もうすぐ息が荒くなるのを感じて
早足にならないように
気持ちを高ぶらせないように
抑えて
抑えて
前を見つめて
ゆっくりと
進む

鼻の穴が膨らまないように
肩が上がらないように
 ....
ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
なんだか疲れた

ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
でも休めない

ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
まだまだこれから

ん、まま、ん、 ....
大きく息を吸って
止める
止めたまま
しばらく
まだ
止めたまま
我慢ではなく
痩せ我慢ではなく
自分を試すのではなく
限界を知るためでもなく
まだまだ
もう少し
止めといて
 ....
一人の夜は
とても気楽で
無理に笑顔を作る必要もなく
諍い合うこともなく
気まずい間を埋めるために
言葉を立て続けて放つ必要もなくて

歩くのが面倒くさいといって
寝たまま転がってみて ....
のそのそとなら動く

動きたくないことを
精一杯に表現してみる

声も上げずに
反抗的な目の色を纏い
一歩にすべての体重をかけて

これよりも重い歩みはないことを
なんとか知らしめ ....
真っ白な毛に覆われた猫が
黄色い瞳を光らせて言う

走れ

だから逆立ちして見せた
ただそれだけのこと

シャノアは私を威嚇した
尻尾を立て
全身の毛をさ逆立て
黄色い目の輝きを ....
右耳の中に抱えた不発弾は
頭の芯を溶かすように
熱をじんわりと継続させる
一筋の涙が頬を伝うのに気づきもしない
耳の後ろのリンパ腺は腫れ上がらない
熱は永遠に下がらないのではないかと疑いたく ....
血圧が低くなっているのを
眩暈を起こしそうになって自覚する
照りつける太陽の下
息が荒くなりつつあるのを
必死に抑えて歩き続ける

冷たい水を全身に浴びたい
そんなことしたら凍え死んでし ....
真夏の真夜中
散りばめられた魔法たちが動き出す
輝きを放ち
光の弧を描き
星をばら撒いて
華をまき散らし
静止しているあれやこれやが動き出す

だから扉を開けてごらんよ
ベッドの中か ....
不安定で不均衡な心は
やじろべえのように
いつまでも揺れている

やじろべえのようにって
もっと他の言い方ができないものか
風見鶏とか
微動し続ける振り子とか

言葉を飾り立てようと ....
言葉にすると
すべてが嘘になってしまいそうで
だから黙っていようと
心に決めたあの日は
もう遠い昔のことだけれど
今も鮮明に残っていて
一瞬が永遠のようで
一歩も踏み出せずに
このまま ....
赤い閃光が
青い空を横切った
雲一つない
真っ青な空を
赤い線が
境界を引いた
横一文字の
真っ赤な直線は
強烈なスピードで
音を立てることもなく
空を裂いたのだ
誰も気づいてい ....
息が詰まる

腹の立つことを
飲み込む

笑顔を作る
まではできない

せいぜい
とぼけた振りして
頭を掻いて
爪を立てて
気を紛らわす

ふんふん
鼻歌を歌っている振り ....
哀しい想いをしたときには
夜空を見上げると
稀に灰色の雲が流れてゆく
そんな不安な姿を眺めては
気持ちが和らぐ

速くないスピードで
浮いているだけのようで
どこへ行くともなく
目的 ....
子供の頃に見ていた夢を
思い出そうとすると
涙が流れる

もっと素敵な自分で
楽しいことをたくさんしていて
笑顔に溢れた
そんな日々を過ごしているはずで

そんな嘘っぱちを
憧れて ....
軽い眩暈が止まらない
ふらふらとする

くらくらする
というのが正確だろうか
貧血気味のこの身体は
眩暈を求め
眩暈に心地良さを
覚えてしまった

それは浅い眠りのように
数秒 ....
放り出した腕をそのままにして
もうピアノを奏でるのは止めたい
爪の先から出血し続けてもいい
腕が傷だらけになってもいい
肩が壊れようとも
手の平に切り傷を負っても
手の甲が痣だらけになって ....
髪の生え際から
肩へかけて滴る
汗の粒が止まらない

