それと知らずにいたほうが幸せだった
そんなこと知りたくなかった
そんなこと言って
知りたがりのくせに
行ったり来たりする気持ちの間で
どっちつかずに揺れ動く
世の中には知らなくていいことだ ....
風が孕む雨の香り
泣き出しそうなそれが充満して
それでも太陽が顔を出す
光に溢れても
雨を含んだ風は舞う
どこを目指すでもなく
ただ流れているようで
ときに強く
ときに弱く
誰かの髪 ....
むせ返るような
苦しさから逃げ出したくて
走り出してしまった
方向はいつも左
迷ったときにはいつも左
曲がり角ではいつも左
とにかく左へ左へと曲がって
走り続けた
苦しくって息が切れて ....
着信音が響いた
真夜中に一度だけ
非通知と表示された
ほんの一瞬の出来事だった
誰だったのか少し気になる
気持ち悪いとも少しは思う
なにが目的だったのだろうか
またかかってくるだろうか
 ....
やるせない
この気持ちをどう処理したらいいのだろうか
むなしい
自分の気持ちを処理したいと思っている
そんな自分が哀しい
だからと言ってどうすることもできない
やるせない気持ちが募る
空 ....
駄作だ
涙が出る
またしても
くだらない
こんなものしか出てこない
吐き気がする
自己嫌悪に苛まれ
劣等感に覆われ
井戸の底に沈められた気分で
空を仰ぎ見ても一筋の輝きさえ見い出せず ....
不確かな
それはとても不確かな
不安とでも呼ぶのだろうか
心の中はきっとグレー
くぐもった気持ち
なんともスッキリしない
中途半端なグレー
これが身体の中で拡がっていく
涙が流れる気配 ....
忘却の彼方へ
なんてそんな言葉を言ってみたかった
それだけのことだ
そんなところへ行ってみたいとも思う
どこにあるのかなんてまったく想像がつかない
なにもかも忘れてしまう
そんなことだろう ....
許せないのは
あなたが忘れたことではなくて
あなたが忘れてしまったことを許すことができない自分自身だ
忘れてしまうくらいのことはよくある
すべてのことを覚えているなんて不可能だ
ど忘れしてし ....
裸足で
冷たさを感じて
磨かれた床の上に
横たわりたくなる
衝動を抑え
素足で
熱を覚えた
水を含んだ砂の中に
埋もれてしまう
夢に溺れて
微動だにせず
もはやまばたきさえ忘れ
 ....
クリムゾンて
クリーム色じゃないんだ
赤なんだよ
紅色とは違う
また別の濃い色なんだ
濃いんだけれど
明るいんだ
ブライトなんだよ
それでもって青も少し入ってるんだ
カレーの隠し味に ....
喉の中が少し痒い
じれったい
口から手を入れても届きはしない
首を掻いても治まらない
痒さがじんわりと増していく
どうにもならないからなんとかしたい
手を握りしめてみる
なんともならない ....
曲げたままの右膝が笑う
歩くなんてしないよ
膝が笑っていたいから
土手に咲く蒲公英でも眺めているさ
散歩に連れられて来た犬が吠えると
少しビビったりもするんだけどさ
ほんの少しだけだけどな ....
ピンクの花びらが舞う風の冷たさを
両の頬で受けて流した涙の乾きを覚える
暖かな陽射しが降り注ぐ癒やしを
否が応にも受け入れる
項垂れてはしばしの抵抗を誇示し
成す術のないことを思い知る
や ....
俺のことなんて忘れてやるさ
だって俺なんてどうでもいいんだ
しょせんちっぽけな俺さ
俺様様だけどな
どうせなんてこたぁない俺なんて
人様には見向きもしてもらえない俺だけど
だけれどもさぁ俺 ....
満たされない心は
どうすればいいのか
作り笑いをしても
誤魔化せない気持ちが
タンブルウィード
砂漠を転がり続ける
あの植物のように
空回りを続けている
目指すところもなく
風に吹か ....
逃れることのできない
煩わしさなど
忘れてしまえばいい
ほんの束の間でも
忘れたふりをする
それだけでもいい
そうでもしなければ
やっていけないから
愛想笑いまでは
しなくていいから ....
澄んだ空が
撒き散らす冷たさは
この上なくて
春はまだ遠いと
思い知らされる

