今日あったいいことを
風船に隠してあなたに贈る

ぱんと割れたなら
幸せになってほしい
割れないのなら
天井で控えています

いつかあなたの
悲しい窓辺で割れますように
路地から通りにでると

いや、もう路地から

あたたかな風がほどけていたのである

それがからだをやらかくぶ厚く

バイブレーションさせていた

坂道を明治神宮のほうへあがった
 ....
足柄山の山中に
(大江山の中腹に)
大きな栗の大木が
その巨木の瘤の中
蔓で編まれた黒い籠

籠の中の麻の布
布に包まれた赤子一人
黒々とした髪を持ち
大きな体に漲(みなぎ)る精気
 ....
雪の降りた朝に
わたしは吸い込む
冬の鳴き声を
しっかりと逃がさないように
両の耳で
抱きしめる
冬の呼気を
愛おしいから
二度と離れるのはいやだから
この手は放さない
とくん とくんと
鼓動の音が耳につき

眠れない


あなたに
電話をかけた

  そんなときは
  リラックスだよ

やさしい
あなたの声だ

  ありがとう

 ....
 むかしむかし、ナイルのほとりに貧しいお爺さんとお婆さんが住んでお
りました。お爺さんはギザへ盗掘に、お婆さんは河へ砂金採りに、今日も
空しい{ルビ篩=ふるい}をふるっておりますと、あれ下流からど ....
はこにはいって
きみはやってきた
とおいそらから

はこをあけるまで
そのすがたは
きみにもわからない

さしだしにんは
くうらんだった
そこにわたしとつまの
なまえ ....
 草のなかにレールをみつけた
 錆びた鉄の平行な二本線が
 弓なりに
 ここから延びていた
 または
 この草のなかで
 すっぱりと裁断されて尽きていた

 あおぐらい記憶 ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ

ピリリ
痛みのような
微弱電流

プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体

チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯

ゾ ....
荒く乱暴に削られた悲しくも不真面目な凹凸のある石畳は、煌めくルビーがさんざん泣いて叫んだあとのように、まだ温みのある紅い夜の涙でびっしょりと濡れていた。
蒼褪めた馬の首を被った人を殺したおまえたちが ....
横はいりなんかしてないのに
ちゃんと並べと咎められたことがある

トラウマになってしまったのか
また文句言われてしまうのではとオドオドしてみたり

私って気が小さいのかな

それからは ....

午後四時
青の上から
橙や赤や紅色が
塗り重ねられてゆくのを見ながら
大急ぎでベランダのシーツを取り込む
あのうつくしい仕事をしている人が
どんな人だかは知らないが
時折
ゆるめ ....
陽射
大きな橡の緑
葉に反る光と陰
春になる
過去に捨てた春になる
輝く線路に支配される列車の様な
敷かれた道を進む美しい塊になる

窓には冬から帰った命が開いている
線路沿いに ....
どんよりとした空
気分が優れない
早くワイパックスを飲んで
寝てしまいたいけれど
まだ仕事中なのでそれも叶わない

無個性なビルに囲まれた
谷川のような道を
僕の乗る営業車が
押し流 ....
うすあかりの光りがまだら模様をえがく夜
わたしは、私を忘れる




「風が出てきたみたいだ。梢の影が踊っている。
 ここには、街灯はないのだから…」

「月明かりね。風音が変わった ....
私がよく行くインポート専門のブティックがある。
ショップ名は「armoire caprice」
(アーモワール・カプリス)
もしかしたら御記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、
以前この現代詩 ....
降りしきる雪が街を隠す
遠景を有耶無耶にする
私に残されたのは
鉄塔の太い骨組みと
幾筋かの高圧電線
切れ目も曖昧に天国へと続く

薄墨に浸された無数の紙吹雪
街の汚れを清める事もでき ....
君、どこへ行くの
そんな青白い顔で
何を考えているのか
教えて欲しい
海坊主が浜辺から見える
船出が待っているって
そんな顔して
一人でどこへ行くの
あの世には
用がないはずさ
暖 ....
手に取った朝が するりと零れ落ち
それでも私は翌日に居た

あっけなく終わりは来るが
待っているとやって来ないものなのだと
終わる前の彼女が言った
その言葉を
水面に浮かべて ....
スヌーピーは
チャーリーが手をうてば
しげみを嗅いで飛びこえる
チャーリーがものを書けば
悩ましそうに眉をよせる
チャーリーがひざまずいたら
しろめを剥いてだかれる
消毒液のにおいた ....
音はさほど
たまらないのは
背中の不快

ほらチラッと
あなたから目そらし
カレンダー見れば
仏滅
目に飛び込んだ
はきそう

重苦しい
背中
手が届かない
だれか
助け ....
面白い 気になる
そんな興味の対象――というより「餌食」になったら
意見という名の圧力pressureに食い潰されていく

遠ざかることで自己防衛
そんな眼で見ないで
優しさなんかじゃない ....
回送列車には
誰も乗っていなかった

けれども目を閉じると
そこには
乗客がいるような気がした

家に帰ると
誰もいなかった
けれども目を閉じると
まだそこにいるような ....
尻尾上げいつき丸出すヒト科がか?
牙も無くヨダレ口臭ズリと糞
散歩だと 四足に失礼 蛇蝎だろ
円周をぐるぐるぐると何処へ行く
歩けども万年床の面積か
指五本 十年一日数え唄
吉本に小泉イツ ....
河に飛び込み死にきれず
首を縊って縄切れて
手首は切る部位無くなって、
やはりその日も死にきれず

昨日も一日長く生き
今日も一日長くイキ
明日も一日生きるのだ

死んで花実が咲 ....
いつもそこにいる

あたしのこころとおんなじだ

あたしのこころはいつも

あたしのそばにいてくれている


東郷公園よこの坂道

そこをすっとくだってしまうのは

いつも惜 ....
ほめられることが少ない子どもでした
目立たない子どもでした
選べない子どもでした
得られないとあきらめていました
うらやむこともたくさんありました
少し
たくさん
泣いたこともありました ....
 農業をする蟻ハキリアリをみていた
 福山雅治が
 素っ頓狂な声をあげた
 列をなして葉っぱを運んでいる
 きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる


 蟻の道が ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
 ....
それは
冬 限定の屋台

あたしの
生まれた
県北の街
深谷市西島の
母の実家の前に
現れる

夕食前の
薄腹の空いた時間

銭湯のまん前の
母の実家は
タバコ屋さん
 ....
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