灰色の空を{ルビ背景=うしろ}に
 黒い背広を着た男、
 街燈の、直立不動の寂しさに、
 北風に、灯は揺れる・・・・・・・その昔、
この道を{ルビ通=かよ}った男が
 そこに見た嘘の女を
 ....
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わた ....
はじめまして
しょっかくもどきです
むしのあたまにはないけれど
さんねんめになります
ネコをみるのがとくいです
どこまでつづいているのか
ときどきふしぎになります
こんなわたしですが
 ....
朝に
林檎がもがれる


それは
太陽になり
風になり
私のもとへとやって来る


おはよう
ごきげんいかが
と はにかんで


さくりと
歯に当てた
ほのかな酸味
 ....
{引用=



その触感に硝子は濡れ
窓の向こうに季節の音が訪れた
川と海がきらめきの水に重なり
遠いそこにも
二人だけの神話は秘められている



 胸のなかの声 腕のなかの ....
階段を降りてくるものは
オバケだけではなくて
できたてのおやつを目当てに
降りてくる人類の営みのような気もして
それが文化だと
中学生の時
教頭先生から聞きました。



 ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色

甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い

五 ....
風が来て
傘を川に遊ばせ
緑の拍手をする



突然の雨に
水鳥さえ流され
夏は終わる



けがれあるものも
なきものも
小さな痛みを呼ぶ



 ....
雨の降る夜の路地裏を 
酔っ払いの男は一人
鼻歌交じりに 
傘も差さずに歩く  
涙色の音符を背後に振り撒いて

雨は降り続き 
路上に散らばった音符は濡れて 
よろけた男の後ろ姿は  ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で 
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜 

場末の Bar の片隅で 
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ 
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
あなたが優しく息を吸い
ふい と息の根を止めた時
私は とても幸福でした


流れる雲は川面に映り
青い空を魚は流れる
錯覚しておいで
この手の平の陽に
飛ぶ魚よ 飛ぶ鳥のように
 ....
  

不思議な人が
一億個の不可思議を抱え
目の前でにっこり笑った

さて
僕は何から始めようか



おはよう おはよう
僕は君にとっての
不可思議のひとつでいい

 ....
懲りずにまたお昼寝をしてしまったので
また哀しい

夢を見ていたことも
あたたかく冷たい砂につつまれる湧き水の音めぐるむらさき



饒舌を打つが私の常ならずハチドリの羽ハチドリの水



指さきに降る水銀の一粒に触れに来る火の姿はまわる

 ....
きりきりと張られた
暗い夜道

向かう音のない雨
片側だけで 聴く耳
もうひとつの行方 

舗道を流れる
外灯の明りに
寄りすがり
つぶてに 落とされた 蛾

パタパタと 動か ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
絶える昨夜が静かに終わって
それでも、紡ぐ言葉が見つからない
明日の羽音がまだ見えるのは
踏み込む足が力強い、から
ほら、世界はこんなふうに明るい

ドアが開くと、大勢の人が流れていく
 ....
閉じられた
まぶたのうえに
のせるくちびる


まぶたのかたち
まなこのかたち
たしかめながら


ひとりだけの あなたの
ひとつだけを
たしかめながら

 ....
遠くに見える軒先の明かりは
線香花火の様に見えました
それは小さく {ルビ朱=あか}く
瞬きをする度に{ルビ滲=にじ}んで
まるで線香花火の様でした

どこかで歌う声は{ルビ囁=ささや}き ....
遥かの西方から雨は僕の世界にやってきて
もう三日も降り止む気配がない
大粒の
激しい雨に
僕は傍らにいるお前の二の腕をつかんだ
お前の二の腕は白く
とてもやわらかい
クニクニと何度もつか ....
 仏蘭西語よりも希臘語よりも陰気な羅典語よりも
 英語の発音が好きだ だから
 私の名前を呼ぶときは
 英語の発音で呼びかけてくれ

ルシフェルとの戦いで
華々しい戦果を挙げたのは遠い昔の ....
会社


会社の顔を汚すなと
上司に言われた
僕に顔は

いらない





未来


40年後の
僕の顔
今のこころが作り出す





レジェ

 ....
駅までの途中

紺のひだスカート
髪はキュッと右上でくくり
鞄はぺしゃんこ
ローファーに「ズルズル」言わせて
学校、なんてかったるい場所(とこ)へ
しょうがないけど行ってあげる途中
そ ....
そっぽを向いた鏡をなだめて
今日も自分は
この世に映る
 太陽の灯を消そう、
 吹き消そう、
 すると見えてくる
 難解な文字や数字を窓から棄げて、
 生まれくる冬の寒さが。
 仄白い僕の心のなめらかさ―
 太陽は嘘をついた。
 それゆえに巡 ....
それは
私が見た
たくさんの野を駆け
私が見た
たくさんの空を駆けて
いつも また
ここに帰ってくる

別のかたちが あるなら
どんなに いいだろう

目覚めた 明け方の
浅い ....
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜



通りすぎまた通りすぎ唱は降る



手をかすめ消える笑みたち金のいろ



生と死を斜めに飾る毒の花



天と地の ....
追いかけることも
追われることにも
もう、飽き飽きしてた

 私の中を冷たいものが通り過ぎ
 流れ流れて
 どこか、どこかを探す

そんな時は掌で祈る、夜
誰かを見送る時はい ....
このひとつぶに幸いあり
このひとつぶに不幸あり


不ぞろいに置いたそのつぶを
くちびるに含んで夢を見る
あのひとのくちづけを
あのひとのかんしょくを


私の恋はいまだ熟さない
 ....
崩壊する青い壁
とどまることを知らず

何万年もの夢が
一瞬に消える

清浄な酸素を吐く気泡

海は怒り白い炎をあげる

時が重ねた史実は
時に覆される…過去を飲み込む

漂 ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
氷った街角- 白雨自由詩6*06-9-19
ラヴなステーショナリー_その2- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-9-18
ファザー・グース(5)- たもつ自由詩22*06-9-18
林檎の朝- 石瀬琳々自由詩17*06-9-18
秋は- まどろむ ...自由詩5*06-9-18
無量大数- あおば未詩・独白6*06-9-18
葡萄色の- Rin K自由詩35*06-9-18
ノート(36Y.9・20)- 木立 悟自由詩406-9-18
雨の夜_- 服部 剛未詩・独白10*06-9-18
堕天使達の夜_- 服部 剛自由詩11*06-9-17
幸福な九月- 千月 話 ...自由詩18*06-9-17
無量大数- AB(な ...自由詩706-9-17
日曜- 松本 涼自由詩306-9-17
ある夜の色- 木立 悟短歌606-9-17
背中の背中に潤う寝息- 砂木自由詩13*06-9-17
白の質量- umineko自由詩13*06-9-17
言時雨- 霜天自由詩306-9-17
ノート(まなすい)- 木立 悟未詩・独白406-9-16
思い出の街には犬が笑う- プル式自由詩8*06-9-16
雨と二の腕- 黒田康之自由詩406-9-16
天使祝詞_ミカエル- The Boys On ...自由詩6*06-9-16
顔_その3- 恋月 ぴ ...自由詩14*06-9-16
すれちがう- yaka自由詩3*06-9-16
ノート(43Y.9・16)- 木立 悟自由詩406-9-16
若人の歌- 白雨自由詩306-9-16
朝の闇から- こむ自由詩4*06-9-16
宝石夜- 木立 悟俳句706-9-15
宵闇- 大西 チ ...自由詩206-9-15
葡萄の夜- 石瀬琳々自由詩17*06-9-15
氷壁崩壊- 深月アヤ自由詩3*06-9-15

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