近年、詩は明らかに衰退しているとされている。
詩を読むのは、
もはやプロアマ問わずの詩人だけだとすら
言われているくらいだ。
かつて、
詩がもたらしていた、
言葉のきらめきや躍動は ....
風が吹き抜ける
うたから零れる水滴に
滲んだかなしみを知る
きみを包む町から
初夏の気配を纏って訪れたうたは
インクの匂いをさせながら
紙を静かに滑り落ちて
こころの中に海を創る
....
ただよって ふかく
抱かれて ひろがり
水となって しかし
すべてを忘れ 風の
かなたで あふれる
ゆっくりと時は流れていく
時間は永遠の旅人とだった
月明かりが妙にまぶしかった
小さな子供たちが
はしゃぎながら僕の横を走っていった
僕にもこんな時期があったんだなと
....
谷川俊太郎氏の
『朝のリレー』という詩
皆さんもご存知のことと思います
その詩を
頭の中で描きながら
不思議な気持ちで
夕陽を見ていた
私には終わった一日
誰かには始まる一 ....
失踪する雑踏――葬られてゆく錯綜する都会の鼓動が
不整脈を晒している。
失踪する現実――訪れるものは、立ち上がらない
睦言の形骸だろうか。
黒い朝焼けを掴み取るまなざしは、
凍りつく陶酔の血 ....
月のない夜に
おっぱいは光る
月のない
そして男のいない夜にだけ
おっぱいは光る
女たちは皆それを知っているが
男たちは知らない
男たちだけが知らない秘密は
おっぱいの
奥にある ....
生野菜が部屋を出て行く
生の野菜
それだけの理由で
ぼくらはたくさんの歯形をつけた
外では大切に育ててきたバス停が
音もなく
静かに腐っている
逝くものだけが優しいのだ、と
き ....
地の水と空の水とが出会う日を見つめる涙ひとりの涙
ふりむけば道は草木に沈みゆく路なき路と手をつなぐ径
木蓮と鳥が同じに見える子の笑みと踊りに降り ....
こぼれ落ちる吐息を
止めることができない
形を与えることがまるで
罪だとでもいうように
あなたは口をつぐむ
それでも
川は流れる
高い場所から低い場所へ
風は吹き抜ける
地球をや ....
悶々とする毎日ですが皆様は如何お過ごしでしょうか?
私は元気にやっております。息子も毎朝元気にしております。
最近は夢を見て天に帰る事は無くなりましたが、皆様の調子はどうですか?
毎朝立ち上がれ ....
丘に立つ
ただ背伸びばかりして
何にも手が届くことがなくても、
輪郭を名乗っていた頃より 透明がはっきり見えるようになりました
透明を知った私は、そのかわり
色が体の底のほうに溶けていって
....
見えない風で
街を満たしていく
それは流される疑似餌
のようなものではなく
濁流の中で耐える小石にも似て
揺らいで見えるのは
まぶたの裏の潤みの中で
抗う魚の影か
立体駐車場 ....
僕の部屋のベッドの枕元には、去年の夏の終わり、一人旅をした
時の写真が入ったままの白いビニール袋が置かれている。中から取
り出した無数の写真の中の一枚に、雨の降る公園に立つ石碑があ
り、幾本も ....
光の粒は増えては落ちて
空の青に波紋をつくる
大きな花の季節を切り
空を開け
冬を散らし
登山者の凍えた耳に
言葉を残す
雲の奥の淡い砂の陽
ほどけては集まる鳥 ....
ちょっと熱っぽいかな
連休明けで仕事立て込んでたっけ
明日休めないや
また雨だ
ねぇ、るぅるぅ
雨って
風邪を引いてないか
寝込んでいないか
ちゃんと食べてるだろうかと
心配 ....
枯れすぎると
言われる事はない
息をしている 間も
枯れる事が決っている
咲かないのは
枯れた事ではない
咲かせないのは
枯れさせたいのではない
その花瓶に手折る
瑞々しい花 ....
土の光
空の影
獣のかたち
砂の雲
ゆるい風が作る蝶
水鳥のような
雨をゆく
すべてを乱し
飛びたつもの
湿気の輪と渦
金に現れる赤
刻まれ 燃えあがる
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=73125&from=listdoc.php%3Fstart%3D30%26cat%3D5
気にはなっていたのですが、文 ....
ねずの波間に
抗う術もなく
不規則に浮き沈む夜は
瑠璃のしずく
そっとほどいて
乳白色の束を覚えず
春の浜にまどろむ
理不尽に打ちあげられし
砂にまみれた海藻は
幸か 不幸か ....
ハナミズキが総苞に
厳しかった冬の名残を残すように
ひとのことばの端々には
生きてきた人生の痕跡を引き摺って
それは醜さの現われでもあり
それはしがらみのようでもある
引き ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする
この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
*
音楽のような
音楽のために
虹のようにきえてゆく
せつないためいきである音楽は
わたしのおとぎ話のなかで
月の光となって
踊っています
いつまでも
いつまでも
子供のこ ....
雨ばかり
雨計り
雨 ばか り
雨にぬれた自転車はかわいそう
首をまげて耐えている
でも
道のわきに捨てられた自転車は
ずっと
横倒しのままで
....
どんどん沈んでいく太陽が
真っ赤に燃えていた
見とれていて僕は今日がもうすぐ終わると感じた
今日が終わり明日が来る
今日も何もしなかった僕にも明日が待っている
ほとんど空 ....
雨を受けとめるとき
光から醒めるとき
去る行為が消えるとき
ひとつの芽を知る
野をすぎ
雪を呼び
歩み 飛び 巡る影の
咲きひらく四肢を見る
温い朝の
羽のあ ....
わたしは先生をやっている
算数、国語、理科、社会
みんな教えている
それはきっと
わたしが彼らより先に生まれたからだ
子供たちは勉強をしている
将来の夢を尋ねても
返 ....
ある五月
限りある少女の果樹園は
体中で太陽を吸い
体中で緑を吐きました
太陽へ、よりも、体へ
そう、太陽を忘れたときに最も太陽由来になる体へ、体へ、
の感嘆が ....
?.
旧市街のプラサに
仮設テントが建って
ワインの試飲祭が行われた
一週間続く
ぶるじょわなお祭りだ
入り口で
一ユーロでグラスを買って
あとは一杯一ユーロで ....
あの夜一瞬掴んだあったかい
あったかいその腕で
あなたはずっと
守りたかった人がいたのね
あなたの歌声で
あたしよりもっと
元気になったりする女の子が
....
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