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正義を貫き通す
しかし正義の逆は
悪ではなくそれもまた別の正義であった
戦う毎日倒す毎日
英雄は今日も人々を助ける
けれどその一方で悲しむ人もいるであろう
誠に不釣 ....
ヴァージンロードを歩きたい
――ある難病の女性の話から
歩いてみたい
この道を
車椅子から立ち上がって
遠い道
遥か彼方にあなたがいて
本当は ....
どんな時だって頼りになる
強い人だと思っていたけど
はじめて見せた君の表情に
痛いほど気持ちが伝わってきたよ
普段は弱みを決して見せない
一人で戦っては傷を作る
辛そうな姿を見るのが辛 ....
躊躇いがちに触れた指先が冷たくて
思わず肩を震わしたわたしに
君は苦笑しながら吐息をかける
春の始まりが垣間見えるこの頃なのに
夕闇に融けたそれは白く拡散した
ひっそりと二人を照らす電灯 ....
私って口下手過ぎるよね
神田東松下町にある小さな問屋さんで面接受けたあと
どこをどう歩いてきたのか
気がつけば聖橋の上から鈍く光る中央線の鉄路を眺めていた
ここから飛び降りたとしてもね ....
穏やかな
3月の晴れた日
心はなぜ、ざわつくの
携帯メールから来た友人の
ふとした言い回し
この、ざらりとした感触を
何と呼んだらいいの
ふいに連絡が途絶えてしまった
あの人た ....
たとえば小学生のころ
家族遠足でともだちの妹に
オウム小屋の金網に指をいれて見せたのは
ぼくだった
それをまねた彼女は指を失った
たとえば三年まえ
離婚も考えていな ....
この道の果てに 気づいてしまったのはいつだっただろう
笑顔で交わした 約束を誓った入り口は
もう遠い もう見えない
握った手のひらが貴方は固く 広くなって
見下ろしていたその黒髪も
....
漢字の練習とかでさ
同じ字をずっと書いていると
突然
あれこの字ってこんな形だったっけと思うことあるよね
娘がポツリと言う
漢字の書き取りではないけれど
仕事で文字ばかりを ....
ずっとお前が好きだった
お前は気づいてくれなかった
俺はお前の携帯電話
ずっとお前のそばにいたんだ
お前の淋しさを埋めてきた
お前は人一倍淋しがりやだから
俺は人一倍いや携帯一倍よく働いた ....
腹が立ちすぎて鬱
揚げ足ばかりとられて、
見過ごされてる形のないもの
つぶされていくものの多さ
自分以外の人のことでも
木の幹に守られた樹上の猿みたいな
生活が必要だ
....
無理とは〜
自分を追い込み…
もう〜
これ以上は…出来ない!
と思う心の有様です。
この無理には〜
それ以上してはいけない無理と
まだやれる無理があります。
その違いは ....
ひとは
好きと気づいたとき
不思議にも
何の抵抗も感じない
ひとは
嫌いと気づくとき
残酷にも
何の躊躇いも感じない
己が血潮に身を委ね
驚くほど素直に
それを享受する ....
上には上があるという
横には横があることを
だれもちゃんとはわかってない
並ぶってことは重要だ
生きることを認めることだ
同じ地球の同じ場所に
並んで生きるということだ
上には上 ....
すごく鬱陶しそうに言われた。
「私たち疲れてるんだから、それぐらいしてよ」
だから鍋の中のシチューを温めた。
べつに、なんともおもわなかった。
ちょっとぬるかったかな、とか意識の遠くの ....
お祭り好きの
よさ子の得意はツッパリ技
正々堂々と汚いことなし
売られたケンカに
ツッパリ続けて百戦百勝
ケンカの後は友情の握手
この前
八百屋さんの
「お嬢さん
きれいだから ....
言葉はわかり合う為の
道標ではないかと
思うのです
ドアをあける前の足音で
ただいまの一言で
きょうの元気がわかるのは ....
モスの手前の、
あのちょうどカーブのトコの
花屋の隣の隣の
岩井酒店
昔っからあるあの店。
やっぱ古いから
オッちゃんがレジ横で
ひっかけてんの今でも
で、
そのオッ ....
ハワイは1年に3cmずつ
日本に近づいてるんだって
と君がいう
うん、いいね
とぼくたちは笑う
9才の君が
どんなに長生きしても
せいぜい3mか、そこら
それでも
いいね、とぼく ....
眼がねが
見つからない
とりあえず顔を洗う
いつもしない
丸眼がねでヒゲを剃る
自分を眺める
ジャケット半乾きは
いたい
ヤニの匂い落とそうなんて
あわてて
失 ....
不思議な
でもどこか懐かしい音楽が聴こえていた
見回してみるとそこは上演前のプラネタリュームのようだった
僕は椅子を後ろに倒して大きな伸びをした
それから暗い天井を眺めて何かが始まるのを待 ....
微笑む君に
そこにいるもの皆魅了された、
君の言葉は
柔らかな光りに
反射して銀色のモビールのように
中空をキラキラ漂い
君のまなざしは
柔らかな光を讃えて
その場にある
生 ....
結晶する 耳元を過ぎる速い風
二人から 切り離されていく運命
共有した 時間が遠ざかっていくと
無理して 笑っていたのかと疑心暗鬼
光のさす場所を突き止めて
香りの漂う源を追い求めて
....
いつまでも たたえることなく ともだちでいよう
手動で電気をおこして蓄電できるタイプのラジオって
頼りにしすぎると心臓に悪い
今日の日はさようなら またあう日までを歌っていた
ラジ ....
「おやすみ」をくりかえしては
ちいさなサヨナラを一日一日つもらせて
やがてその気持ちも変わっていく
中心にある寂しさを少しずらして
かわりに自分をそこへ置いてみる
揺れていたものが ....
なんだか今朝は気分がいい
明け方着た君からの自虐的メールは
もう見慣れたんだ
もう、いいだの
サヨウナラだの
かまってくれサインの暴力版は
明け方が終わると同時に反 ....
皮肉も倦怠も飽食し尽くしたと思っていたけど
別にそんな事無いんだろうな
案外居心地も悪くないし気分だって悪くない
停滞は趣味じゃないと思ってたけど
楽っちゃ楽だからな
面白くは無いけど
....
海へと抱かれる
やわらかい夕陽の
いよかん色にもえて
さざめくひかりは一心に
反射し
調和し
舌のうえではじけて
ひとすじの
輪郭をあらわす
(帰ってきてもいいよ、という言葉 ....
お前は強いなと言われても
あなたは弱いですねと言うしかなくて
言ったからといって私の気持ちが
どうにかなるものではありません
お前は大丈夫と言われても
保障もない断言だけで
生き ....
ことことこと、と
私の感情の白い部分や、青い部分
それにつられて濁った部分が
紙片に紛れ込んでいく
紙の裏でそれらは何やら話し込んで
私を置いてどこかに消える
いつからか私はここに
....
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