ほんとうのほんとうに
天国を信じてないひとなんて
いるんだろうか?
うちは
短命な家系で
父は私がもの心つくまえに
母も五十台前半で
姉も十年以上まえに亡くなっている
....
転がってる
空き缶を拾う
近くのゴミ箱を探す
そんなものはない
一面田んぼの砂利道に
人影ひとつない道をゆく
あふれる想いも夢もない
汗かきながら
ただ歩くだけ
....
ただ秋になって嬉しかったのは
光りの眩しさをただ
心を突き刺す艶かしさだと
勘違いしたこと
触れることもできない
罪だったのかもしれないね
それでも
そのあとの悲 ....
(俳句八句)
風鈴もカタカタと鳴る風強し
ひとり寝の布団の朝に泣くな蝉
初盆の生々しさにわが身抱く
スイレンの花に牡蠣殻落とす罪
夕涼みし ....
僕らはみんな生きている
少し笑って生きている
少し走って生きている
少しうつむき生きている
僕らはみんな生きている
生物として生きている
動物として生きている
人間として生 ....
やぁ、君は、ズルいねぇ。
ズルくなくっちゃ、
生きて来れなかったから?
ちょっと酸っぱいリンゴジュースを
朝コップ一杯飲むことにしているね
甘すぎるのは、嫌いだから ....
夜になると
ひとりだからよかったと想う
トラックがゆきすぎる音が
けっこう近くで聴こえるようで
夜だから
静寂に穴をあけるように
サ──────ッ
って
アス ....
青空に黒い蜘蛛の巣張るように樹々の梢が伸ばす指先
部屋の窓からみえる月光が
とても綺麗なだけだというとしたら
君が大人になれてない
しるしかもね
ほら、今だって
魚の掴み取り
したがったり
心地よいクッションに
寝そべって ....
ひとはひとりで生きてゆくのだと
だれに、いつ、どこで
教わったのかは
すっかり忘れてしまったが、
今は、ひとりでないときは
ないし、
今は、ひとりがあたりまえだと
知 ....
たった、ひとつでいい
上手な恋がしてみたい
なんて想ったら
あたりまえみたいに泣けて来ないか?
わけもなく好きになるこころが恋なのに
それを器用な考えで
そのひとのことを ....
時間だけが
音もなく
錆びついてゆく夏の終わりに
だれのことも
みあげてしまいそうになる
べつに私がダメなわけでもないのに
生きてるときって
たまぁに、そんな孤独が刺さ ....
私は、軽っぽいわけじゃない
私は、ただ軽いのだ
あまり考えないから
なにひとつ考えないから
耳鳴りが止まらずに
深夜、眠れないときも
曇天つづきみたいな
未来への不安の ....
どこにも、辿り着けなかった
後悔のなかの幸せが
ひとかけらの希望のために
夜空にキラリと十字に光る
星々が、鮮やかに視えるのに
小雨が降って来て
夜空をみあげてる僕の顔を
ゆ ....
僕の孤独が虚ろな
オレンジ色の空の下
どこからやって来たのかと
振り返ると
雨道がみえる
盗んだ心を返して欲しいと
夜を彷徨い歩くことはない
もう二度と
名前を呼ばれる ....
詩、
て、なにさ
自称詩人、
て、なにさ
他称詩人、
て、なにさ
想い、
て、なにさ
テク、
て、なにさ
伝えたい、
て、だれにさ
夜のう ....
おぼろおぼろと
鳴くウサギ
月下
屹立する駿馬
蝉が泣き止む秋の空
台風一過の青空を
ひとひら蝶々が舞い踊る
つまり蜻蛉は宙を舞い
つまり蝶々は心を潤す
....
ボクのほうはと言えば
「許す」ことの意味もわからず
夜のこの街で「むかし」を追いつづけている
だから忘れそうなくらいむかしの
からだ中に鳴り響いた
青い瞳のロッククイー ....
1
深い森の奥で
いまあのひとは旅立とうとしている
黄金の光を身に纏い
短い一生を駆け抜けて
いまあのひとは旅立とうとしている
低い空に在る
赤い大きな月が
あのひとの ....
海が集めてくれた流木を
彫り、刻み、磨いて、
鴎を作る
なにも詰め込んではいけない
空洞は
空洞のままがいい
心を壊す意味を知らないで
語りつづけた弱気な希いは
....
蛇口が壊れたままだから
ポツリポツリと水が落ちつづける
心が壊れたままだから
止めたくても涙がこぼれつづけるみたいな
もう、いいがげんに、しなくては、ね
み ....
ちいさな漁港に眠っている
勇壮な漁船をみるのが好きだ
沖合を
綺麗な流線型の中型船が
波を裂きながら南へ進んでゆくのがみえる
本州から四国への近さを
想い ....
バーボンの
甘ったるさがなんとなく
あなたの唇、想い出させる
一粒の
グラスを伝う水滴の
中に映った永遠をみた
ただ綺麗
だから「綺麗………」と云ってみ ....
よるの九時をすぎているのに
夜空は漆黒ではなく
青みがかった灰色だった
はるか遠くの灰色の雲を
一瞬、稲光りが切り裂く、
遠くの灰色の空は、なぜなんだろう
一瞬、赤黒く ....
覗きこんでも視えない
暗く深い夜の底
だから月灯りを求めて
宇宙をみあげる
そこには夜よりも深く
氷よりも冷たい闇が
かすかに震えながら
息をしている
....
揺れるカーテンの隙間からみえる
お墓のような世界
わたしたちは
真夏なのにエアコンに凍える
最新機種の間違ったマイナスイオンみたい
むらさき色の朝を映す窓に
じぶんの顔がうっ ....
もう、
めんどくさいから云っちゃうけど
あたし、
涙に、刺さる詩が書きたい。
たとえばあるひとの詩は
そのタイトルからして
読もうと想わせてくれるし
....
てのひらを
眺めていても悲しみは
届かないから、詩を書くのです
あの夜に
流した涙のゆくえなど
誰も知らない、詩を書くのです
その涙
もしも世界に救われて
さ ....
夢のような
数の
物語や詩篇や言の葉が
過去
紡がれて来たのは知っている
それだから
私なんかが
口にすべきなにものもないのでは
とも
想いながら
詩を
書いて ....
従って
生きてみても、いいと想うよ
じぶんだけで立つなんて
けっこう
しんどそうじゃないか?
弱みを
さらけ出すのも、ありだと想うよ
肩肘張って生きるのって
....
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