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体に絡み付く蔦
爪を立てるようにして肌に食い込む棘
否応がなしにそれらの思うがままに身を任せ
赤く染まりつつある姿を晒す私
放射線状に幾重にも映る我が身は
醜い一匹の老獣
まるで暑い湯がいっきに水に変わるように
夢は弾けて消え失せる
優しく包み込むような幸福感溢れた夢でした
他人を思いやることなど一生ないと思っていたのに
いつのまにか利他の心を学んでいた
....
朝露に消えたことばの端々
まだ空気が温められないままに
肌に触れ鼻につく青葉の匂い
じんと痺れる頭の先の
眠気から覚めたばかりの心移ろう
眠り際の訪れ、
最後の最高の最古の
際の少年の少女の
囁き叫び ささやか
祟るよな呪いのよな
尊い声のヒビキヒカリ
僕の私の眼を見てと
ちゃんとしっかり
じゃないと、
耳 ....
どこまで行ってもきっと同じなのに
なぜ僕たちは止まれないのだろう
目を閉じて耳を澄ましてる
波の音がきれいだった
僕たちは
ここにいるよ
ここにいるよ
いつまでも
終わらない夢 ....
駅から出るとバスターミナルを
陽が独占する
発車して行くバスの後ろ姿へ
あつかましく輝きながら
瞼を伏せて立っているバス停の
シェルターで、高校生ぐらいだろうか
少年と少 ....
みんな上手に恋してる
「電話しても大丈夫?」って文字打ちして
お行儀良く左右を確認して青信号を恋愛進行
みんな画面を覗きこんで
誰とどこでなにしてるって探してる
まるで履歴書見 ....
TV曰く今日は譬喩がよく降る
TV曰く手持ち扇風機爆発
小さな自爆テロで消えた命が
1ダースらしい
パラパラ
譬喩が降り始めた
私は傘をさす
雑音
心地よいと思える
これほど降り頻る ....
後ろから
触手伸ばすもの
前からやって来る
前から
やって来るもの
後ろから触手伸ばし
ある物たち、語りだすと
ひとつ ひとつ 又、ひとつ
しっかりあらんと
....
生きるために生きる
生きるとは、簡単な
答のない問いだが
自らの問いに
自らがこたえること
・
悪いことも
楽しもうとする
部分があるので
人生はいのちがけの
ゲームだと思 ....
妹が子どもをあやす時
横には亡き父がいて
二人の顔を眺めては
唄って声をかけつつも
小さな頭を撫でながら
いつでも笑って
あやしている。
懐かしい名前に出会って
僕はやっぱり僕だと知る
いつの間にか分厚い着ぐるみ
無言のパフォーマンスしてたね
ちょっと後ろのファスナー
下ろしてくれないか
風を浴びて
蘇りたい
逃 ....
空から落ちてきた
一粒の火の粉が発芽して
庭に硝子の意志が蔓延った
温い月光を受け止めた
水盤には真鍮の孤独が湧き
何匹かのメダカが犠牲になった
溶けたアイスキャンデーの
「 ....
○「親の終焉」
僕の後ろには
数えきれないほどの
親が続いてきた
が
僕の代で親が切れた!
僕の種は
永遠に終わる
僕が望んだことではないが
受け入れるしかない
○「SNS情報 ....
アンドロメダ商店まで行くのが億劫で
ルナマートで買い出しを済ませよう
飾り立てられたリトラクタブルライト号
さあ、行こう
橋を渡る
川も渡る
雲を追いかけて
雷雨
立ち止まって
バス ....
砂浜に
寄せる波の
持ち上がり
なびき倒れて
ぱたんぱたん
繰り返し繰り返し
寄せる波の
持ち上がり
なびき倒れて
ぱたんぱたん
そうして
いつしか
消える砂浜
わた ....
出かける準備に
君は右往左往している
もう出ないといけない
ジリジリとする内心
何か手伝おうか
さあもう出かけよう
服はそれでいいだろう
せっかくの
楽しみを
最大限に味わい ....
指先をつたう 雷鳴
かかる
雨のなか 歌う少年
六弦に潜む 幽霊
誰か 聞こえねぇのかな
生きる希望と やらに ぶら下がる
縫われた からだで 息を吐く
風とともにぜんぶ剥がれて
....
繊維の構造に
光が降り注いで
戸惑ったわたしは
少しだけ早口になった
アジノタタキ、と
呪文を唱えた
日除けの帽子は
柔らかな海になって
凪いだまま
わたしの身体に
収 ....
勇気なのか、神様のいたずらなのか
未来を変えたくなった
誰に言われたのか、いつ信じたのか
未来は一つだけだと思ってた
見えている物はそんなに変わらない
ただスローモーションのよう ....
胃が焼ける
瞳が焼ける
背中が焼ける
水族館に行くのは
七月がいいと君に教えられたけど
その流派もう忘れてしまったよ
煩わしい憎しみが
夏休みの宿題みたいに処理でき ....
青空が遥か高く張りつめた時
草も花もない地上に
私は頼りなく立っていた
掌の感触は忘れていない
あなたの爽やかな顎をなで
たくましい肋骨を数えた
奇妙に光る瞳で私を縛 ....
白い本をひらく
そこは、永遠てしのない階段が続く
教えられたままに ゆっくりと登っていく
いつか空に近づくころ 段差は代わりに五線譜になった
そこからは、音符の上をのぼりはじめ ....
今日に歩けば途すがら、
薄紅の花束のふんわりと
一年ぶりの新たな逢瀬、
さるすべり咲き開き
並木道進みいけば
みんみん蝉も鳴いていら
この夏に賭ける想い
正に自由闊達に
渦巻き流れ ....
死に
たかる蟻たち
夏の羽をもぎ取り
脚を引き千切ってゆく
死の解体者
指の先で抓み上げても
死を口にくわえてはなさぬ
殉教者
死とともに
首を引き離し
....
夏の一日
わたしは蝶になりましょう。
蝶となって
あなたの指先にとまりましょう。
わたしは翅をつむって
あなたの口づけを待ちましょう。
あなたはきっと
やさしく ....
血の通った思考が剥がれた
声を失い体は権力の蔦に絡まれ
魂は音もなく闇に溶けた
仮想空間で無意識に流し込まれた
コントロールされた思考が
着色された鮮やかさで巡り
奴らの思い通りに ....
人、いつか気付けば雪原に独り
何ものかに見られていると
怯え震えつふと見上げれば 、
巨大な眼差し、黄金の眼光放ち
夜陰の大空にびっしりと
定められた位置に静止しつつ
寒風の狭間に揺 ....
少し行った所に大きな本屋がある
キャッチ―なお題で
少し濃い目に化粧した本たちが
私は本ですってアイドルの顔して
凛と立ってみたり
人気者のふうで積み上がってみたりする
最近はお洒落な ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す
手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
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