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  白い雪が
  透明に変わるころ
  蛇口を静かにまわして
  飲みかけのビールを捨てる
  部屋を照らしている
  つけっぱなしのテレビ番組と
  灰皿に残った、ただ一本の吸殻 ....
  私があなたを好きになった日、
  私の心は赤かった
  闇夜に灯った明るい火の輪
  一頭のライオンが駆けてきて
  ひと跳びにくぐり抜けていった
  その先は草原になっていて
 ....
  寒い日は
  煙草を一本吸うことも
  悲しみに沈むことも
  完璧すぎるほど完璧なのです



  だから、なるべく
  傷を負わないように
  躓いたりしないように
 ....
  彼女は桜色の服を着ていた
  胸はどちらかというと小さく
  前髪は幼く整えられていて
  なにかの花の香りがした



  彼女はただ、
  ある朝、部屋に入ってきた
 ....
  ぽっかりと口をあけて
  君はねむっている
  愛さずにいられない
  その唇が
  ときに嘲ることもあるというのに



  睫毛をしんとさせて
  ねむっている
  ....
  川沿いを
  髪のながい
  女が一人
  頭骨によく似た
  薄赤い花を
  五つ
  のせて
  乳母車を押してゆく
  女がひとり


  *


  ( ....
  一秒もたてば
  抱きあったことなんか



  うそと同じ
  流行りの歌や
  この部屋を通り抜ける
  なまぬるい風と同じ
  出会ったことなんか



  ....
{引用=   悲しみを一匹の鼠と錯覚していた正午に、
  石から石へと移ってゆく影こそが私なので
  あった。落葉が、古くなってしまった楽譜
  のようにぺらぺらと捲れてゆくときに、ゾ
 ....
  はてしない夢をこえて
  この胸にまだ残っている



  昨夜の
  君のささやきが
  今朝、僕の
  ちいさな力に変わる



  心も
  川の流れも
 ....
  動物園で
  きみは言った
  しあわせならそれでいいと



  ライオンはライオンの檻
  シマウマはシマウマの柵
  帽子をかぶった飼育員が
  かれらに餌をやる
 ....
  夏のむこう、
  あの入道雲のあたりに



  ひとつくらい、
  ふたつくらい、
  みっつくらい、
  言いそびれてしまったことが
  あの入道雲のあたりに

 ....
  きみの洗ってくれた
  白いシャツ
  お茶をこぼしちゃったよ



  二つの椅子が
  笑っている
  名前もしらない駅で
  通過待ちをしているような午後


 ....
  死人の眼には
  海
  それは彼が
  最後に目にしたもの



  命をかけて成し遂げたいことが僕にはあった
  今は無い
  今朝、
  僕が目覚めたところは
  朝靄に包まれていた
  どこだろう
  鳥の声ははるか向こう



  身じろぎもせず
  大きなかいぶつが立っていた
  僕の体 ....
  風が細り
  土が痩せる
  人の心は落ち葉のように
  秋には秋のかなしみ
  寄り添いあって焚き火をする



  闇が冷え
  光がけむる
  静かな予感で街は煌 ....
  歩きたい
  ひとつひとつ
  言葉を知っていきたい
  赤ん坊はいつか子どもになった



  遊びたい
  唄いながら
  どこまでも駆けていきたい
  子どもはい ....
  月だ、光だ。
  ここには、
  二人だ。



  何故だ?
  ありもしない壁があった。
  ふぞろいに静止した。
  ここには二人だ。
  腕だ、乳房だ、
  引力 ....
  日曜日、
  くさかんむりの広がる野原で
  ピクニックをする
  あなたは適当なところに
  持ってきたもんがまえを敷いて
  ここに座りましょうという
  おべんとうよ、と
 ....
  歓びの光を食べて
  すくすく笑う
  痛みの雨を呑んで
  それでも笑う



  初めは小さな種だった
  それがだんだん根を張って
  それがだんだん茎を伸ばし ....
真山義一郎さんの草野春心さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
飲みかけのビール- 草野春心自由詩7*12-1-30
わたしのいろ- 草野春心自由詩7*12-1-30
寒い日- 草野春心自由詩8*12-1-23
隙間- 草野春心自由詩6*12-1-16
寝顔- 草野春心自由詩6*11-10-18
花を連れて- 草野春心自由詩611-10-17
一秒間- 草野春心自由詩6*11-10-13
私へのコラージュ- 草野春心自由詩4*11-10-8
ささやき- 草野春心自由詩4*11-8-22
メナジェリー- 草野春心自由詩15*11-8-17
夏休み- 草野春心自由詩6*11-8-8
午後- 草野春心自由詩3*11-7-20
- 草野春心自由詩211-7-20
かいぶつ- 草野春心自由詩3*11-7-19
かなしみの四季- 草野春心自由詩4*11-7-17
願い- 草野春心自由詩3*11-6-30
放置自転車- 草野春心自由詩4*11-6-16
くさかんむりの広がる野原で- 草野春心自由詩26+*11-6-5
ことの花- 草野春心自由詩5*11-6-4

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