重くのしかかる目蓋は熱く
眠気を充満させる

頭が揺れる
カクン
カクンと

前へ
後ろへ

赤ベコのようであろう

頭が上方に持ち上がるたびに
束の間
目が冴える

 ....
左の肘の曲がり具合が気に入らない
ふと、そんなことに気づいた

角度を変えてみたり
腕を上げてみたり
手の平をひっくり返してみたり
肩をまわしてみたり
顔の向きを、そして
身体のいろん ....
空気の冷たさは
ただそれだけのことで
なんの期待も
後悔をも振りまくことはなく
消えることもない

あの日の涙は
嬉しかったのか
悲しかったのか
知るよしもないけれど

滴の記憶 ....
肩をすくめて
おろすことが
できなくなった

だからもうしばらく
このままでいよう

まだ目眩はしないから
大丈夫きっと

まばたきもできないけれど
しゃっくりもできないけれど
 ....
風が吹く
強く
トタン屋根が揺れる
怯える
妄想が始まる
風にさらわれて
知らない土地へ
飛ばされる
初めて見る海は
広く
大きく
だのにひとっ飛び

また風が吹く
さらに ....
窓硝子に映った一角獣は
怯えることなく
凛としたまま
そこに佇んでいた

白い毛並みは金粉が混じったように煌めき
燃える炎の赤い瞳はつぶらなルビーそのもの
巻き貝を細長く伸ばしたようであ ....
姿も形もいらないから
心だけが残ればいい

クラゲのように舞うことが
できるだろうか

流されるだけでもなく
音も立てず

生命の強さを感じられることもなく
血液の温かさもしらず
 ....
右の肩を少しだけ上げて
顎を窓の方に傾けて
見える景色は空気の色が違う

雨の滴は線になって
薄い紫色を含み
アジサイを想い出させる

ひとしずく
音を響かせて
ほかのすべての音を ....
彼女の美しさに打ちのめされるだなどと
分かりきっていたことなのに
お前だって例外になどなりえはしないと
よくもそんな風に思えたものだ
なにがお前をそうさせたのか
そんなことは誰にも分かりっこ ....
つらつらと
ただ文字が書きたくなる

伝えたいメッセージなどないけれど
胸が疼く
いや喉のあたりか
腕か指先か掌か
左足の第四趾ではないだろうか
それとも蟀谷
はたまた膕
嗚呼
 ....
春の空が欲しい

ふと
そんな想いが過ぎった

だからと言って
できることはない

桜の花が好きでもない
お気に入りの季節でもない

けれど
そんな風に思ってしまって
どうに ....
コスモが広がる

無限のコバルトの向こう側
ただ一つのスピカを求めて

両腕を力の限りに拡げて
それはまるで翼であるかのように

膝を曲げて
走るように
斜に構えて

疾風のご ....
久しぶりに
一人が好きなんだ
と言い聞かせる

繰り返し繰り返し
自分をなだめて
寂しくなんかないのだと
唇を噛み締めてしまわないように
気持ちを抑えて
空を見上げて
深呼吸をする ....
右足を後ろの方に伸ばして
膝を曲げずに
足の先を頭の後ろへつくように
持ち上げるようにして
伸ばして
高く上げて
高く高く
美しい姿勢を保って
美しい姿でいようと
試みるけれど
ふ ....
ざわつく心は
秋の訪れとともに目覚め
不安な心は
闇夜とともに広がる

落ち着きを知ることのないこの動悸は
はけ口を求めて高鳴り
救いの手を求めてもがきはするけれど
空ばかりをつかんで ....
汗ばむ夜は
また眠れないかと
憂鬱にもなるが
熟睡のうちに寝過ごして
時間を失ってしまうよりは
ましなようにも思える

ふとベランダに立つと
思いの外夜風は冷たく
束の間の避暑に恵ま ....
晴れた朝は
自分に似つかわしくない
そんな自己嫌悪から始まる

今日一日をどうやって過ごすか
考えるだけで憂鬱になる

強過ぎる陽射しが疎ましく
外出予定さえ取り消したくなる

い ....
打ちひしがれる
悲しみに
打ちのめされる
悲しみに
ただ悲しくて
ひたすらに悲しくて
寂しくて
泣き出したいほどに
切なくて
こんな悲しい夜に
月は輝く
その仄かな明かりが
余 ....
首を傾ける
背中の方へ
仰向けになるように
空を見上げて
地面と平行に
顎を突き出して
空を眺める
一滴の雫が
降ってきた
頬で受けとめ
冷たさを覚える
夏の終わり
テーブルの上に置かれた瓶は
水滴を纏っていて
中身の冷たさを誇張している

