すべてのおすすめ
まだ色素の薄い 素の唇に触れて・・・
おまえの可愛いおでこにキスする
おまえの二重まぶたに静かにキスする
おまえの鼻筋に沿 ....
ふき消して
かんづめの
まるいぎざぎざ に
暗闇 うつす
切り続け やめた場所
ぱくりと 走り去った
鈍い 刃
なんだって
かまわない
元気かときかれれば
元気だ ....
わたしは誰でもなく
なんとでも呼ばれる
身近な人には
名前で呼ばれ
子供には
ママと呼ばれ
昔の知り合いには
旧姓で呼ばれ
離婚したことがあるので
そっちの名前で呼ばれ
再婚したの ....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
ひめや こはく
ゆう まつ ひ
あらがう ねね
つらつつ おく
とかそ やえせ
ちさら まろの
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる
私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて
太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
「笑わなくていいよ」と
店長が言ったので
わたしは笑わなくなった
一本調子で値段を読み上げるだけ
夜のコンビニに、エロ本を買いに来る男を
警戒するようになった
バイト終了時間の待ち伏せ ....
マンホールには傷がついていて、
ずっと昔から誰にも見えない程度に、
血が流れていた。
工場の排水が、
今日もマンホールの下を通り抜けると
さび付いたマンホールの血は滴り落ちていく
....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
青く揺れる影
むせかえる油絵の具
染まりゆく
ある日見た青空に、こがれて
狂人にも似た欲望で
部屋中を空への入り口に変える
ある日
寝返りをうったぼくの頭は不自然に沈んだ
ベッドに現れたのは
突然できた頭ぐらいの大きさの穴
光や他人の存在に敏感で
消える穴
使い道は分からない
ある日
仕事で大失敗
....
膝についた土の足影
太陽で溶かした黒印
混じらない遠吠えに
砕かれる夜霧の血脈
降りていく杖の焜炉
縮んだ石からり炒り
潰した靴直して履く
立てるならまだ歩く
池袋の夜に
あの人と染まって
池袋の夜に
あの人と燃えて
最終電車のアナウンスが聞こえたら
もう
この恋も終わり
人がまだあふれる中で
そっと手を握って ....
ふかえ とおく ふかの とおく
もした つのり のよみ くれて
そのわ とどき みちる ややこ
つき しろ まや かな おおて
すぎ はて ゆく まま あうせ
するり、逃げ
架空の生き物のように、人の手には触れられず
するり、猫は逃げ
けれどいつか
その気儘な速度の肢体にある肉球で地面を圧することをやめ
肉球を翻し、力無く、空に ....
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
星のピアス
虹のバンダナ
俺はいらないよ
似合わないからさ
俺は
もう何もいらない
綺麗なものはいらない
綺麗なものはすぐ壊れる
気に入ったものほど ....
絹の目に風が通るような
さらさら と暖かい日差しが
空から降って来る度に
少しずつ体が 溶けていくようです
束ねた髪を解いて 窓辺で
流れる光と花の香り
白い手をかざして 空
高く高 ....
寝ない食べない生活は
神経が研ぎ澄まされて
時計の針の音さえ
教会の鐘の音みたいに
俺の耳に響く
お前の作ってくれたものだから
好き嫌いの多い俺も
食べら ....
くり抜かれた 口
墓のない 足 が
まじないを 諭す
延びて来る真っ赤な歌
電車を塞ぐ
幾すじ もの 人柱
青は赤へ
赤は青へ
そこは どこへ 行く
それは 空虚へ 落 ....
よい かな せ さえる き しを
とが もる ふ にえる あ えを
もせ ふく や といの む いを
しず ゆく か はせる ほ やを
あせ らう な かりの こ いて
つえ はな ....
当たり前だけど
「性格がいい」なんてことや
「思いやりがある」なんてことは
二の次三の次
目の前にズラーっと並ぶ
モデルのお姉ちゃんたち
さあ始まるよ
審査審査オーディション
....
僕の家の近くの坂道で
いつもすれ違う人がいる
今日は雨が降っているよ
その人は赤い傘で
顔を隠すようにして
肩を震わせていた
何か悲しいことがあったのですね
....
ひとり旅する人をみると
かわいそうだと 人は言う
目を伏せないと歩けない人をみると
哀れだと 人はいう
そうだね
僕はうつむいて
ぼろぼろの靴先を見つめてる
....
季節外れの扇風機を適当にまわして
適当なところでアーと言ってみたりする
ヴアーとかえってきたら人知れず喜ぶ
ワレワレハと言いかけて
チキュウジンダと言ってみる
ふふんと
予想外にも ....
小学一年生の春
友達と下校途中に
桑の実があった
ちょっと とって食べる
紫色が手につく
親に叱られると思い
道路の横を流れてた川で 手を洗う
と ランドセルが首に 落ちて
重みで ....
カメレオンになって秘密のいたずら
姿を隠してくすぐって
あなたの驚く顔が見たい
なんて天邪鬼
でもずっとはお断り
忘れられるのが怖いから
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく
少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
フゥー…ンと
電気で動く電車は走る
「兄弟仁義」を歌う
酔っぱらいのオジさん乗せて
オジさんをを見つめているのはサラリーマン
プリンスホテルの紙袋をぶら下げて
その紙袋 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31