すべてのおすすめ
アンパンマンのあんが
つぶあんだったらいいな
こしあんのほうがお上品なのよほほほ
って笑うオバサマがいるけど
アンパンマンのあんが
つぶあ ....
青春の息吹が芽吹くときのはて
役目を終えた潤井川に映る笑顔は
今年の桜が舞い散る風景のなかに
音もなく溶け込んでいく
永劫と思えたコキュトスもまた
数えきりない数多の歴 ....
都会に埋もれて
四畳半のアパート暮し
恋人同士は貧しくても
愛があれば幸せだと歌う
七十年代の四畳半フォーク
モノで埋もれて
動けるのは四畳半程度
貧しくはないのに人恋しくて
四畳 ....
私は人からなんでも奪われる
そんなに欲しい物があるなら全部あげようか
私のすべてはこの身だけさ
一つだけしかないすべてを呉れてやる
舞い上がれ大空高く
透きとおった風となり
自由の天地を目指して
鼓動は久遠の鐘を鳴らし
晴れやかな未来図を描こう
親身になってくれる人の言葉は
話半分に聞く
後々役に立つが
今ではないかもしれない
無責任の人の褒め言葉は
耳を澄ませて聴く
お世話かもしれないが
ヒントかもしれない
厳しい人 ....
梅の香りに撫でられ
リマインダーが発動する
まだ甘酸っぱい関係性
二人ともはにかむ
素直な気持ちを
思いきって囁き合う
赤いリボンの端と端を
二人でつかんだ
人肌にとけて
舌 ....
言えなかったままの気持ちが
寂しくならないように
溜め息でリボンを掛けた
悔やんだり喚いたり
全然綺麗じゃないのに
どうして思い出は
心の中で生まれるの
酷かった言葉も
醜かっ ....
ことば
言葉は踊る
それは絵のない音のように
音のない夢のように
過去から未来を連れてやってくる宇宙
文字はくしゃみから放たれる魔法のようで
ココロ オリコ ....
みんなは
テレビやご飯や色恋沙汰や嫉妬や
自分自身のことに夢中
死ぬななんて言ってくれるひとは
誰もいない
虚しいね
そんな繋がりなら
いらないや
硬く閉ざされた青い木の実
指先で摘んで手のひらで転がすようなもの
いたずらに弄ばれて
呆ればまた摘まれて
そのままゴミ箱のなかへと放り込まれる
紙屑のシーツに包まったまま朝を迎える
....
タタタタタ
黙っていよう
気づかないふりをする
言ってしまうと
死に至る
無意識の動作
タタタタタ
何も言わない事が
人助けになることもある
そもそも
それは私の使命ではない!
寄ってたかって期待され
無視できなかっただけ
私の優しさを利用した
仮初めのもの
最愛の人との未来と
全然実感してない仮初めの使命と
どっち ....
盲いた老女は
少し哀しげに家の家具を愛しく触れる
思い出がたくさん甦り
老女の顔に束の間
笑みが浮かぶ
お気に入りのオルゴール
夫との最初のデートで買って貰った
トロイメライ ....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている
正 ....
サブスクリプションだから
生活費を削らずに音楽を聴けるので
満たされた生活になると思った
サブスクリプションだから
少しでも多くの音楽を聴かないと
損だと思い音楽優先の生活になった
....
○「クリスマス▪イブ」
僕は寒くなると
誰かに抱きつきたくなる
抱きついてぬくもりを感じたくなる
若い子なら一番いい
ワイフにはもう抱きつけない
孫でもいれば抱きつけるんだが
孫もない
....
星のような脆さで光っていた
鳥達が言葉を持ち
海を渡っていく
変わっていくことが分かっていた
愛だっていつか干上がるだろう
けれども僕たちの生活は
今のところまだ
星のような脆さで光 ....
夜の舟
櫂はいらない
ゆられているのは
こころのありか
星くずは
あかるく燃えながら
一瞬で消えてしまった
とても遠い闇が
触れるほど近くに落ちてくる
ここは宇宙の湊
願い ....
人工の月が自然の月より明るい世界
衛星は渋滞気味
地上は荒廃気味
権力は美味しすぎて
欲望に肥えた人間が
常に奪い合い
人工の月を大きくしていく
権力以外全部駒
その構造が変わらない限 ....
何もかもがあるべきところにない夜
君は月の鳥になって訪れる
冷たく冴えた光を浴びて
その羽の光沢はほのかな虹色
君はうたう
はるかな過去からのように
はるかな未来からのように
その調 ....
空がとても悲しくて
白いベッドに横たわる
空がとても冷たくて
熱いココアをかき混ぜる
{ルビ暮色=ぼしょく}の寂しさ微かに{ルビ凍=し}みた
潮の香り
冷たい風に吹かれ
波を見つめる
この海のどこかにいる
冷たくなって
もう体温をもたない
あなた
私は自分の掌の温かさに苦悩する
波音が浮かぶ思いを
寄せては打ち ....
冬の石畳みの
陽だまりを愛しながら
時計の針で刻めない
とおい未来から届く昨日を
思い起こしてみる
追いもしない記憶に追われもせず
そこに立ち止まって
年齢を重ねる自 ....
おむすび、
お出かけする、
にちようびの晴れた朝に、
握ってくれた、
台所の海のかたまり、
炊きたての、
白いゴハンの湯気に混じって、
海苔と塩の蒸せるような香りが、茶の間にまで活き活き ....
彼女は
最初から飢えていた
赤裸々に本能的に
男が欲しかった
肢体にも媚態にも自信があった
毎日の風呂上がり
念入りに乳房は豊かか
腹は引っ込んでいるか
隅から隅まで確認す ....
横になればすぐにわかる
どうして今まで立っていたのだ
眠るために必要なものは、
とりあえず枕と寝床があればよい
悔しかったことや腹が立つこと
悲しいことや傷ついたこと
虫歯の痛みや腹ぺ ....
もみじ、
肩まで浸かった露天風呂からのぞむ、
さりゆく、秋の赤い夕ひが、
ひとすじの、きまぐれな寒風とともに落としていった、
いちまいの、
星のカケラ、
休憩室の掲示板に、ずらりと並んで立 ....
木枯らしの渦巻く中庭で本を読んでいた
まだ蒼い銀杏の葉がページに挟まり{ルビ栞=しおり}となって
ぼくはそのまま本を閉じた
階段を昇りきると
磨かれた長い廊下は光り輝き
影を失くした透明な人 ....
恍惚の人となっても
一番愛していたことを覚えているとしたら
自分にはどんな記憶が残るだろう
愛に似たようなものはあると思うが
今はまだわからない
歳をとって色々なものが抜け落ちた後に
光る ....
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