だから触れてやる気にはならない
陽に照らされて温くなるがいい

酸味も消失し
不味くなったらいい

それ ....
暑くも涼しくもない
温い夕暮れが始まり
秋の気配が漂う

雨の匂いが充満し
風が強さを増す
嵐の前の静けさは
不気味なことこの上なく
薄暗い雲よりも
私の心がざわつく

今宵は月 ....
嵐の予感が心をざわつかせるから

淹れかけたコーヒーはそのままにして
字面を追うだけの本も閉じて
蝋燭に火を灯して動かずにいよう

気持ちを巡らせて翼を広げ
黒ずんだ雲が早く流れ行く空へ ....
気を失いそうなほど
嫌悪感に苛まれようと
生きていかなくてはならない

今日で休みが終わる
これは世界の終わりではない
それに限りなく近いとしても

代わり映えのしない毎日は続く
変 ....
闇夜に響く
鴉の鳴き声
鳥目では
なにも見えないくせに
不吉を呼び寄せ
撒き散らすよに
不気味な声を轟かす
翼までをも羽ためかせ
空気までをもざわつかせ
風に乗せて
遠くまでも
 ....
風鈴の音など聞きたくない
汗ばむ額が太陽を拒否するけれど
乾いた足の裏は砂を求め
軽い目眩を歓迎する

蝉の鳴き声に起こされて
この上なく不機嫌になり
八つ当たりする矛先を見つけられず
 ....
最初は風だ
いつもと違う風が吹く
これから強さを増すと感じさせる
風がブルンと唸る

そして陽光
青い空が翳りを見せる

しばらくの静寂
静かに移動する雲
灰色が浸透し

雨垂 ....
抱えた罪は握り潰して
なにもなかったように
素知らぬ振りをして
涼しい顔をして
通り過ぎる
決して後ろを振り返ることなく
悪びれもせず
嘘に嘘を重ねて
罪悪感の欠片も覚えることなく
 ....
これからもどうぞよろしく
そんなこと言うあなたは
優しさというオブラートで包んだ
残酷さでアタシの心を突き刺す

少し困ったような笑顔で
最後までイイヒト気取り
本音を見せることはない
 ....
ポップコーンが弾ける音
それが聞こえるだけでも
この耳は楽しいらしい

高層ビルがまた一つ建ち
そのアシンメトリなフォルムは
夜空をいびつに捻じ曲げ
火が花開く空間を奪ってしまった

 ....
頭を垂れて

なにもする気が起きない
そんな日もある

足の甲を伸ばして
床になすりつけて
おかしな音を立てて
耳心地の良さを覚えて
時間を過ごす

雨の音を掻き消して

今 ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
悲痛が走る真夜中に自由詩2*17/11/10 23:49
あきらめのわるい自由詩2*17/11/4 11:38
木枯らしが吹く前自由詩1*17/10/28 10:47
悪あがきではないけれど自由詩1*17/10/24 0:21
風に吹かれて見る夢自由詩017/10/22 23:54
愛しのユニコーン自由詩4*17/10/22 1:08
私はクラゲ自由詩2*17/10/22 1:00
雨は沈黙の音を世界に放つ自由詩4*17/10/21 13:11
いみじくも自由詩017/10/18 0:01
筆者自由詩2*17/10/14 2:05
どうしようもなく自由詩3*17/10/13 0:37
天地無用自由詩2*17/9/27 22:26
寂しん坊自由詩1*17/9/19 23:49
ふりをする自由詩1*17/9/16 22:06
本能自由詩2*17/9/14 0:28
悪夢自由詩1*17/9/12 23:55
夜が待ち遠しい自由詩2*17/9/9 9:29
悲しい夜自由詩2*17/9/9 0:27
夏の終止符自由詩017/9/6 23:52
意地の悪い自由詩2*17/9/5 1:10
化けの皮は剥がれることなく自由詩017/9/3 19:38
気の向くままに自由詩2*17/9/2 20:22
根拠などないけれど自由詩017/8/30 9:23
鴉の鳴き声は夜に響く自由詩1*17/8/28 23:28
夏の終わり自由詩2*17/8/27 20:58
雨が続く夜自由詩2*17/8/7 19:59
そこな女自由詩1*17/8/5 0:05
雨降りの街角で自由詩017/8/3 22:51
都会の夜空の下自由詩1*17/8/1 23:14
自由詩1*17/7/29 21:59

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