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どこまでも
続こうとする坂道
喘ぎながら
繰り返される
独り言のような呪文
聞きながら
闇雲にしがみついた
あなたの背中
眠ったふりしながら
安いおしろいに混じった
....
微かに潮の香りがした
ような気がして振り返ると
手を振りながら君がアトリエ坂を
駆け上がってくるところだった
打ち寄せる波のように真っ直ぐに
トビウオのような足取りで
変なあだ名で ....
「逢う」と「会う」の違いが
分かりますか
「夢」と「現」の境目が
見えますか
埋火のような想いはどうやって消したら
よいのでしょうか
叶わぬ願いを此処に置いて行っては
い ....
擦れ違う
人と人と
袖と袖と
熱と色と
闇と息と
擦れ違う
季節と憂鬱と
言葉と黄昏と
畏れと香りと
祈りと呪いと
擦れ違う
風と唇と
声と光と
女と ....
想い出したように
鳴る
風鈴が
躊躇うように
あなたが
幼い頃の話をする時のように
鳴る
風鈴が
逃げる風を追い駆けようとして
諦めたように
鳴る
あなた ....
いつまでも
想い出にならない夏
痛くもなく
ただ痺れていただけの夏
ぽとり
昨日の端から
呆気なく零れ落ちたわたしは
黒い服を着せられ
どこかが
痛いような顔 ....