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飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道

ふと見る ....
事を荒立てることが良くないことは
疾うの昔に知っていた。

(波風が立つと居づらくなる)
(昔から知ってはいるが、考えもしなかった)

自分が子供じゃないことも
俺も含めて知っていた。
 ....
天に向かって屹立する塔
尖塔、巨大な実用性か
シンボルとして辺りを睥睨する
関東平野の中奥へも
その塔は睨みをきかす


馬鹿ほど高いところが好きだよ
O君
君のおかぁさんは橋の ....
棄てられた女は惨めです。
棄てられたことを知らない女はもっと惨めです。
棄てられたと誤解している女はもっともっと惨めです。

女を捨てた男は醜いものです。
女から捨てたことに気づかない男はも ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
ところで
我々は何をすべきなのか
なぜ図書館が涙を流しているのか
うまい奴はたくさんいたが
非の打ち所が頭には入ってこない。
などと奇妙な唇が呟く。

さては
眼前の靄を凝視する
な ....
宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
 「上を向いて歩く−はてどこかで聴いたような」

風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
 ....
岬の突端にある一本杉
その根元に猫の額ほどの草原
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた
小さな小さな灰色の箱の集落

漁船が停 ....
(猫)
  おれが歩き始めた港町
 鴎が去って、鴉だけがうようよいる
 古臭い歌しか唄わない詩人たちが
 古臭いことこそ正しいことだと
 言わんばかりにおれたちの居場所で寛いでいやがる。
 ....
丘の上に立つと
夜空にはたくさんの発光体が
空に向って地上から降り注いでいるのが見える。

一様に
ボーっと輝いているが
明るさにはほど遠く
夜空に闇に吸い込まれて行く



 ....
中空に浮かんだ茶室
山の麓の回廊から眺む
山門をくぐった時から降り始めた
しぐれ雨
下界と山荘の次元を断ち切る結界のような様に
主人は爬虫類のような横顔を魅せ
染みと皺だらけの表情は
客 ....
前の街で
俺は淫売宿のいかがわしい玄関口で
夕立に打たれて濡れながら歪んだ
恐ろしいほどの雷は
地上の何物かを鷲掴みにしようと
空から腕を突っ込むが
本当に一握りの無辜の生命を食い物にした ....
アンカーに係留されている大型船
岸壁の縁に並んでいるビット
その上に座り俺をじっと見ている猫は
俺を町中からここまで連れてきた。
俺は猫に話しかけた。
ポケットから取り出した小さな煮干し呉れ ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ

出窓からは朝の港町の風景が広が ....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
 ....
そいつは僕の眼をじっと見つめ
/媚を売るでも無く
/何か一言言って僕の歩く先を
先回りしてしっぽを立ててステップを踏む
/石畳の路地は濡れて光っており
/黄色く彩色された建物の壁面に囲まれ、 ....
いうならば
生きるということは
世間に向かって眼を開き
自分の矮小さを自覚することだ
そうだ。だからみんなびっくりする
自分が本当に小さいことを


だから僕は酒を呑んで
へべれけに ....
※婿島のアホウドリ 小笠原
 羽毛採取の乱獲100年
 個体数2000ほど
 鳥島から雛を避難

海面に浮き上がった獲物を
風を味方にして
長駆滑空して捕らえる
海の女王

羽ばた ....
雨が濡らす新緑の並木道
歩道を楽しげに歩く老婆と中年の女性
一つ傘の下まるで恋人のように腕を組み
女性は老婆の顔をのぞき
満面の笑みを浮かべて話しかけ
老婆は斜め上、女性の顔を見つめ
ニコ ....
裁判所の待合室から
開港記念館の塔の屋根
クイーンの塔と
港に入った船から愛された目印も
今ではたくさんの灰色のビルディングに埋もれ
往時を偲ぶには上陸して裁判所の前に立つしかない。
 ....
押勝の横顔は
琵琶湖に沈もうとする夕日
の照返しを受け
朱く染まっていた

湖畔勝野の鬼江から
船を出し、助かる見込みの無い闘争
せめて家族はという家長の気持ち
そんな気持ちも家族は一 ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。

裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。

そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
桜ひらひら風の中

聖橋の南詰め
大きな大きな椋(むく)の木は
元宮稲荷の一口(いもあらい)

小野篁(たかむら)の霊験の
実はお狐、太田姫
それでも道灌ゆかりの地

こんこん狐の ....
待合室のベンチの片隅
三百代言に堆積された
一言主の判事の方便
外は春だが歩くには寒く
部屋の照明は薄暗い

世間話の片隅で
忘れ去られた真実が
書類の堆積に発酵し
異様な臭気ととも ....
朝から酒を飲んでいる
涙をこぼして飲んでいる
都会の空地の駐車場
道行く人は見ない振り
電信柱のゴミの横
フェンスの縁に片手掛け
地べたに座り飲んでいる
通勤客は足早に
見て見ぬふりの ....
たった一つの言葉が言いたくて
書き始めた詩が
僕の手を離れて宙に浮かぶ

こんな筈では無かったと
何回も書き足して
つなぎ止めようとしたが
ますます詩は僕の部屋中に拡散し
言いたかった ....
曇り空の夕陽は
やけに朱色の粉っぽくて
窓から見える景色が
変にくすんでいます。
日がな一日床に入って
分かりもしない本を読んだり、
他人の不幸の報道を
リバイサンから御裾分けしてもらっ ....
足柄山の山中に
(大江山の中腹に)
大きな栗の大木が
その巨木の瘤の中
蔓で編まれた黒い籠

籠の中の麻の布
布に包まれた赤子一人
黒々とした髪を持ち
大きな体に漲(みなぎ)る精気
 ....
河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず

昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ

死んで花実が咲 ....
真山義一郎さんの……とある蛙さんおすすめリスト(45)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鏡の中の猫- ……とあ ...自由詩24*12-2-2
パワハラ- ……とあ ...自由詩8*12-1-30
- ……とあ ...自由詩9*12-1-26
棄てられた女と詩人の関係- ……とあ ...自由詩11+*12-1-24
鉄棒- ……とあ ...自由詩1211-10-20
とどのつまり- ……とあ ...自由詩811-10-19
水のしずく/宇宙- ……とあ ...自由詩11*11-10-15
歌にならなかった詩- ……とあ ...自由詩1011-10-4
野良猫その0- ……とあ ...自由詩7*11-9-3
野良猫その4- ……とあ ...自由詩611-8-30
通夜ー改訂版- ……とあ ...自由詩1411-8-22
隠居- ……とあ ...自由詩8*11-8-14
履歴_ー野良猫3・5ー- ……とあ ...自由詩10*11-8-9
ダイアローグ_ー野良猫その3ー- ……とあ ...自由詩911-8-8
野良猫その2- ……とあ ...自由詩1211-7-19
外気圧- ……とあ ...自由詩1111-7-16
野良猫その1- ……とあ ...自由詩8*11-7-4
僕たちはあまり難しい詩を書かなくともよいのではないか- ……とあ ...自由詩6*11-6-29
詩_あほうどり- ……とあ ...自由詩1111-6-17
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横浜の風景に思う- ……とあ ...自由詩7*11-5-24
仲麻呂- ……とあ ...自由詩911-5-13
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詩作を続けるために- ……とあ ...自由詩15*11-3-29
一日の終わりのエイリアン- ……とあ ...自由詩17*11-3-21
鬼ごろし- ……とあ ...自由詩8*11-2-25
長寿ー生き残り−- ……とあ ...自由詩1011-2-6

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