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バルコニーの 天井が
五月雨で 滝音をたてている
幼き 三次元を
想起させるように と
そぅだ 日照りのため
生れ故郷も すなおになって
雨を ....
神妙に 生きてる 風が
死んでる ガラス戸を
ノックする・・・・
ただ それだけで
七色の四次元は
生かされてゆく
落日まえの ひととき
豆腐屋の 街宣車が
スピイカァを
響かせるなか
卒寿の老残は 公園の原っぱで
まぶしく ながめた
男の子が 赤いシャツを ....
雷鳴のように ひびく
原っぱからの子供たちの叫喚
それは 独居している
卒寿のお独りさんにとって
なによりものごちそうになる
が
それと同時に気がつくのだ
壁時計の秒針が重たげに
....
暮しのネタを持ち得ずに
時空はひとみを失神させて
ただ 黙々と
うたかたの みなおをつくる
卒寿を越した おひとりさまが
無聊のキッチンで
....
裏庭に面した
ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
レィスのカァテンが
待ちわびたように
それは見事な波を創って
(そして
....
いつの間にやら
できていた
玄関先は・・・
冷たくなってる
コンクリに
曲がりくねった
割れ目が二本
蟻の棲 ....
ブランコや滑り台やら
ジャングルジムが
さつきのひかり
フルにうけ
子すずめたちに
よびかける
ひなたぽっこにおいでょ
....
うれしいよぅで
あわれのよぅな
卒寿を過ぎた おひとりさまは
手足を動かす 園児のよぅに
(わが子か 孫にも
等しい年代の
....
おさなごたちが 飽きもせず
年積月の 乾いた空の下で
小公園滑り台を繰り返したり
片隅ブランコをゆすり続けたり
ジャングルジムで
サーカスをまねたりして ....
年積月の西日が
南だれの居間になだれこみ
たそがれまじかの
いそがしさを そそぎこむ
原っぱでの
おさなごたちを
小踊 ....
庭木の梢が 北風で揺れている
踊っているのか
笑っているのか
震えているのか
呟いているのか
でも 泣いてはいないよ ね
丘ひだの わがやに
もう雀のさえずりが
まったくきけなくなって
しののめの窓辺に
明るみがさしたとき
指先で目やにをぬぐって ....
けだるく湿っぽい梅雨どき
ねずみいろの空を取っ払って
エーゲ海の空をおもわせるほど
青いこころを呼び起こすものはない
ねむたくかびくさい梅雨どき
雑木林の ....
たわいのないことだが
テレビの予報に反して
梅雨どきの浅い日差しが
わがやぜんたいのかげを
舗道につくってくれるとき
無聊にあまんじている
卒寿のおひとりさまに ....
愛犬が吠えたてるなか
東隣りからは
車庫シヤッターの上昇音が
西隣りからは
二階雨戸の開放音が
平和なかぜとひかりを包みこみ
梅雨 ....
優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
セイロンサファイアの
鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま
広場の木立ちには
回遊の子雀 ....
うずくまっていた
卯の花月がながされて
田の草月にめざめるとき
老残は猫背を反りかえし
両手をかざして
なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をま ....
おれが猫背になる前は
風と光に色つやがふくまれて
祝い旗が屋上ではためいていたのに
卒寿となってからは
皺だらけの手旗となって
軒下で垂れさがっ ....
最近 どうしたわけか
卒寿となった おひとりさまに
わけもなく
にじみでてくる泪がある
それは・・・・・
....
穏やかな風と光が
丘のひだにあふれて
卒寿の猫背を包みこむとき
おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる
はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
庭木がかもしだす
日陰と日向が
その鮮明度を増し
遥かに漂っている
卯月の雲も
田の草月に移行するとき
いままで眠っていた
老残の ....
浅いひびわれができた
ベランダの三和土でみる
一匹の蟻
単なる散策なのか
それとも
餌を探すためなのか
まるで卒寿となった
おひとりさ ....
始まる前は 長いなぁと
おもっていても
いつのまにか 千秋楽が
来てしまう
十五日間の大相撲場所
そうだ そうな ....
伊勢湾の一辺をになっている
(比較的 温和な風と光にめぐまれた)
知多半島は
丘の稜線から
いま 伊勢湾の貨物船を望遠してい ....