喧騒の中で食事をする

欲しようと
欲しまいと
食事をする

笑顔を隠して
涙を堪えて
怒りを抑えて
食事をする

独りでも
二人でも
複数の人とでも
特別な誰かとでも
 ....
足の裏が冷たい
全体的に

踝の辺りはそうでもないけれど
足首から下側は
血が通ってないのではないだろうか
そんな風に思うほど冷たい
両方の足の裏が全面的に
凍り付いてる感じがするくら ....
少女のような顔付きをしてあなたは
優しい言葉を連発する
そんな言葉たちを並べ立てられると
涙が溢れてしまうじゃないか

子供じみたあなたの
真っ直ぐで
優しくて
スキって気持ちでいっぱ ....
ドラマチックに
気を失って
ヒロイン気取りで
支えてもらって
憂い顔に長い睫毛
声を上げずに
口角上げて
白いレースのハンカチを
故意に落として
恋を始める
寝っ転がって
床の上に
手と脚とを
放り出して
無意味に曲げてみたり
曲がってみたり
上空から見た姿を想像して
角度を微妙に調整してみたり
床の方に向き直ってみたり
脹脛がつるくらい ....
イライラするのは
しょうがないとして

イライラしていないふりを
うまくできなくて

八つ当たりしたり
舌打ちしてみたり

その後で自己嫌悪して
それでも生きていかなくちゃいけない ....
数字に計られる気持ちが
こんなにもちっぽけでくだらない

若いとか
重いとか
少ないとか

だのに計れない
心とか
優しさとか
空気とか

言葉とか
涙とか
匂いとか

 ....
頭を空に向けて六十二度くらい傾けたまま
動けなくなってしまった

顎を前方に突き出したまま
後頭部が後ろに傾いたように
六十二度が保たれている

右足をもう少し前に出すと
バランスが良 ....
糸が風に舞う

白い糸が
青い空を背景に
風に流されている

その先を辿っていけるだろうか

糸を引いているのは誰だ
糸の先には誰がいるんだ

雨に打たれても
雷に撃たれても
 ....
歪みを感じる

いつからだろう
目に見えているわけではないが
なにかが歪んでいるのを感じる

歪んでいるのは
私の心だろうか
それとも世界だろうか

どうしてこんなことになってしま ....
嫌なことはすべて後回しにしたい

嫌なことをすべて先に終わらせようとすると
いつまで経っても終わらないことに気がついた

まず嫌ではないことから順に片付けていくことにしたけれど
後に待ち構 ....
胸騒ぎがする

良くない兆候を
期待している

満月が輝くのを
目が欲している

喉が渇くのを
待ちわびている

鏡を見ないように
冷たい水に触れないように
匂いの強い球根に ....
貧相な身体の中の
脆弱な心が
翼を拡げて飛び立とうとしている

行かせてしまって
いいのだろうか

なにもかもを解き放つためならば

趾でもて雁字搦めにして
身動き取れないようにす ....
爪先立ってみる

踵立ちはできないものと諦めた

不安定な気持ちがそうさせる
高みへと少しでも近づこうと

支えなんて欲しくない
なんにもいらない
でも少し
いつもと違う
視点が ....
うんざりしてしまうのは
土地が違うからだろう

興醒めしてしまうのは
違う空を見ているから

空気の色も
風の匂いも
なにもかもが違う

子供の頃に見た
妖精や妖怪とは違う
そ ....
拭えない気怠さに埋もれてゆく
居心地の悪さはこの上なく
怒鳴りつけたい心臓は
腹の底へと沈めておく
まばたきをすることさえ煩わしく
ほくそ笑む方法すら忘れ
感情には雁字搦めに鍵をかけて
 ....
ああいけない
こんなことをやっている場合じゃないのに
気持ちが向かない

嫌なことというわけでもなく
後回しにしようというのでもない

単純に気が向かない
その気にならない

ゲー ....
海に行きたい
波の音が聴きたい
ここからはとても遠くて
潮の香りさえ届かない
素足のまま砂にまみれて
向こう側に沈みゆく夕陽を眺めて
寄せては返す波を見つめて
そうやって時間を過ごしたい
夕ご飯を食べすぎた
そんなことで落ち込んだりする

