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わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
きみの声のトーン柔らかさに

きみのデニムのエプロン姿に

きみの前髪が片目にかかった長い髪に

この春も中ごろの
夕方から夜にかけての
高田馬場のとある
オープンカフェの

 ....
「あなたにしかできないことがあるので
 どうかいっしょにきてください」と

いきなり見知らぬ紳士に呼び止められた
物騒な犯罪やらも頭をかすめたけれど

「ほら あそこです いそいでください ....
柔らかな夜に静かに落ちる
真っ白なシーツは柔らかく
おやすみなさい子供達
白い卵の割れる朝まで
おやすみなさい子供達
くれない色の夕暮れに
細い三日月針にして

なにを釣ろうか
おつきさま

下界はこんなに
楽しそう


針の音色は茜色

おいでおいでと
呼んでいる


悲しいまま ....
昼すぎにお母さんから「何が食べたい?」と聞かれて「オムライスが食べたい」と答えたから、僕は今日の晩ご飯はオムライスじゃないかなと思う。 その男は長すぎる余白を嫌う

長すぎる沈黙を嫌う

長すぎる空白を嫌う

長すぎる余白設定を嫌う

長すぎるスペースを嫌う

長すぎるスペースキーを嫌う(英語キーボード!)

 ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる

つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
女子トイレに入ってきた
あなた
あっと小声上げたと思ったら
ばつの悪そうな顔して出ていった

なんだかおまぬけで可愛いよね
あれれ、わざとかな

石橋は疑って渡れ

ほとんどの誤り ....
見えないように 幾つも隠していった
触れないように 何度も遠ざけていた
光よりも 陰よりも 離れた場所に

君にだけ 教えてあげる

ふたつにひとつ 秘密をひとつ
守らないで 背負わない ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふ ....
雨は去り
すべてが
元どおり
日が戻る

夢の架け橋
虹が奇麗だ
楽しくなって
心も温まって

子供はスヤスヤ寝ている。
一人でご飯を食べ
毎日何が何だか
分からない。

 ....
ケータイに着信があった

番号は出ず、NOKIAと表示されていた

もしかしたらと思って

電話に出て「はい」とだけ応えた

聞きたかった声がわたしの名前を呼んだ

わからないフリ ....
くもり空のした
駅まで歩いた
人を見たくて
屋根もみどりに濡れて


鉄橋の金網から
山手線を見下ろしつぶやいた
とうとう今年は桜を見なかったな
こころを開けなかった

三叉 ....
チビでハゲでブー
何が欲しいか
バレンタイン
チョコが欲しい

何を上げたい
ココリコ、コッコ
持ち物以外の
全てを上げたい

心を売買しよう
私の心を上げよう
そのかわり貴方 ....
あなたは昔言いました

…お前、偽物だ。と

寂しげにぽつり言いました

…お前、偽物だ。と


私 言い訳を探して

だってあなたは脳の病気だし
寝たきりでろくに口もきけない ....
いつもの歩道
サクラ色

盛りを過ぎた花びらが
はらりはらりと舞散って

私の行く手を
ピンクに染める


舞散る花びらつかまえて

根性だけは筋金入りよ

なんて囁いてみ ....
ねえちょっとタンマ

悪いけど。

そのなんて言うか、
そういうのやめちゃって、

かがやいちゃいなよ。

CMの中のタレント以上にね。
チマタの流行を教えてくれる
女子アナなん ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」

いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ

「どういうところがやさしいの?」

血管がういて筋張っているし ....
俺は基本的にボロを纏い
本物を見つけてみたかったんだ
本物を見つめていたんだ
薄汚れたにカーディガンに
色落ちしたスウェット着てさ
穴だらけのジーパンを穿くんだ

指差して汚 ....
夜風がゆるく吹いていた

さくらが銀河のようだった

カップルが一組

川向こうのベンチに座っていた

僕たちはすこし道に迷ったようだ

たまに肘があたる

あてどない人生が
 ....
しずかな時間に光がうまれた
わたしの心に映り形作られるもの
それは木もれ陽 それはうた
あたたかな陽だまりの中で
わたしを見つめるあなたの瞳
どこか遠いその瞳


あなたの眼差しに海が ....
あたし…
ずっと一人で薄暗いアパートに暮らしていたの
何日も洗っていない頭を床に落として、
部屋の隅に転がって、
ずっと一人で保存食の愛を食べていたの

窓の外は、緑色の大空が、紫色に染ま ....
桜舞う水底に佇む魚
たゆたうひとひらを
尾鰭で弾く

開ききった瞳孔で
仰ぐ空は
こみあげる白一色

こぽり、泡が漏れる
どこからか
漏れ続けている

ゆるい水流にもたれれば
 ....
いつもの東京が今日は

こんなに綺麗

こんなに切ない



大きな景色の前でまた

同じ場所を探してる



こんなに近いのに遠いんだ…



でも涙の誘惑には負 ....
拡散する意識のなかで
三月の
浅すぎる海底に揺れている

季節は傾きながらも
横滑ることなく
白い軌跡を轢いてゆく

街路樹の切り口に
ひたり、しみ込む優しさ
僕はきっと
臆病な ....
柔らかい雨が降っていた
右手を空にかざして
雲の向こう側から届くだろう
君の言葉を待っていた

冷たすぎることもなく
温かいはずなんてない
冷静に考えてみれば
いつもと同じ雨だけど
 ....
びんぼう びんぼう
いつだって
びんぼう どれだけ
金があっても 恋をしても
びんぼう 埋まらない
びんぼうな ココロ
どれだけ 歩いても
どんなに 泣いても

ビンボウ ヒマなし
 ....
あなたはいま、幸せですか?

君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた

こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
女とセックスしたあと

街道をぶっ飛ばす

なぜなんだろう

月だけが騒がしいのは


低いビルのすき間から

はんぶんの月が見え隠れしている

虚無ってこんな感じか

 ....
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