意地の悪いことを言ってみたりする
目的なんてないけれど
自分の本当のキモチを分かりもせず
とりあえず言ってみる
楽しくなんてない
まったくない
ほかになんと言ったらいいのか
言葉が見当た ....
春が近いというのに
雨が降る
まだ冬だ
まだ寒いのだと
居丈高に叫ばんばかり
猛威を奮う勢いで
果敢に冷たい風を吹き付け
横殴りの雨を降らす
梅の花を開かせぬよう
月の光を輝かせ
 ....
掻きむしりたいほどのこの感情は
時間が忘れさせてくれることもなく
この心の底でいつまでもくすぶる

手のひらの痒みが消えないのと同じで
痒みを忘れることはあっても
またいつかやって来る
 ....
眩しい太陽が見たい
強い陽射しが

暗い空も
澱んだ雲も
冷たい風もいらない
横殴りの雨や
蒼の炎を放つ月も
打ち消すほどの
太陽が見たい

空気は冷たいままでいい
眩しい太陽 ....
今日はもうお休みにしたい

前髪のまとまりが悪いから
誰にも会いたくない

数年に一度の電気点検
チラシがきてはいたけれど
居留守を使ってしまう

ほんの少しの罪悪感を
胸の奥で握 ....
束の間見た夢は
なんだったんだろうか

希望を覚えた気もしない

ため息をひとつ
鼻息が荒く
肩が震えそうになるのを抑える

天を仰ぐと雲が流れてゆく

俯いてまたため息を
抑 ....
少し射に傾いて
右肩の方だけを床について
身を縮こませて
寝転んで見る

右目の玉だけを動かして
空を流れる雲を見ようとしてみたり

このままの状態で右手の小指を
動かそうとしてみた ....
ソテーされた鮭が
鮮やかなピンクの身を
煌めかせ

固く炊き上げられた玄米が
香り立つ

岩のりが添えられた
ほうれん草の緑は
彩りを添える

しかしながら
これらの魅力的な惣 ....
ねずみ色の雪が降る
空は赤く明るく
紫の月が欠けてゆく
ほころびて
深まる冬が
満ちてゆく
少し怖くなって
駆け出した

他人のことを
ジロジロと見たりしてはいけない
それくらいのことは
分かっている
けれど見てしまったのは
決して見とれた訳ではなくて
動きが怪しかったから ....
暗い色のカーテンを閉めて
部屋に閉じこもっていると
雨が降っていることにさえ
気づかない

それでいい

寂しい雨が降っているだなんて
むしろ知りたくはないから

気づかないふりを ....
私の怒りはなんの助けにもならない
だから怒らないほうがいい
どんなに苛つくことがあっても
怒りを抑えて
ひたすらに堪えて
怒ることなどしない方がいい

そうはいっても
いつも笑顔ではい ....
土地勘のなさを自覚し
不安を覚える異国の街で
冷たい風にさらされ
笑顔に救われる

三叉路に惑わされ
方向感覚を失い
坂道に押されて
またもや溜息をつく

夕闇に空腹が響きを成し
 ....
ふうと
ため息がでる

皺が増えるだろう
夢が失われるだろう

シーツに潜り込んで
嗚咽を堪えて
涙を拭う

息を止めてみる
ほんの少し

救われない気持ちが広がる
この一 ....
待つのは嫌いだ
心が塞がれてしまいそうになる
ただ待ちぼうけを喰らうだなんて
随分馬鹿にされたものだ
気持ちは一向に晴れることなく
待たされたという事実だけが残る
雨が降らなかっただけ
 ....
あなたの疲れなど
誰も共有してはくれないのだから
休息は自ら確保しなければならない

睡魔に襲われる瞬間さえも
共感してくれる人はいないのだから
睡眠も自ら確保しなければならない

あ ....
秋の雨はしとしとと降る

仄かな月明かりを纏い
冷たい風を誘う

闇がじわじわと迫り来るのを
背後に感じながら

長靴を履いて
せめて足取りを軽くして
色づく落ち葉が降り積もる
 ....
自覚がないというのは空恐ろしく
左の足を引き摺っていることも
左の目から流血していることも
認識していないと声高に謳う君の
声がボクに届くことはない
その右の小指は後もう少しで
天の縁に届 ....
足元がおぼつかない
転んでしまった方が楽そうだけれど
目眩だって吐き気だって
軽いとはいえしていて
倒れてしまいたいのだけれど
なにかがそんな気持ちにブレーキをかけて
だからといって気丈に ....
左足が小さくなったのだろうか
どうしてもスニーカーが脱げそうになる
なんとか必死に踵のところで
抑えつけるようにして
やっとの思いで引きずっている
右足はそんな様子はちょっともなく
スニー ....
指先に灯るのは
青い炎
振りかざしても
消えはしない
硝子の向こう側で
脆弱な光を放ち
風に吹かれようと
消滅することはなく
目蓋に残す
淡い温もりと
切ない涙
壮大な志は
恐 ....
枯れ葉が欲しい