夕焼けは赤く燃え
異様さを見せつけて
闇夜の訪れを
阻もうと試みるほど
夢を見る

白い月が昇る ....
金曜の夜には
花を買って来て
ほんの数本でいいけれど
いまの季節だったらそうね
ミモザだとなおのこと嬉しいかな
ワインもスイーツもいらないし
おめかしもしなくていいけれど
一人が嫌なんじ ....
ちょっと気持ちが落ち着かないからといって
文字を書きたくなる
気持ちを吐き出すことで均衡を見出そうとしている
情けなくもなるけれど
ほかに成すすべが見つからない
空っぽな心は声をあげることを ....
いけないんだ
名前を間違えたりしちゃあ
分かっているんだ
だから気をつけてはいたんだ
だけど間違えるときだってあるんだよね
無意識だからこそ間違えてしまうって
あるじゃんか
気持ちがない ....
柔らかい
それだけでいい
安心するから
石鹸の匂いとか
なくても我慢する
陽射しがあると
なおいいけれど
温かいと
なおのこといいけれど
柔らかいのだけで
じゅうぶんだから
空が青い
空気は冷たいけれど
雲が見当たらない
軒下に張り巡らされた蜘蛛の巣が廃れて
時間の経過どころか
時代さえ感じる

思い知らされる
ときは過ぎゆくことを
風が吹いても
景色 ....
パステルがはじてける
ピンクやペパーミントグリーンが
春を告げようとしている
子供の頃に食べた
チョコレートのおかしみたい
ボタンみたいなパステルの
ラベンダーや淡いグレー
ポップんちょ ....
謝って欲しいのはあなたじゃない
あなたはなにも悪くない
私だって悪くない
悪いのはあの人だ
それは皆にだって明らかなはずだ
だのにあの人は謝らない
だからってあなたが謝らなくていい
むし ....
味方になろうと思った
あんまり君が弱そうだから
そんな言い訳はしないけれど
守ってあげたいって
思ったわけでもないけれど
なんだろう
どう言い表したらいいのか
どういうのが正確なのか
 ....
分不相応とは思えども
スキなものはスキだから
どうしようもない

年齢とか都合とか時間とか
場にそぐわないこともあるけれど
着たいお洋服を身に着けたいし
食べたいものを食したい

言 ....
ゆで玉子さえうまく作れない
ゆで玉子だって立派な料理だ
レシピ集にだって掲載されてる
玉子を殻のままとはいえ茹でるのだから
料理にほかならない
茹でるだけなのにうまくできないって
どうゆう ....
水を入れ替えるのを忘れた
花瓶だったろうか
金魚鉢だったろうか
お仏壇の茶湯器だったかもしれない

いずれにしても罪深く
自己嫌悪を覚える

最近はこんなことばかり
やることなすこと ....
もう二月だとか
まだ二月だとか
思ってしまう

寒くって
春はまだ遠くって
だのに花粉症の症状が出始める

なにかが始まりそうで
終わりそうでもあって
このままでいたいのにと言いた ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
知る自由詩2*22/4/18 22:53
しあわせ自由詩2*22/4/16 10:28
走り続け自由詩1*22/4/15 22:33
コーリング自由詩1*22/4/14 22:54
やるせない自由詩1*22/4/13 22:46
おのれ自由詩022/4/12 23:06
グレーは不確かな色自由詩1*22/4/11 20:59
忘却の彼方自由詩1*22/4/7 20:04
許せやしない自由詩1*22/4/6 22:50
からまって自由詩1*22/4/4 22:50
クリムゾン自由詩0*22/4/1 20:13
奥の痒み自由詩0*22/3/31 22:23
右の膝自由詩1*22/3/26 22:45
繰り言は今日もまた自由詩1*22/3/24 22:55
俺様のブルース自由詩1*22/3/22 22:18
回転草自由詩1*22/3/17 22:53
そこにいるのならば自由詩2*22/3/13 22:49
自堕落な自由詩3*22/3/8 21:23
わがままかしら自由詩3*22/3/4 19:45
また明日自由詩1*22/3/3 23:14
許されざる自由詩2*22/2/24 22:19
いま欲しいもの自由詩2*22/2/23 22:47
それはとても不確かな自由詩3*22/2/18 22:47
パステル自由詩2*22/2/12 9:56
あやまる自由詩2*22/2/10 21:56
味方だよ自由詩2*22/2/8 22:44
とりあえずかな自由詩1*22/2/8 12:16
たかがゆで玉子なんだろうか自由詩3*22/2/5 22:50
明日への約束自由詩3*22/2/3 22:40
二月か自由詩2*22/2/1 22:21

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