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夜の廊下に
落ちている声
踏まずに歩けば
聞こえくる声


思い出せない
幸せな音
思い出せないまま
そこに在る


遠のく雷　遠のく虹
遠のく空　空
営み　.... 見えないものが膝の上に居て
明けてゆく空をみつめている
むらさきの径　つじつまあわせ
陽を呼ぶ声　目をふせる声


指のすぐ上を廻りつづける輪
まばたきすると赤くにじむ輪　.... 水に押された風が
屋根の上を梳き
かがやきを降らせ
音を降らせる


光の羽の子と光の蜘蛛の子が
どうしたらいいかわからずに
ずっと見つめあったままでいる
風の螺旋が　.... 雷鳴の腕の輪
静かに降る蒼
光は燃える
ひとつのしるし


星を知らない人に
星を教える言葉
ひとりの背には
降らない言葉


荒涼とした灯の連なりを
鳥の影　.... 鏡の裏に灯る鏡の
違わずに違うゆらめきたち
午後を夜にわたす道
満ちた花を踏みしめる道


窓のむこう
緑の雨
誰のためでもない
三重の檻


冬につらなり
　.... 手紙の花
咲いては咲き
見えなくなる
花の花のなか


山すその音
読めない文字の
背を伝う音
すぐに　冬が来る


蒼に臥したまま
朝が来ていた
盲目の昼　.... 窓から窓へ
夜は動く
夜に夜を重ね
またたく


冬の水の上
羽の羽やまず
午後の双つ穴
昇るはばたき


わたしはわたしに到かない
水彩のまわり道
夕べは　.... 内に向かって壊れた胸から
水がわずかに滲み出している
うすい陽の声
穴の数の息


草が逆に波打つ
濡れた色になる
夜の風のなか
渇いた音のなか渇きを疑う


　.... 火と火の違いもわからぬうちに
わたしたち　とは語らぬように
言葉への畏れを絶やさぬように


入口にある目は
実の奥にある目
森をひとつ逆さまに呑む


水を見たら　.... 実と土のあいだ
鳥は落ち　飛び去り
叫びと無言　緑と足跡
人であることのさまよいに満ち


はじめて　みなもと
そのまま　たましい
そこにはぽつりと
ひとつだけがある　....

ジム・プリマスさんの木立　悟さんおすすめリスト（10）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
遊迷樹	- 木立　悟	自由詩	6	21-12-13
しずく指す先	- 木立　悟	自由詩	2	20-7-24
空と虹彩	- 木立　悟	自由詩	8	20-7-3
鳥の棲む花	- 木立　悟	自由詩	5	16-6-11
黒い道	- 木立　悟	自由詩	8	12-2-27
ノート（庭と風）	- 木立　悟	自由詩	3	11-9-12
ひとつ＿わたし	- 木立　悟	自由詩	7	11-3-21
雲間	- 木立　悟	自由詩	4	08-7-5
ノート（入口）	- 木立　悟	自由詩	7	08-6-7
軀森	- 木立　悟	自由詩	3	08-5-26

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