かさかさと乾いた葉っぱを
この手の平に重ねて砕いて
撒き散らしたい

パーッと撒き散らして
グルグルと円を描いて
なにかを召喚でもしようかしら

鬼が出るか蛇が出 ....
夕立が降るかと
期待していた

どうしてかは
分からないけれど
激しい俄雨が
欲しかったみたいだ
天気予報など
気にもしないけれど
雨の匂いが
充満していた
それはきっと
自分 ....
ひとつクシャミが響いただけ
それだけのことだ

こんな夜中だけれど
足音も聞こえないけれど
扉が閉まる音もまだ聞こえてはいない

こんな夜中に
うちのアパートの前
通路を誰かが歩けば ....
井戸の底に潜んでいるのは
あなたの澱んだ心だから
覗き込んではいけない

あなたの良心が背中を押して
墜落してしまったりすると
二度と這い上がってはこれないから

涙を流し続けても
 ....
このやるせない気持ちは
どこから芽生え
どこへ向かっていくのか

なんだかもやっとした
かといって
なにをどうしたらいいのか
それさえも分からず

明確な怒りや哀しみに
打ちひしが ....
静まり返った真夜中は
墨で塗り潰したような
黒一色の闇が広がる

空の遠く向こうに
冷たい月が仄かな光を
放ってはいるものの
地上のすべては熱気に包まれたまま
静けささえも暑苦しいのに ....
少し休んでみようか
そう思えたのは
疲れ果ててしまったから
精も根も尽きて
でも真っ白にはなっていなくて
立ち止まって
自らの鼓動が感じられて
呼吸をする必要を認識できて
だからこそ休 ....
渇いた目が疼く
ほじくり出したいほどに
なにかを言いたげで
鏡に見入って
左側の下瞼の左の辺りを
頬へと向かって三本指で
下げてはみるのだけれども
とくに変わったなにかは
見つかるはず ....
うおお
雨が降っているぅ
と叫びたいのに
憚られる想いがして
綴るに留める

世知辛い世の中になったものだと
時世を不愉快に思いもする

だからといって抗うこともできず
為す術もな ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
生きてゆく自由詩3*19/3/7 22:48
春近き夜自由詩2*19/3/3 18:54
新しい風自由詩6*19/2/23 22:34
太陽が見たい自由詩4*19/2/22 22:14
怠慢が蔓延する自由詩1*19/1/29 0:55
寝覚めの悪い自由詩1*19/1/22 23:57
生態模型自由詩2*19/1/15 23:17
マルディグラ自由詩4*18/12/19 21:31
冬来たり自由詩1*18/12/17 22:45
走り抜ける街を自由詩1*18/12/17 21:25
それで、それが、いい自由詩2+*18/11/21 23:28
怒り自由詩2*18/11/9 0:26
彼の地にて自由詩1*18/10/22 15:11
ひとりの夜自由詩2*18/10/10 23:10
待ち続けた後は自由詩018/10/9 23:00
希望の光か自由詩0+*18/10/7 23:12
秋雨自由詩4*18/9/25 22:39
まだ見ぬキミよ自由詩3*18/9/22 0:11
どうしようもないことだってあるんだから自由詩018/9/5 23:47
左の足から自由詩2*18/9/4 22:42
燃ゆる炎はいまも青く自由詩018/9/3 23:50
枯れ葉まう自由詩2*18/8/30 21:20
夕立は降り、雨は止まない自由詩1*18/8/30 0:48
夜中のクシャミ自由詩1*18/8/27 23:35
禁忌自由詩1*18/8/22 21:27
遣る瀬ないボクだけれども自由詩018/8/6 23:53
熱き夜に響くは自由詩018/8/3 21:22
旅にでも行こうか自由詩018/8/2 23:21
寂寞たるは自由詩2*18/7/31 23:41
真夜中に降る雨が自由詩3*18/7/24 23:46

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