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この街に雨なんていらなかったはずなのに
梅雨が来たからってだれひとり喜ぶ術もなかったのに
転ぶようにして降りる戸越公園駅のみじかいホームは
いつも苦手だった
ドアカットがなかったころの ....
鍵が開かねぇ
....
{引用=いつまでも眠ってるフリして
芝居が下手な君
普段よりも綺麗でしょ?
と語りかけるような唇
人差し指に水を晒し それを乾いた唇に引く
少しクセのある髪を 手グシで直してあげる
僕 ....
赤く開いた傷口に
橙の光をなすりつけ合って
黄ばんだ言葉を交わしながらも
緑葉であり続けようとした僕達は
....
果てでは
混ざりあう灰色が
涎を垂らしている
むらがる夜の下では
性器をひるがえす少女
果てでは
結ばれたはずの日々も
きっときれいにほどけている
見なかった夢を見るこ ....
あとかたもなく崩れゆく遠い果実を見つめている
Hのしろい指がりんごの皮をむく
どこまでも切れることなくつづく紅い航跡はこの星を
ひと回りしてわたしのからだのやわらかい節々にから
みつく
....
何処の世界へ行きたいですか?
花がたくさん咲いてる世界ですか?
笑みが溢れる世界ですか?
愛される世界ですか?
本当に行ってみたい世界は?
行ってみたいのは 差別のない世界
行って ....
きつねがお嫁に行った後の
雨上がりのボンネット
ワイパーでいっぺ ....
ロッピーありますかロッピーはお持ちですか?って毎朝毎朝うるせぇんだナチュラルローソンの山下(キレイ系かつコワイ系。もし結婚とかしたらこづかいの最後の一円 ....
今はね
ヒトノチカラを
信じてみようと思うの
これまでは違っていたけれど
そうしたら
変わると思うの
この空気の流れも
何かと一緒に
強い既視感
分かち難い女神との邂逅
始まりの予感
でもKさんには彼氏がいる
関係ないやと嘯いてみる
俺にも明日がある
どうなるかはまだ
これからの事
誰にもわからない
存在感が確かな ....
上手に絵を描こうとしても
それが思い通りにならないように
ある夜夢の中で素敵な未来を見てしまったら
現実的な未来を考えることは
遥かに遠い星に辿り着こうとすることに似ている
誰にも約 ....
忘れてください
なんて思ってもいないのに
やっぱりいいです
なんてごまかしてる
言えない言葉ほど
私にとって大事で
言えないからこそ
ずっと想い続ける
〈好き〉ってなんだろうね
*
わたしってさ
誰かを〈好き〉なったことってあるのかな
〈好き〉ってね
愛しているとは違うし
意外と精神的なものだったりして
Like ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。
裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。
そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
その人には顔がなかった
ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる
その人には顔がなかった
....
....
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう
恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう
降り注ぐ光のままに ....
{画像=110425205426.jpg}
*
あの日
とおく過ぎ去ったあの日
想い出はいまもあるのかな
あなたの胸に
*
あの日
苦しくなるくらいまで ....
見知らぬ誰かの刃を使って
見知らぬ誰かを傷つける
それは強さではない
邪悪とも言ってやれない
阿呆というのだ
自分自身の刃というものは ....
愛はある
愛は重力のようなものだ
引力と遠心力と慣性の力
愛はある
愛は力だ
引き合う力と離れてゆく力と包み込まれた力
愛はある
重力とおなじくらいある
....
「探さないでください」
そんな手紙を残して
君がいなくなってしまったから
僕はちまなこになって探したんだ
押入れ、風呂場、トイレ
良く行くレストラン、レンタルビデオ屋
何処 ....
吐き出した溜息が
泡のように昇っていけば
まだ心も晴れただろうに
水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔
こちらの様子が気になってしかたないのか
大きくなったり小さくなったり
*
わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
....
疲れた時に疲れた事を疲れたと
言える場所が欲しい
嬉しい時に嬉しい事を嬉しいと
言える場所が欲しい
悲しい時に悲しい事を悲しいと
言える場所が欲しい
静かにしたい時に静かにしたい事を静かに ....
いっぺんだけだぜ?
いっぺんだ ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう
うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
宇宙式の貨物船にのって
オールトの雲のなかを航海している
太陽から1.47光年離れても
まだお前の重力圏内にいる
まったく、すごいやつだよ
お前ってやつは
RC2052年18月03 ....
電車が混むのが嫌だから
駅までのバスは
いつもより1時間も早く
するとちょうど
妻と息子の
通学時間と重なって
息子のこだわりは
バスの乗り方にもあって
いつも最後部一列席の右 ....
『博士の愛した数式』
あれは良い邦画だった
黒ブチの淀川先生も天国で ....
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