空の割れた日は
なんでもない午後の水面が
微風にそっとゆらいだくらいの
静かな頃で
お気に入りの帽子を
どこかに置き忘れてしまった
隙間から、パリンと
音を聞いたのは私だけかもしれない
 ....
写真の中の
あなただけですね
まっすぐに
わたしを見てくれるのは

そんな優しい目で
じっと見つめられたら
なみだが出ます
今頃は、さらさらした風が吹いてきて
いつも 左肩から
あなたを感じる匂いが します。




昨日 通ったことのない
知らない道でデジャヴした
山吹色の花咲く庭の
崩れかけた壁の上 ....
静かでした
そうして音がきこえてくるのでした

夕暮れ 春がやってきて
わたしはひっそりとしていて
透きとおったところに
過ぎたものたちが入ってくるのでした

分かっているというのでし ....
私の信条、というのは実はおそろしく単純で、ひとことで言える。

「他者を尊重する」

これだけである。だから他者の詩も尊重するし、他者の信条や宗教や思想も尊重する。意見が対立するときは議論する ....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
  農夫は詩人である
              こうず まさみ

農夫は田畑で働く詩人である
土の匂いで土の声を聞き
土の匂いで土の願いを受け止め
命あるものを育てる

蜜柑の収穫が ....
父は寂しそうだった
私と母は
何も言えなかった

テレビの向こうで
進まない議論が
繰り返されていた

民営化ってなんだ?

雨の日も雪の日も
手紙を運んでいた父が
あんなに寂 ....
春先に剪定したあと
ほったらかして積んであった槙の枝に
定家葛がまとわりついて
白い花を咲かせている

もう死んでいるのよその枝は
もう緑を吹くことはないのよその芽は

この鮮やかに青 ....
幅5mmピンクのリボンほどけてく春の先っぽ恋は始まる


月に針夜空にとめておきたいの君は私の靴を盗んだ


鼻血出す君の傍ら正座して湯気はしゅんしゅん燃えております


メロンスプ ....
サッカーが終わった校庭椅子ぽつん冬が座って海を眺める


むらさきの枕の中に手を入れて風はいないと泣くよ午後2時


さんずいの一番下が気にかかるホームシックのウサギは入院


コタ ....
地をふりかえる
もはや人でないものとして
山に分け入るべき時だ
鼻を濡らして
舌を濡らして
人としての重荷を下ろす
頬を赤らめ
森を通って山の頂上にたどりつく
おしり むずむずする
 ....
静物画の
バナナだけが
浮いている

林檎と比べたら
色気がない

けれど

バナナ
の皮を
脱がしたら

甘い香りが
漂った

完熟の林檎を
かじると

腐った ....
僕らは 一列に並んで
少しずつ 進んでゆく
かぎりなく長く思える柱廊を
誰も 一言も発さないまま

僕らは 白い衣を着て
白い布で覆われた銀の皿を両手に捧げ
少しずつ 進んでゆく

 ....
眠いと一言
残して君は寝てしまった

車の窓から見える
夕日も海岸線に吸い込まれようとしている

そんな余所見をする
僕の危なっかしい運転のことなど
まるで知らない無防備な寝顔を見なが ....
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている


嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから

 ....
 ニュースをお伝えします

   本日未明
   上野動物園のパンダが脱走するという事件が発生しました
   飼育員が鍵を閉め忘れていたことが原因だった模様です
   現在警察の協力を得て脱 ....
子供をつれて大きな公園へ行った
大きな公園には大きな木があった
大きな木の枝は重そうに地面に垂れて青葉を繁らせていた
子供は喜んで木の枝に乗りブランコにし始めた
ごめんなさいね重くないですか
 ....
我輩は狛犬である。
うん。

口元はきりりと締まっているのである。
うん。
だらしなく口あけた相棒とは違うのである。
うん。
だが百年に一度くらい口あけて吠えたいのである。
うん。
 ....
詩を書く前から、
セックスを知っていた。
セックスの意味を知る前から、セックスをしていた。

だから詩を書くよりも、
セックスの方がなれている。
セックスの詩を書くよりも、セッ ....
惑星探検隊は、その星の生物に囲まれてしまった
探検隊の周囲でひざまずいて祈りを捧げ始める生物
「俺たちを神か何かと思っているのか」と隊長
「翻訳機のスピーカーを入れます」と隊員

「神よ、い ....
五月は光がとても
新しいものに敏感で

そこにだけ眩しい未来を
産卵させている

私は太陽系の
地球という
小さな惑星に生きていることを誇りに思っている

神様という人へ

明 ....
安全な海域ってどんな うねりなのだろう
私の父は泳ぎの得意な人だ
溺れてまともじゃない子を抱きかかえて海を渡れるほどの人
父さえいてくれれば
私の海は保証されていた

その海はずっと続いて ....
  暮れていく夏空に似た恋をして大人になったつもりでいたの


  言わないでほんとはもうね気付いてるあなたは優しいだから辛い


  どうしても言えない言葉を胸に抱きあなたとわた ....
泥棒が全て持っていってしまう不安な話に花が咲く母


そんなことあるはずないと言うほどに母の泥棒リアルさを増す


隣人もサイレンも犬も幻聴となりて王国平穏無事に


繰り返ししつこ ....
切花

牡丹は
いま
ただ花開くために
命かけているのに

私は
いま
無理なことばかり
要求されるんですよ

所詮
あなたの道具です

切花

この牡丹の花と
ど ....
やわらかく流れる小川わたくしのちひさな闇にきらめくひかり


クローバー探して回る少年と少女の絵画にみとれるぼくら


ぼくたちのこの関係を奪うのが風なら運び来るものも風


河原に ....
裾に広がる森の緑
雲よりも白いその頂は
はるかにそれを越えて空をさす

足元ばかりを見つめるような日常にも
そうやって見上げる景色があり
富士はまるで矢印のように
その向きを教えてくれて ....

夜を強引に押し倒してやった

わっさと積み上げられた宿題を死刑にして
乳を喰う

かゆくなってきた 大人の皮を剥こう
またひとつおれは子供に成長してゆく

おれのぬけがらに月の涎 ....
ぼくにできることは
ほんのすこしのこと

だけどそのすこしが
ぼくやだれかをほんのすこし
うれしくさせられたらいいな


ぼくにみえるものは
ほんのすこしのもの

だけどそのすこ ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
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