帽子が飛んでいってしまった
nm6
空の底に飛んでいく何かを眺めたいのですが
ただでさえ寒いこの部屋の 窓は開けません
想像してください
「矢印が3つばらばらに別の方向を指していて
その三角形の真ん中には 目のグラフィック」
なんだか少し こわいでしょうか
外へ出れば
曇り空は何も言いませんし
道路の温度は触ってみないと分かりません
それでも 風が吹いています
だれも本当は知ることのない
抽象的な いろんな力がはたらいて
僕らがうっとりと抱え込んでいるものはよく
空の底に 飛ばされてしまいますが
からっぽの何かに見守られながら
ぼくらは渦巻いている というわけなので
証拠はありませんが 大したことはありません
だれもが何かを失くしながら くるくると過ごします