「骨音」

 その森の中のまぶたは
 たいへんうつくしい

 背骨を失った世界よりずっと

 まぶたに広がる昼下がり
 湖のほとりで
 老人は 骨を拾う

 露の輝く草を分け
 ....
多くのスクウェアな図柄に囲まれて
負債を踏み倒しに行く
老獪な白熊一頭
笑顔には愛嬌
獲物を貪り喰らう凶暴さは健在

整った図柄の中央に
消えつつあるアルファベット
 三 ....
 親分が死んだ
 翌日は
 空がどんよりしずみこんでいて
 さかんに落ちる公園の黄葉たちをみていた
 車内の
 十月


 か。


 なやまされていた
 か。
 ....
静かなときに
身をまかせ

ひたすら
目をつぶる

見ないものは
清浄で
ないのとおなじ

森に囲まれた
この部屋で

エネルギーを
チャージするんだ

なつかしい匂い ....
カモミール
マロウブルー
手で揉んで
匂いを嗅ぐ
それでハーブティーを作って

窓辺を覆いつくしている
観葉植物に
光が射している



時間は
チクタクと流れる
もので ....
午前1時の 朝ごはん

はちみつを
かけただけのトーストと
皮の削り残した


咎める人の
いないことに
慣れてしまったら
何を自由と 呼べば良いの

“1人で死ぬことが究極 ....
 トゥクトゥクの傍らで赤い夕日を待って
 犬は
 なにもしていない真昼
 なにをしているのだろう、そこで
 みずからの首に首輪をつけ
 ひもをつないで

 犬って
 なにも ....
   .
何度試みても詩にできないあなた
あなたには散文がふさわしい
あなたの詩のような生涯あなたの詩のすがた
それを心に描くことができない
   .
なぜならいつもあなたを探しているぼく ....
明日がずっとある
ような気がしてた

いつもおなかが空く
ように

ときどき
詩なんか綴るように



{引用=即興ゴルコンダより} 
 母が私の靴をはいて出てしまった。
『せちがらい世の中です。どうか探さないでください』
 朝起きると母の書き置きがあった。あまりにも淡白なセンテンスだった。私は泣きながらトーストをかじり、泣きなが ....
古来から、憎い相手に呪術をかける一大メジャーといえば、『丑の刻参り(うしのこくまいり)』

毎晩 毎晩 真夜中 丑の刻
白装束に身を包み、髪を乱し、黒くした歯に櫛をくわえ、
3本のローソク ....
朝作った
カスタードクリーム
の首に
私の頭はのせられていない

土台となるパイ地は私
フォークで穴を
あけるのは
私が膨らむことが
できないように

カスタードクリームをのせた ....
私が死んだらどうか
庭には一面青い花を植えてほしい

春にはシラーとアリウムが
夏にはマツムシソウとラベンダーが
秋にはクジャクソウとリンドウが
冬にはミスミソウとヒヤシンスが
それぞれ ....
黒いサングラスをかけて見れば
世の中真っ暗だ
青いサングラスをかけてみれば
太陽さえ病んでいる
だが世の中終わりじゃない。
黄疸の赤ん坊は黄色いミルクをよく飲むし
血まみれの群集は市営プー ....
昔 うちの父さんは
カレーライスにソースをかけて
スプーンをグラスに突っ込んで
上から下までぐるぐる混ぜて
それはそれはおいしそうに頬張っていた

ある日 それを友達に
なにげなく話した ....
「ばかものよ!」

なんて言い切れるなら良いのだけどね

「もしかして」

そんな枕ことばで思いの丈をごまかしたり
まるで何事も無かったかのように
飼いはじめたばかりの小鳥の世話を焼い ....
ただいま と思いながら両手を下に広げる
林檎畑は収穫のための作業で忙しい
陽があたるように実の回りの葉を取るため
晴天の日曜日 実家に帰る

草を分ける土の道 人の歩いた道
風にそれる 緑 ....
十二歳 ピエロを終えた 静寂の
 
 虚ろ重なる 白い川岸
宴もたけなわをぬけだした
ネオン、信号さんも律儀だね
女子のきらびやかで背中を見せるファッション多し
なんてまやかしな

挨拶もそこそこ
引き出物は右手
キマってみえるだろ

あなた ....
辺境を目指して隊商は
何も遮蔽物の無い太陽の炎の先を歩く
必要以上に熱い砂の上を
ただひたすら駱駝とともに
テクテクのテクテクのてくてく
歩いて歩いて歩いて歩いた

目的地はバスラ
ロ ....
ハルジョオンの咲く原の
明るい緑の草陰で
誰かが声をあげ
泣いている
白い帽子の
白いブラウスの
よく光ったまひるのできごと
(私はいつも仰向けで寝入り
 決まって仰向けで目を覚ます)

その日天井のしみは、妹のクラスメイトの顔だった
昼下がりに学校を早引けしたきり妹は姿をくらました

(私はいつも仰向けで寝入り ....
女を抱きたい気分でもなく
ただ、見ていたい
風がセピア色
入道雲の思い出
「バニラスカイ」を見て
あなたはどう思った?
彼女の言葉を思い出す
力を失った男が
荒野をさすらう時
相棒は ....
          ホルマリン浸陰嚢びちゃり鈍い音を立

                 て

          潰れる   潰 れる    潰     


            ....
プラスチックは

なんてドラマチックだと

どこかの髭を蓄えた

大学教授はほざいていた

靴紐がほどけないのは

それには鍵がついてあるから

スーパーミラクルソフトタッチは ....
                        100927

いやらしいことを言ってはいけません
するなんてもってのほかです
くだらないことが大好きなB介くん
自分のことを言っているのだ ....
沼田城址公園の猫

その猫はチャトラ
顔は大きいが痩せていて
バランスが無い。
愛想が頗る良いが、下品ではない。
飼い猫にしては痩せている。
野良であろうか がっついてる。

のっそ ....
電車の座席は
前から二両目
真中のドアから入って
進行方向を向いて左側の一番近く
いつも同じ席に座るよう決めている
これからの一時間
を有意義に
過ごすことを目標に
新書判を開く
ス ....
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」


思いがけない言葉に顔を上げた
彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた


(どういうこと?)


いぶかしげな眼差しの私に彼 ....
 
 
スーパーで
買い物してると
茄子に
モザイクがかかってる

商品名も
お○す
と伏字になっていて
かえって恥ずかしい気がした

キャベツを買おうとすれば
その中心部に ....
nonyaさんのおすすめリスト(5765)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
骨音_他二篇- 豊島ケイ ...自由詩16*10-10-10
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『丑の刻参り』は_もう古い!_最近流行の呪いをかける方法_- 北大路京 ...自由詩12*10-10-5
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