鬱な君へ 腐るほど愛
鴫澤初音

憂鬱な君へ

わわわッ、て叫んでみる、なんて嘘です。かかかッ。

未来が不透明で、思ってきたものと少しずつ違ってきていて、
これから先、生きていても楽しくなるなんて到底思えなくて、
考えられなくて、やりたいことも、やりたかったことも、
まるで全て嘘みたいだった。 生きていくことがつらくて、
死ぬことも考えたし、実際死んだと思ったけど、朝起きて、
やっぱりいつもと同じく生きて、目覚めて、馬鹿みたいって
思ったんだ、死ぬなんていつでもできるし、だからいいや、って
好きなように生きよう、駄目だったら死んだらいいし、それだけ。
だけど今でも、生きてることは、とても悲しいし、
楽しいことってその場だけで、結局朝はいつも同じようで、
起きることがつらい、だけど好きな人はいるし、好きになって
ほしい人もいて、惰性だけど、死ねなくてまだ、生きている。
友人たちは、私の友人なんて些細なんだけど、
気ままに生きていて、一年後なんて想像もできない。
それでいいのかな、それでいいんじゃない? いんや全然よくない、
俺、生きていく! って堂々と言えない、
言える理由なんてない でも生きていく
駄目かな? いいんじゃない それでも楽しいことなくても
つらくてもどこか歩いて、書いて、出会って、いつか死ぬから。
いつか死ぬから、それで50/50. さよならって最後に一言、
言ってくれたらそれでいい、バイバイ、バイバイ、
バイバイ、


 
   腐るほど愛


   べちょべちょに溶けたバターの よい香り
   君に塗りつけて 舐める私 から出る汗 よい香り 

   だと 信じて

   見つめあった長さだけ 汚物を身体の中に溜め込んで
   は 吐き出して 飲み込む おえ おえ 無言で吐きあう

   見つめあった長さ だけ

   ローソクに火をつけて 燃やしてしまえ 毎日眠るベッドと
   いつまでも開かない君の胸 温かく感じるため 
   
   君が生きていく理由にならない って 随分前に言った よね?

   誰にも 君は愛されるから

   私には必要ない って思うのね でもこれ どうよ?
   私は誰にも愛されないから 愛される人を見ていると
   胸が痛い ああはなれなかった自分を今更思い出すから

   だけどそれって どうよ?  負け犬だ 私


   だけど

   私だ って 生きているうちは

   視界に私は入らない 鏡さえ 見なかったら 
   そうでしょ? 見ているのは私から広がる 世界 それだけ 
   君は 私を愛せない きっと ずっと

   べたべたにした手の平を 笑って 眺める
   狂ったふりする いつのまにか 本物になった笑顔 で

   つま先歩きで 近づく 生きていくなんて 簡単
   プライドなんて 死んでいく 
   意味なんて 殺されていく  隙間で ひっそりと息を静めて

   死ぬまでの時間 数えてる

   だけ



   それって 愛? ふふ


未詩・独白 鬱な君へ 腐るほど愛 Copyright 鴫澤初音 2007-12-20 23:43:21
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