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さよなら
を言いそびれたから
本当は帰りたくなんてなかった
日比谷線が
たくさんのさよならを詰めて
こうこうと光っていく

あの向こうへ行きたいな
苦しくなんてないけれど



 ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった


雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
街を歩いていると
「幸せのために祈らせてください」
とか言うヤツが近づいてきたりする

オレは
「僕の方こそ祈らせてくださいますか?」
と言った

祈り合い合戦勃発

辛くも勝利
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+

鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
改札口にて
お待ち申し上げております


行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を


あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
海のそばの公園は芝生がまだ青くて、快晴、強い風
空の真ん中らへん、釣り針みたいな飛行機、光った

口をあけてみてた女の子、ぴょんと、跳びあがって

側転 側転 側転 側転 側転

芝生は ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目


君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
ツリーのてっぺんの星を100万個にひとつ、ほんとうに願いがかなうものに取りかえる仕事です。


王子様の先回りをして解毒剤を吹き矢で姫の首筋に突き刺す仕事です。


日々の生活のアクセ ....
掘れ! 掘れ! 掘っちまえ! 地の果て見えるまで
掘るんだ 掘り続けるんだ この際墓穴で構わない

お前が言った不満もろとも 俺が抱えた怒りもついでに
掘った穴の底深くに 響き渡るまでぇー
 ....
人の嘘で
鳥は空を飛ぶ
鳥の嘘で
ドアは人を
閉じ込める
ドアの中で
人は鳥を
飛ばし続ける

+

いつも
三人なのに
いつも
八等分
してしまう

+

 ....
空の上には もひとつ原っぱが あるのかなぁ...
午前2時に開店して 午前10時に閉店する 店ならあるけどね

叫ぶわけには いかない いかない
人にはきびしい人 ばかり ばかり

あああ ....
おどりばの大きな鏡に
一匹のやもりがぺたんと張り付いていた
どうやらぼくの前世のようだった
今世のぼくは前世のぼくを見て
ついなつかしくなってしまったというわけ
やあ…と声をかけた

や ....
あなたの燃える手で
わたしをだきしめて

それはとんでもない
誤訳だったらしい

でもわたしはこころをうたれた
たとえひとごろしのうたでも
たとえぬすびとのうたでも
たとえうらぎりも ....
ねむるように
愛しはじめたら
指先から
すなが こぼれおちた

これは
何の記憶?

貝の
うねうねとうごく足から
岩に
しがみついたフジツボの悩み
夢はくらくとおく
わたし ....
ある麗らかな朝、一行の詩が書物から立ち上がってはるかな水平線をめざして言葉の海を泳ぎだしたまま行方不明になった。さっそく捜索隊が組織され船出することになった--------。


どうも気がすす ....
忘れもの

過ぎ去った時の断片を、ただ繋ぎとめておくもの。

心 空を仰ぎ見る。確かなほど、楽しかったという記憶。

そこにあった、気恥ずかしさと躍動感、半分ずつの自分。

忘れもの  ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
モノを置かないでください
と張り紙のあるところに
モノを置いた

そんな些細なことがきっかけで
そんな些細なことの積み重ねだったのだろう

「いつもの」
そう修飾された朝は
あっ ....
  コインロッカー

外灯に縁取られたアパートを見て
コインロッカーと同じだと思った
私は一人
あの箱の中で背伸びをして
明日に向けて保管される

コインロッカーなら
いつか誰かが取 ....
電池が切れた。
電池は切れていた。

もうずっと前から、
電池は切れていたんだ。

嘘を付いていた、
まだ動くから。
切れてない、
演技していた。

怒る ....
しらないのですか

 しらないのですか

わたくしはもはや
すがたなきもの

たいしゃはすれども
かれはのしたの
つち
とおなじ
からだをもっているのです

しこうはすれども ....
私の詩には
ディテールがないの
ってもう
はいはい
って感じです
われながら

ただ
選択肢は選択しで
死か
詩か
選ぶのだと気づいた
意外に賢いでしょ
えっへん


 ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
てれびをみるきょうだいのよこに

みたらしだんごが

いっぽんあって

いっぽんには

さんこささっていて

きょうだいはひとつずつたべて

のこりのいっこをふたりでうかがって ....
「寄生虫」だと言われてしまった

ひっそりと唇からしのび込み
大事なものを少しずつ吸いとってゆく
あなたの内臓に絡みつき肉を食む

そのうち
あなたの骨も脂肪もすかすかになる
心は風船 ....
未来はもっと不確定
気まぐれとわがまま混ぜて
形の定まらないアメーバ作った

夢は形を変えて増えていく
自分と未来は追いつかない
ひとつひとつ失われる記憶があって
それが僕らを焦らせ ....
あの日を境に
世界は明らかに下り坂に入ったんだ
たとえばさ

えらい人が逮捕される時ってあるでしょう?
あれね
時代劇の捕り物みたいに、突然いっせいに取り囲むってことは
実は ....
 心臓を 下さい
 何処かに置き忘れたのです
シナプスを飛ばして 過去の駅
遺失物預かりの四角い顔は
どうして揺れることがないのでしょう
同情して下さい なんて 
云えないのだけれど

 ....
大村 浩一さんの自由詩おすすめリスト(1610)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
本当に出て行くのならばドアからでなくてもいい- ピッピ自由詩1205-10-17
風葬- 落合朱美自由詩42*05-10-8
流れてく、頭上の、- 望月 ゆ ...自由詩22+05-10-6
祈り- マスイジ ...自由詩7+*05-10-6
小詩集「書置き」(三十一〜四十)- たもつ自由詩1705-10-6
改札口にて- 千波 一 ...自由詩41*05-10-6
眠りのシステム- 塔野夏子自由詩35*05-10-5
日曜日- エズミ自由詩505-10-4
恋の捨て方- 恋月 ぴ ...自由詩32*05-10-4
仕事- Monk自由詩15+05-10-4
掘削作業とその後の疲労感- アザラシ ...自由詩3*05-10-3
小詩集「書置き」(十一〜二十)- たもつ自由詩37*05-10-2
1日- ワスター自由詩305-10-2
やもり- ZUZU自由詩405-10-2
誤訳- ZUZU自由詩1305-10-1
ねむらない- 竹節一二 ...自由詩305-9-28
見えていてすでに海は- 藤原 実自由詩13*05-9-23
forget-forgot-forgotten- アザラシ ...自由詩2*05-9-19
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
修飾されない朝- たもつ自由詩4105-9-15
コインロッカー- イオン自由詩2*05-9-15
「_電池が切れたら、さようなら。_」- PULL.自由詩20*05-9-15
ユウレイ_ノ_ウタ- こしごえ自由詩14*05-9-13
ディテール- 簑田伶子自由詩10+*05-9-13
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
だんご_れすきゅー- ブルース ...自由詩5*05-9-11
冬虫夏草- スプート ...自由詩10+05-9-11
「喪失アメーバ」- 又一自由詩405-9-10
sky- umineko自由詩27+*05-9-10
それでも_生きているのだ- 窪ワタル自由詩13+*05-9-8

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