すべてのおすすめ
言葉たち
あちこちで
みしみしと
ひしめきあっていて
言葉たち
時に
きゅうくつだったり
なんとなく
楽しかったり
はやく詩になりたいなぁ
なんて
....
おまえが
にゃあ
しか言わなくなってから
三ヶ月過ぎた
冬の上野公園で
壊れている
おれ
ショウジョウバエが2匹
離れない
ベンチ
に横たわって
斜めに見る
空はどこまでも
....
お借りしていたものをお返しいたします。
と、鍵を送りました。
怪我をしないように、布織紙に包みました。
手紙を添えました。
精一杯の優しさなんだろうと、
直属の上司が電話をしてきました。 ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて
宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
用は足したのですが
ちょうどうちの部屋の若いものがやってきて
口喧嘩をはじめましたので
出るに出られません
原因は私のだらしなさで
その尻拭いを
誰がやるのかともめてる ....
初冬というには、カーテンとレースと硝子の温度差の
循環もいまだ緩やかな隙間 立冬の日の深まりらしく
ベランダに出てみれば 秋のつつがない光
唖 唖 そうそろ落陽ですな
....
もちを食べていたら
中から
ラケット二本と
シャトルが一つでてきた
正月は羽子板だよね
とか言いながら
僕らはいつまでも
バトミントンをし続けた
あの日
何回まで数えるこ ....
プラズマ放電のなか生まれ落ちた
ハイパーコダマこんじきの馬体
かの女の競馬熱は
とどまるところを
知らない こんやも
カクテルライトに浮き沈み
ターフのへりにぶ ....
それは
ニッケルとコバルトの間に僕達がいる
ということ
右手に
五つ
つながったティッシュの箱が
ゆらゆらと揺れていて
差し伸べられた踏切に
笑 ....
ひとりひとりの背に棲むものが
夜更けに互いを呼びあっている
見えないものの通り道に立ち
腕をひろげ 聴いている
夜の光の下 揺るぎないもの
幾つもの影のなか
ひとりきりのもの
....
感じない掌の上に
鳴かない鳥が
人のように瞼を閉じる
冷たい雨の降る
コンクリートの上で
静かに眠りにつく
戯れるように
温度を残して ....
Aliceと書いてアリサと読むの、
と女は言った。
黒の手袋をベッドサイドに垂らし人工の月明りの中で背中を見せる
のは初めて、
と女は薄く笑う
きしむ音はチークの椅子かチープなベッドかそれと ....
冬の湖の町は
低い丘が連なり
白い壁と茶色の屋根の家が
重なり合って建っている
罅割れた土の壁は
老いた人類の
肌のぬくもり
紅色の小さな実をつけて
柿の木が寄り添う
美しい人よ ....
レコードは回っていますか
私の溝に
あなたの体温時計
あなたの体温度計
もうすぐ秒読みです
準備はいいですか
ゴオ
ヨン
サン
ニー
イチ
←
無重力の地上に
今や大音量音楽 ....
「浅間山荘に二人で泊まりたい」
と 君が言っていたので
私は ずっと 重信房子の髪型のままでした。
が、飽きてきました
今は ジャニス・ジョプリンぐらいです
銃のこと
最近知りまし ....
片目を瞑り、絵描きの筆を持ち
灯台と私との距離をはかる方法は
私には大切なもので、片目だけ瞼の裏を見る
そこにある虚像は
私の中にある真実だから
これをいっぱいにしたくて
絵を描き続け ....
つたえたい
ひとが
みつからないので
てを
ぶんかいしてみた
なかから
ないふがころがりでてきた
ころりん
つたえたい
ことが
みつからないので
かみを
ぶんかいしてみた
....
夜中の間にほとんど埋めてしまうことができた。順調だ。順調に物
事が進むと気分がいい。雨が降らなくてよかった。多少の眠気はあ
るが出かける準備を始める。そういう気力がある。荷物も少ない。
残っ ....
二年振りに
帰ったときには
通夜はもう始まっとった
大往生や
ええ顔しとるやろ
せやな
いう声が ぽつぽつと
わしは
なんでか
涙もでえへん
ここ何年も口きいたこと
あ ....
朝の土手のチンピラの遠吠えから(採録)
*
ちょっとだけ
オレのはなしをきいてくれ
土手をあるいていたら
ひとりばあさんがいたんだ
ばあさん
さむいのに
はん ....
あなたは、加藤商店で
アイスキャンディーを
買ってくれました
川沿いの道並んで歩き
アイスキャンディーを食べました
おばあちゃんが待つおうちへ
「あ、おばあちゃんのがないよ」
....
いい天気ですね
がはじめの言葉だった
G線上のアリアが流れていて
あんまりできすぎたシチュエーションに
笑いをこらえるために
コーヒーを一口すすってから
やっと私は
ええ
と答えたのだ ....
ゆらゆら揺らめく
かげろうの下にある水に入りたくて
僕は走り出そうとする
遠くに行っちゃだめよ
手を引き寄せられた
夏の日のいつか
日傘を差した母を困らせるなんて
したく ....
「町田康みたいになりたい」
と言って出ていった人は
「みたいに」
と言う時点で
きっと 駄目なのだけれど
そういう私は
映画館で赤い便箋を買って
別れたい男に
「愛しています」 ....
みんなおらっちのこと
さんらー
ってよんでるけど
おらっちはもっとちゃんとした
せいとく
っていうかっこいいなまえがあるのに
でもかんじはかけないからさ
さんらー ....
おいしい
ためいきと沈黙の時間に
脇にはベッド
シャワールームには
不思議な大きな女の子の絵が
目隠しに貼ってある
濃密な時間を過ごすための空間
で
おでんが冷めていく
こういうホテ ....
君と僕は天気予報をしよう。小さな声で。今日のことで明日のことを考えるので、植物がのびるようにそのまま続いていくから、おぼろげな勘でいい。
ウェザー・リポート、ウェザー・リポート。スープはトマ ....
朝が沈黙している
少し開かれた窓辺の片隅で
その隙間から海に似たものたちが
ぼつり
ぽつり
と入り込んでは
満たそうとしている
出会ったばかりの幼子は
「さようなら」と ....
向日葵の迷路で迷いながら倒れこんで
そのまま眠りにつきたい
とつぶやきながら汗を拭い
晩夏の土間を掃除なんかしてる
今どき土間なんて貴重よう
なんてPTA会長がすました顔で言って ....
途方もなく大きな岩です
上空に浮かんだ岩が頭上をすっぽりと覆っていて
地面からのびた一本の柱が支えています
大勢の人がその下で暮らしています
街の周囲には巨大な壁があって
だれも外に出られま ....
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