スーパーで
すいかをたたいてる
おくさんがいた
ぽんぽんぽん
ぼっちゃんはいる?
ゆびさきでやさしそうに
ぼっちゃんは
こたえなかった
かわりにとてもよい
おとを ....
お母さん お母さん
あなたは半眼の仏陀のように横たわり
黄金の仏陀のように何も見てはいない
何も聞いてはいない
{ルビΜητέρ=メーテール} {ルビμητέρ=メーテ ....
泥が沈むのを待って
上の澄んだ水だけを飲むことができます
時間がないんだと言われたら
濁った水を飲むことくらい
もちろん できますとも
ヒール高7センチの
先のとがった靴を履いて走るこ ....
鈴虫が鳴く頃
あなたは現れる
月が欠ける頃
あなたは身を潜める
日が昇る、真上へと
そこにあなたは居なくて
影だけが、深く深く
アスファルトを焦がした
ひまわりばたけをぬけたさきに
りんごのきがあって
きのまわりをさんかいまわると
みぎてにりんごがおちている
ひまわりというゆめ
ひだりにひまわり
みぎてにりんご ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ
店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
健康に生きることに
気を取られすぎるのは
健康によくないと聞いた
羽の生えた猫が夜には
町から町へ飛び交ってるって聞いた
とくん、とくんときみはうなずいて
真昼の空をひろげてみせた
背伸びして手をのばしてもまだ遠い
青の時間につつみこまれる
目をふせて きみは何かを想ってる
雲にかくれた月に似ている
....
馬鹿が微笑む
それは見事に
芸術品の様に
きらり美しく
馬鹿が微笑む
そんな馬鹿を羨む
微笑むのは苦手だ
いつだって苦手だ
何も感じられない
と言ってはみるが
表に出な ....
「働かざる者食うべからず」という言葉がある。レーニンが、キリスト教の伝道者パウロの言葉を引用して、述べた言葉であるのは、有名ですが、
キリスト教に詳しくない僕は、レーニン主義にも詳しくない僕は、 ....
ベッドでアソコを吸ってみて
私を好きなら思い切り
瞳を開き
目と目が合った状態が
私を一番興奮させるの
ベッドでアソコを吸ってみてね
ベッドでアソコを舐めてみて
昨夜のやり方忘れたの ....
夜明け前
蒼い空に
身を削る月がいた
誰にも気づかれることのないように
まして獣たちに さとられないように
目覚めた女が背をみせる
静まり返った山森は、眠りについたまま
星をなくした夜空 ....
雨上がりの
キラキラとした
雫を集めて私は
宝石を作って
いるのです。
110720
トコロテンでごはん
辛抱おし
半時ぐらいは
保つでしょう
お母さまは
まだお帰りにはならないのです
....
ぼろぼろになったっていいよ
しあわせになったっていいよ
自然をコントロールするために
知恵があるわけではない
台風一過の夕焼け空を見つめながら
かなしくてもあたたかかった
さびしくてもつな ....
おそらく
今日という一日を
まめをつぶして過ごしてしまったのが
悔しくもなくて
誰のために
血を流していたのか
自分のために
なっていたらなあ
感嘆が漏れてから
夏の湿気につつま ....
きみの洗ってくれた
白いシャツ
お茶をこぼしちゃったよ
二つの椅子が
笑っている
名前もしらない駅で
通過待ちをしているような午後
....
話をしてやろうと娘に言ったら
アンタの給料言ってくれたらいいわと
跳ね返された
数学が飛び抜けて出来る長女
俺は焼酎で喉を焼きながら
昔は柳に月に古い茶碗に
怖いモノ達が潜んでた
昼間は ....
魂を置き忘れたから
無為に待つ
死人の眼には
海
それは彼が
最後に目にしたもの
命をかけて成し遂げたいことが僕にはあった
今は無い
校庭には重機やトラックが持ち込まれていた
先週のうちに校庭の土5センチをさらったのだそうだ
それが泥いろになってうずたかく積まれている
プールみたいに掘ったスペースにどぶ色のシートが ....
せみがいないとおもったら
いないのは
せみだけではなかった
それではなにが
いないのかとおもったら
せみだけのようなきがした
せみだけをおぼえてる
ひぐらしの
かな ....
このよに
おばけがいるとしたら
それはにんげんだ
だから
ほうっておきなさい
ひとたび
たすけたならば
そのひとは
あそびほうけていた
だから
ほうっておきなさ ....
今朝、
僕が目覚めたところは
朝靄に包まれていた
どこだろう
鳥の声ははるか向こう
身じろぎもせず
大きなかいぶつが立っていた
僕の体 ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ
出窓からは朝の港町の風景が広が ....
川渡る 銀河鉄道 見上げてる 海辺の松も 涙を流す
? 目覚め
「いい加減にしろよ田中。そんなお前見たくねぇぞ」
今朝も俺を説諭する友人、工藤の夢で目が覚めた。
俺は田中じゃない。
? 山本または山室
「ゴゥ、ゴゥ、ヤマモロ! ....
サロモン氏の邸宅は
六丁目の外れに在って
近ごろ稀な和風建築
サロモン氏はインテリ外人
がえてしてそうであるように
日本人より日本がお好き
それでお宅も純和風
白い土塀の棟瓦、数寄屋の門 ....
素直がいいって言われて
月に相談したけど
かたちを変える月は
黙って去っていった
明るくなれよと言われて
太陽に相談したけど
いっそう強く燃えて
はねのけていった
私の今は
....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める
逃げ出すための
手段としては ....
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