ピンポーン
とチャイムが鳴る
あなたの顔を思い浮かべる
シャワーを浴びたばかり
少し濡れた髪を
わしわしと
拭きながら玄関へ向かう
早いね。
そうでもないよ。
左手でタオルをわし ....
舞う、
それは、かすかに穏やかで
重力と風をさらう
そして、アスファルトへと帰るまで
溶けては消え、溶けては、
あたりは、
そうそうと時をつなげている、師走
風を分けて走 ....
夜のアーケードを駅へと急いでいた
落ちていることを認識できない間隔で
落ちて来た水滴が太ももを濡らして
驚いて足元を見ると確かに路面は濡れていて
朝の路地を駅へと急いでいた
....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨ら ....
けだるげな午后
眩暈のするような陽のひかり
遠い喧騒
ひた、ひた と
満ちている
あくびする野良猫
市場で物売りが媚を売る
温い風にひるがえっては落ちる、安宿のカーテン
音もなく
....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という
疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
君は太陽なんだ
煌々輝いて
世界を光に染めて
命を育んでくれる
僕は影だ
黒々と形を作り
何も見えないように
形だけの存在
君は眩むくらい輝いていて
僕は其の分
色濃く形を残すから
君 ....
闇の随にGet It On 髪をかきあげ さぁ行こう
先頭に立つ超百鬼夜行 妖気溢れて しゃなりしゃなり
異類異形の大魔神 束ね 艶やかに列島縦断Delight Night
脳内の映像 ....
送電塔の下のスフィンクス
草むらの中にペットボトル
少し目を 離した隙に
そこにあった意味
そっと動かして
首をかしげては
石のほほえみをなげかけた
うずくまる女の子
ゆっくりと流 ....
林檎の艶は
きみに似ている
口を酸っぱく言われても
じゃれて、もつれた笑顔が
子猫の甘噛みのように
僕を誘うから
僕をどうか響かせて下さい。
そのしなやかな、指先で、
き ....
とりとめのない
思考と
アスファルトの固さ
ふみしめると
わたし、強くなれるかな
求めすぎていて
この空に
目に見えるだけの、青に
この広い空で
はばたいてみたい
なんて、ね
....
手のひらに触れると消える雪の華はかなくもろい命を思う
冬の森雪の女王の馬車は行く白い軌跡を空に残して
降る雪に消えずに残る埋み火は今もこの胸熱く燃えてる
窓を開けて一面白の雪景色足跡 ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね
私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
63階の視聴覚室で試験勉強をしていた
保健体育の先生はスパルタで
教室に入るなり生徒を叱ったりしていた
ふと大きな爆音が響くと
館内アナウンスが流れだした
「42階から火の手が上がり ....
あまり美味しくない過去をまぁるくくるめて
ゴミ箱に向かって放り投げる
無回転で空中を行くそれは
不思議な軌跡を描き
僕の現実を侵犯し
散々侵犯した末
入らない
おそらく
....
どうして いつも目を伏せてまえをみるの
どうして 気がつくとタバコのため息なの
どうして 何もかもあきらめている風なのに またひとりなの
しってるよわかっているつもりだけど
隣にあたしがい ....
一人に流れている時間を消しにいった
葉っぱが枝から落ちるまでの葉っぱの時間
葉っぱの前を通り過ぎた車がかすったであろう少しの時間
それを観察するぼくの時間
それらが風とともに上 ....
世界へと落ちていく空
滲む照明
薄明かりのアウトフォーカス
緩む身体
意識はただ温もりに溺れ
遠い耳鳴りと感じているのは
あれは
海鳴りではなかったか
夜の砂浜に座り込んだこと ....
そう うつ そう うつ そうそう うつ
私のネジは100本位抜けているんですか?
そもそもメインCPUがぱっぱららりぱっぱ?
私 笑えてる?
私 笑えてる?
私 笑いません。
そう う ....
もどかしい
を詰め込んだ袋の
チャックをしめると
パンパンに膨れ上がって
風船のように
とんでいってしまえばいいのに
なんて
なげやりなことを思う
どんなにむずかしい問いであれ
....
逆様に夢を見る
落っこちてきた太陽は
反対側の月に変わる
疲れ果てた雨雲を連れて
いつも途方もないものを予感させるんだ
ボクは少し戸惑っている
全てを話すにはあとちょっとだけス ....
終わってしまったはずなのに
密閉した重い蓋の透き間から
かすかにに甘くたちのぼる
胸の底 荒野の地中から
かぐわしい薫りはゆるゆると漂い
真夜中の片すみにうずくまる
そ ....
{引用=
末摘花
}
何が、愛されたのだろう
美しいという言葉も
華やかなものも
この手にはないのに
{引用=
末摘花
}
夜に耐える
想う人の背中が ....
わたしに幸福を、と
願えることの その幸福を
わたしは いくつも
置いてきた
たぶん、わたしたち
水槽のなかに
生きている
そこは程よく窮屈だから、
ぬく ....
後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら
カチャリ
と
部屋のドアが開いて ....
下校中
ぼくは君の背中ばかり
見ていた気がする
とても小さな水が
生まれる場所をめざして
いつもの帰り道は澄みわたりながら
永遠みたいに流れていた
君の背中はとても自由に見 ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
ただいまって言った後に
誰もいないって思い出したんだ
直らない習慣 どうやら僕はまだ
現実を消化出来ていないみたいだ
1人で暮らすのは気楽でいい
自分で使えるお金も増えたし
部屋も前よ ....
パテル・パトルム――
即ち、パパだ。
今日もパパは二日酔いで、
おまえたちはバレエを観に行ったけど
そんな日曜日の真昼間から
男が家にたった一人、瞑想に耽る
深潭たる無意識の下層へ ....
眠れない夜が続いていたのは
抑えられない舌の渇きのせい
肩書きを餌に抱いた女は
体以外預けてはくれなかった
煙草の煙に乗せた別れの台詞も
すべてはシナリオ通りの流れ
このまま誰一人愛す ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193