咲かぬまま
枯れ色おびて
秋桜
「ごめん」
ぽつりと
雨は優しく
{引用=窓の外、乾いた風がぱらぱらとヤマモモの葉を鳴らす。猫がきりりと座りなおす。首を長く伸ばして何かを凝視している。}不可能な猫が財布を手に持って医者行ってくると窓閉めて出づ。
不可能な猫が小さ ....
彼岸から呼び続けてる猫がいる、いいや、あの子はいま膝にいる
{引用= 気温二九度。湿度六〇%。さあこれからだ、というときに、抑えつけるものがまたやってきた。いいかげんにしてくれいったい誰なんだ ....
広島風お好み焼きが僕に合う関西風が馴染んでこない
寒いけどこれが冬だと実感し寒い景色で鳥肌が立つ
ぶり大根味が染み込み美味になる出汁と調和し和が溢れ出す
仲の良さ相性の良さが際立って ....
住む場所の変わりて水は甘くなりわれ懐かしむ塩素の匂い
きょうからは花野綴じられ立冬の訪れしこと足から沁みる
旅立った秋を追うことゆるされずこの世の生の切なさ想う
みあげれ ....
都市部では人の体を流れゆく水の違いが見て良くわかる
黒い。黒い。水木の樹液たっぷりと飲んで太ったアブラムシども
死であった 指先を病んだ結果の 花瓶の脇の携帯電話
平和に 光の当たら ....
大人は子に戻る
強がり弱虫泣き虫
優しさにきづけ
白い水泡立つ水がゆるやかにさくらはなびら運び去ります
眼底はきれいだそうだ わらわべもねこも目玉を狙って来るが
桜葉のトンネル抜けて(抜けないで)(ここにいたいの)孫見せに行く
のど ....
「なんで時が止まったような食べ方を」「だってかき氷だもん冷たい」
蜩の真昼間に鳴く大社ちいさなちいさなもみじわくらば
利根川の岸を洗うばかりにて我を呑み込むこともせぬ波
立秋の陽が背 ....
{ルビ夕星=ゆうずつ}の夕より深い夕が来て十一月の宙の産声
箱舟の群れが港を離れゆく未明という名の{ルビ時間=とき}の幕間
金と銀そしてこちらは銅の夢おさない日日のトラウマが問う
....
僕たちの生活を越えて軽やかに言葉が飛んでいくのを見ていた
宝石のような言葉ひろい集め短歌という名の首飾りにする
聞いたことないような言葉ふと呟くあの人にずっと憧れている
十二月今年も残り僅かだと実感もなく仕事三昧
近所には産土様がいる神社参拝の後力漲る
子育てを楽しみながらお互いに成長出来る幸せな日々
師走風冷たく重く吹き抜ける忙しさから開放されず
看板のペンキが文字の型どおり剥げているから読める。牛乳
げに量りがたきは寿命・生命力・必要とされる度合い(書籍の)
芝桜模様に透ける衝立の向こうに顧客管理簿が咲く
寝る前に読ん ....
生命に憑かれているというべけれ 湿原にずぶずぶと、足首
人食う、人の、目の、白、光、血を流し、たるは、食う顔、食え、サトゥルヌス
青空に白く小さい染み一つ仕方がないの有明の月
切 ....
音のない青空である 端っこをびりびり破り裂く哨戒機
白い、錆、赤い、石灰、見てしまう。古い高架は堅い、おそらく
海ゆかば。冬、清潔に風化され。臭い残さず水漬く屍よ。
◇基礎体温を付け ....
鉄塔が一・二・三・四・五・六・七冬の畑を遠巻きに走る
壁を見るたびに震える目の中の双子の振り子。時計、こわれた
毎日の電話 かならず接続後二分五秒で圏外になる
うつむいて、馬なでて、 ....
庄原の市街地にはカフェ多いお年寄りにも若者にも人気
天然の化粧水には愛がある純粋な愛肌を和らげる
お茶を飲みホッと一息つく時間無になる時間優しい時間
烏鳴き一斉に鳴き気が散った鳴いた ....
「僕だけのものだ」って言葉思う度虚しくなるので君にもあげる
僕たちは言葉の種を温めてこの寒い季節乗り越えていく
絵に描いたみたいな空を飛んでいく飛行機に乗る人が見る空
手をつなぎ ....
南瓜にも雄と雌あり味変わる雄はやっぱり甘味が弱い
サイレンが遠く聞こえる真夜中に不安が不安また引き寄せる
枯葉散る冷たい風に左右され木々が並んだ道は賑やか
木枯らしが吹いても部屋は暖 ....
受話器のおく騒ぐテレビの寂しさを言えずに私夜を越えゆく
秋更けて夜長に何も変わらない だから何にもわからない、ああ
農園や牧場観光地化進む過疎化を止める方法探る
別荘地すぐ目の前に海がある波の音から貰う安らぎ
化粧して別人になった顔をして職場と違う魅力を見せる
よく寝ても寝足りていない感じする欠伸 ....
転んでも踏み出す君が眩しくて弱気な心にライダーキック
コオロギが傘を忘れて雨宿り濡れた月夜を優しく唄う
幾千の星が生まれたこの星に誰かの光あなたがいる
冬の城明け渡すとき水中で愛を交わしてウンディーネのように
雨そして夢から醒めた余白には君のではない愛の降りしきる
君の目に春を捧げる、遠い日に誰かに焦がれ散りし花びら
海 ....
一つ恋めばえても花を望むまい仄かな想いのままが身の丈
強がりを組み立て終わり終わらなくても終わったと消したアドレス
昨日みてない虹でした明日もまたみたいものです出さない手紙
....
夜明け前から降る雨に冷やされて知らず固化するわたしであるよ
いえぬちにいるとき雨は沁みてくる。知ってる、外に出ればいいのだ
見上げれば雨がざーざー降っている 染みひとつないしろうい天井
....
夕闇に溶けてゆくまでほおずきは小さな庭を灯すままごと
窓際にほおずき掲げ猫を待つおまえはどこに行ったのだろう
ぴりぴりと外を破れば顔を出すほおずきの内はト或る秘め事
昨日より幸せにな ....
すれ違うバスに手挙げる運転手その手袋に染み付いた夏
図鑑開けばマツヨイグサの花の上カミキリムシが交尾したまま
くねくねとうるさい耳に触れながらオレンジ色の雲を見ていた
浜道の路肩にタ ....
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