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寂れた窓は動かないふりをし
ひたすら外に目を向けていた
季節の香は失われ
残酷なほどに生をむさぼり続けた
虫はいない
寂れた窓にとって
そういう喧噪ははなはだ懐かしく
色合いの違う風に吹 ....
すこしだけ何かを言いたいのなら。

さようなら

繰り広げられる白い雪の
すべてをさらけ出した清いあきらめが
くるおしく皮膚にしみこんでゆく

季節の記憶が旅立って
たどり着くこと ....
十一月の雨はどんな気持ちで降っているのだろう
十一月の雨は、冷たくなれば雪になるけれど
ほの温かい、いくぶん霧雨のような朝には
ため息だけを増産する

十一月の雨は、まるで生活することに疲れ ....
十一月一日
 悪天だったがこの日を逸すると雪が降ってしまうかもしれないと思い、向かった。冬枯れの登山口は老いた自分の終末への入り口のように静まり返っていた。
 冷たい雨が時折強く、その上風が木々を ....
もぐもぐ、もぐもぐ、はたして
そんな音が聞こえるのかどうかは
世間的に問題にならない
たぶん、ごはんを食べるとかそういったイメージ

さして食欲もない昼の食事は
きっともぐもぐとい ....
朝方少し仕事をし、あとは何もせずに過ごした
背徳感が骨や肉に浸透していたけれど
床から出ることはなかった
何もしないことにした一日は重金属となって
言葉も発せず、でも聞き耳を立てている
でも ....
昨日、時折強く雨はアスファルトをたたきつけた
湿気っぽいはらわたが、時折りふくらんで高温を発している
水が口から流れて流れて流れて
耳から入ったおびただしい仔虫は
頭の中で羽を広げ ....
十日ぶりに髭を剃ろうと思う
再び、のっぺりとした顔が現れるのだが
秋のイネ科の、メヒシバが生い茂ったような
このむしゃくしゃ感が鬱陶しくなった
そもそも髭を剃る習慣はなく
部屋が散らかると片 ....
雨水で浸食された登山道には少しだけ草があり 
刃を石に当てぬよう、気を遣いながら刈り進むと
ヌマガヤ草原には未だニッコウキスゲの群落が残っていた
一日咲けば花は萎んで枯れゆく花
遅くとも八月に ....
頭の中には蝋燭が一本点いているだけのような
どこにも居るような朝である
カーテンは閉められていて
遠い所から立ち寄った風が時折揺らす
時間がありすぎて、たちくらみするような感覚
どこか手術台 ....
 二〇〇九年にメビウスリングに投稿を開始した。此処の年齢層は若年から中年までといった具合で幅広く利用されているようであったが、当時すでに私は五〇を超えていた。つまり年配者であったようだ。
 メビウス ....
黎明の時間がひろがっていた

こともなげに日々は過ぎていき
わたしはしおれた案山子のように日に打ち照らされている

かいつまんで話をすることもない
唇は固く閉じられていて、それ ....
スーパーにスイカがたちならび、買い物客は上腕をむき出しにしている
夏至が過ぎた日の日中は、もう夏のような暑さが
巨大円盤となって上空を覆っている
希望というのは、日にあたった蛞蝓のように動かない ....
月乃 猫さんの山人さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寂れた窓- 山人自由詩11*25-11-25
粉雪- 山人自由詩12*25-11-18
十一月の雨- 山人自由詩9*25-11-10
山仕舞い- 山人散文(批評 ...6*25-11-3
食べる、もぐもぐと、食べる- 山人自由詩7*25-10-19
わずかにのぞく夕刻の青空と静寂- 山人自由詩11*25-10-13
曇っているのは空だけじゃない- 山人自由詩5*25-9-30
髭を剃ろうと思う- 山人自由詩6*25-9-21
九月のニッコウキスゲ- 山人自由詩11*25-9-9
忙殺された日々がめくられて- 山人自由詩11*25-8-28
メビウスリング~現代詩フォーラム~文学極道~ビーレビ~現代詩 ...- 山人散文(批評 ...10*25-8-11
7/20- 山人自由詩8*25-7-20
夏至が過ぎたから- 山人自由詩6*25-6-28

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