いつもはたくさん食べれないくせに
お腹が空いていたわけでもないのに
食材がたくさんあるわけでも
たくさん作りすぎたわけでもないのに
理 ....
ふうと溜息をついてみる
思わせぶりな
その音の大きさに
自ら驚いてみたりする

あざとく
わざとらしく
それでも誰も振り向きはしない

駄目だ
こんなことでは

振り向いて欲し ....
心の闇を広めないよう
作り笑いをしてみる
鏡の中のいかにも醜い自分に
驚くことはないけれど
愛想が尽きる
ふと手を伸ばして頬の辺りに触れてみるけれど
鏡の向こうへ通してはもらえない
まだ ....
陽だまりの中で
背泳ぎを続けているような
そんな気分が続いている

足をバタつかせなくても
ゆらりゆらゆらと
水面を流されていく
そんな感じ

気持ちが切り替えられないまま
ただ時 ....
冷たい仕打ちを人から受けても
冷たい態度を返しはしない

プライドがどうとか
やるせなさとか
そんな問題ではない

皆と仲良くなんて
できなくていい

友達は百人も要らない
自分 ....
冷たい空気で
頬が凍張る
そんな言い訳ができる
今夜に感謝したくなる
だからもう少し
一人で歩いてみる
お月様は隠れているけれど
空の高い奥まったところに
小さな星が輝いているのが
 ....
叫び出しそうな心は
放置しておこう

叫んでしまってもいいし

抑制できるのもまた

我慢なんて後回しでいい
我慢なんてしなくてもいい

なにをしてもいいわけではないが
どうしよ ....
探偵気取りで
僕を追い詰める君は
実に卑劣な手段で
その機知を利用する

もちろん君のじゃないさ
僕のだよ

この僕の狡猾さを
叡智を
企みを
ものの見事に横取りして
明るみに ....
なめし革一枚に隔てられた人肌の感触

この一文に高揚する心
困惑し
驚愕し
恐れ慄き
それでいながら
触れてみたくなる
欲望を
衝動にかられないよう
自制を試み


それでも ....
脆弱な精神は
ただひたすらに
堕ちてゆく

硝子瓶の中
飛び出す気もなく
舞い続ける
澱のように

両の腕を翼の如くに拡げ
力なく曲げられた膝は
まるで駆け出すかのような
姿勢 ....
半音低い気がする

もう少しすっきりさせたい
否これでいいのか

くぐもった音が響く
不協和音の心地良さを
もう少し
間に間に
そのままにしておこうか

大団円を迎える前に
煩わしいほどに
ざわつく
この胸が
嘘をつかせる

曇り空を
繊細な細い指で
覆い隠しても
迫りくる罪悪感を
全身に浴びる

閉じ込められたい
欲望は渇くことを知らず
飛沫を ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
食事をする自由詩2*17/3/19 15:31
冷たい足の裏自由詩017/3/16 1:03
すずめのうた自由詩1*17/3/15 0:31
計算づくめ自由詩017/3/14 1:07
身心伸自由詩1*17/3/13 0:23
イライラする自由詩2*17/3/10 23:35
数字だらけ自由詩3*17/3/10 2:08
逃すまじ自由詩2*17/3/8 1:24
糸瓜の皮にあらず自由詩3*17/3/6 23:35
歪みゆくこの夜自由詩1*17/3/6 1:00
嫌なこと自由詩1*17/3/4 23:44
胃の中の蝶々自由詩1*17/2/27 22:40
時は来たれり自由詩2*17/2/25 19:15
差し伸べる自由詩1*17/2/25 0:34
嫌悪自由詩017/2/22 23:58
自虐の歌自由詩2*17/2/20 0:23
また明日自由詩017/2/17 0:03
海へ自由詩1*17/2/12 22:34
とにかくご馳走様でした自由詩3*17/2/10 18:32
ゴオッ!自由詩2*17/2/8 20:08
笑顔の向こう自由詩1*17/2/8 18:33
マイウィッシュ自由詩017/2/4 20:53
お友達の作り方自由詩1*17/2/2 23:42
スターライト自由詩1*17/2/1 22:24
心の叫び自由詩2*17/1/31 9:39
恍惚二死ス自由詩2*17/1/29 11:02
ふしだらな自由詩2*17/1/28 8:19
閉じ込められた夢の中で自由詩1*17/1/26 20:40
グランドフィナーレ自由詩1*17/1/18 19:51
いまだもて自由詩2*17/1/17 23:47

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