しあわせ
坂本瞳子

風が孕む雨の香り
泣き出しそうなそれが充満して
それでも太陽が顔を出す
光に溢れても
雨を含んだ風は舞う
どこを目指すでもなく
ただ流れているようで
ときに強く
ときに弱く
誰かの髪を撫でたり
誰かの涙を拭ったりして
あなたの脇の下をくぐり抜けたり
彼女と向き合ってダンスをしたり
彼の影を誘惑したり
そんなことまでしているかもしれない
こんな夢を見た
日曜の朝


自由詩 しあわせ Copyright 坂本瞳子 2022-04-16 10:28:06
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