はこれでいい
そう思って夢も見ず
泥のように眠った
何かの予感で夜の窓を ....
草の原には緑の花が
常に誰かに呼びかけるように
異なる緑にまたたいている
山へ山へむかう道
途切れ途切れつづく道
雨の滴と羽虫がつくる
無音にひろがる水紋の夜
荒れ ....
あさはまだくらいうちから
うしうまにえさをやり
いどでみずをくんで
ひえつぶのういたしるをすする
ひがのぼれば
たはたにでて
はるはあぜぬり
なつはくさとり
あきはかりとり
....
あたたかい午後
ゴザを抱えて
カナコさんと二人
河原の土手に出かけた
スケッチブックを広げて
あたりの花をスケッチしながら
カナコさんを見ると
うつぶせて両足を交互に折りまげながら
....
あの日
僕の夜空は燃えた
僕は君を許せず
君も僕を許せず
裏切りと涙の
炎が燃え立った
僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど
憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ
....
僕の欲しかった
犬のぬいぐるみ
お母さんが
買ってくれたんじゃだめなんだ
お父さんに買って欲しかったんだ
僕は
お父さんを写真でしか知らない
天にいるのか
地にいるのか
....
ここではないどこかへ飛んで行きたいのだ
ずうっとそう思いながら生きてきたのだ
プールの中で仰向けに空をみあげて
おおきく息を吸いこんで溜息ついて
からだにまといつくなめらかな水の揺れ
....
冬と春の間に
何がある
俺の場合
別れがあった
忘れられないと
男を追う女
忘れられないと
女につきまとう男
そう
忘れるのは難しいぜ
気付 ....
雲は糸で動かされているのよ
これは君が私に残した最後の言葉
ここから見えるあの猫のあくびさえ
君の目には糸が見えた
庭に咲く白い花も
風が動かしているのかと問う君に
....
その目は空を見つめるばかり
見えない何かに追い詰められ
見えない何かを常に恐れてる
{ルビ孫娘=わたし}の声も届いているのかいないのか
間違いなく{ルビ嫁=かあさん}の声はもう届かない
....
音と音のはざまに積もる景
積もることなく消えてゆく影
夜の雨のむらさきが
朝の雨の金に変わる
そのはざまの 一瞬の銀
ふるえのはじまり
つづくはじまり
はじまりとはじ ....
消えろ
こんな想いを抱えていけるほど強くない。
感情がセーブできる大人でもない。
もっと淡々とした付き合いを重ねていけば、報われたね
何か見返りを求めていたら、救われたね。
....
“おかえりなさい”と
風に揺れてる 桜草
思わず 微笑みかえしてしまう
不思議な春の魔法
死にたいと言わせて下さい
自己愛に塗れたものだとしても
言葉を吐くことで救われるものがいるのです
同情を欲し悲劇のヒロインになりたいと
願ってもいいじゃない
一人きりの夜に
....
春の嵐みたいな日
俺は出かける
黒い薄手のセーター
黒いジーンズ
黒い帽子
俺が
どうでもいいような所で
迷っている間に
季節は変ろうとしている
....
生きる為に仕事をして
感性の為に夕月は昇る
三日前の事で酒場へ行き
癒しの為に焼酎を飲む
三年前の事を思い出し
五年前の事でもっと飲み
今の為に歌は流れ
三日 ....
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