負けたくなくて
暑いという一言を
口にしないで
我慢している

ため息が出る
腕を掲げて
陽射しを避ける

熱の篭った空 ....
水母のように
ふわりゆらりと
水面下を漂う
揺れているのは
この心か
この身体か
最早どうでも構わない
空気など要らない
陽光を全身で受け留めて
微笑んでやろう
炎がゆらりと揺れるよに
この全身をうねらせる
千切れてしまえと
左の腕に右を重ね
頭上高くに掲げては
「の」の字を描いて
腰を振り振り
黒髪までも振りかざし
声を喘いで轟かせ
右足の ....
俯せで眠る無防備な背中が大きくて
つい頬ずりをしてしまった

爪を立てたくなる衝動を
必死に抑えてみた

喉から流れ出た撫で声は
自らにも気色悪く
化物のそれとさえ思われた

瞬き ....
眠るように
堕ちてゆく

空から一直線に
落とし穴へと向かって
洞窟のような
通路の中を
ただ真っ直ぐに
堕ちてゆく

一定のスピードで
速くもなく
遅くもなく
ぶれることな ....
蔵の中に閉じこもりたい
ひんやりした冷たい空気の
喧騒から逃れられる場所で
骨董品やら
古文書やらに囲まれて
しばしの間でいい
現実から逃避したい
右手の甲に
血飛沫が一滴
すでに乾いていた

この小粒の一滴
どこで付いたのか
いつ付いたのか

両腕を確認し
鏡に見入り
全身を確認してみる

どこにも傷口は見当たらない
 ....
もうここで倒れてしまいたい
なにもかも終わらせてしまいたい
この瞬間に時刻が止まってしまえばいいのに

何度もこんなことを思って来た
繰り返し打ちのめされて来た
再起不能と何度も思った
 ....
日常という今日が
雨降りで
湿気の充満する
陰鬱な一日だけれども
気持ちを晴れやかにするため
無理して笑顔を造る
ラタトゥイユって
どんな食べ物なのか
想像がつかなかった

ラタトゥイユって
料理の名前だなんて
思っていなかった

タタラトウユって
なんなのさ
なんだそれ

タランチュラっ ....
両手を水平に広げて
左の足を後方へ
右足と九〇度になるように上げて
そのままの姿勢を保ち
スケーターになった気分で
バランスを保つ

ただそれだけのことなのに
この身体は揺らぐ
自ら ....
お腹が空いた
もう動けない
干からびてしまいそうだ
このまま朽ちてしまいたい

弱音は尽きることがない

天に目を向けると
まあるいお月様が白く輝いている

不意に一筋の涙がこぼれ ....
燃える炎を眺めていると
この瞳が燃えてしまうのではないかと
そんなことを想像してしまう

目蓋に感じる炎の熱は
愛惜しく
覚めないで
消えないで
と願う

この目の中に
その炎を ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
前進あるのみ自由詩1*16/8/31 0:37
んまま自由詩2*16/8/25 18:19
息を自由詩2*16/8/21 19:00
ロンリーナイト自由詩2*16/8/20 0:05
かようなつもり自由詩0*16/8/19 0:20
天邪鬼自由詩1*16/8/18 19:35
熱帯夜の爆弾自由詩1*16/8/15 23:04
誕生日には自由詩4*16/8/15 0:26
サマーナイト インビテーション自由詩0*16/8/12 23:34
やじろべえ自由詩016/8/11 20:07
止まったまま自由詩0*16/8/11 20:04
ガガガ自由詩0*16/8/9 20:36
今日もまた自由詩1*16/8/8 23:36
夜空の雲は灰色で自由詩2*16/8/5 22:53
未だ夢の途中自由詩1*16/8/4 18:48
眩暈自由詩0*16/8/4 0:07
やるせない自由詩0*16/8/2 23:32
失神自由詩3*16/8/1 23:13
水中花自由詩1*16/7/31 23:48
いざない自由詩1*16/7/30 23:58
飼い猫自由詩2*16/7/29 23:19
堕ちてゆく自由詩4*16/7/29 10:24
隠れ場所自由詩1*16/7/29 0:52
手の上の血飛沫自由詩016/7/27 21:56
血潮の熱自由詩1*16/7/27 0:24
朝、はじめ自由詩016/7/26 12:44
ラタトゥイユ自由詩016/7/26 1:12
不平と不満自由詩016/7/24 17:01
寝床にて自由詩1*16/7/23 14:32
巡りて自由詩1*16/7/23 1:04

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