堕ちてゆく
崖の上から
海の底へと
一直線に
目を開けていられるくらい
速過ぎることなく
頬を逆撫でる風が心地良く
恐怖心もなく
ただ真っ直ぐに堕ちてゆく
理由は分からないけれど
 ....
君は僕で
僕は君で

太陽と月で
白と黒で
光と影で
薔薇と砂山で
正義と邪悪で
真実と嘘で
神と悪魔で

木々の間をすり抜ける風は
君が木で僕が風

僕が木で君が風
涙も溢れやしない

疲れた

この一言がやっと出てきた
溜息も出ない
力の入れ方を忘れてはいないが
力が出ない
気力もない

風船のようにふわりと横たわったまま宙に浮いて彷徨う
 ....
汗ばむ肌が
今もまだ求めている
刺すほどの強い陽射しを

少し肌寒く感じる今日だと言うのに

あきらめの悪さが身に染みる
気怠い午後は相変わらず
小雨さえも降らすことなく

こうし ....
お月様が燃えている

先端を齧った苺から
液体が滴るように

金魚の尾鰭がゆらりと
鉢の中で弧を描く
血を垂れ流しているかのように

サクランボウに鷹の爪
カーネーションに
情熱 ....
むず痒い

背中の手が届かないところ
そこじゃない
もうちょっと
もう少し強くさすって
そうじゃない

むず痒いんだ

だからそんな要領じゃなくて
なんとかして欲しいのに
爪を ....
空っぽになったような
この身体だけれども
宙に浮かぶことはなくて
かといって
足が地についている感覚はなくて
それでもフラフラと歩き続けていて
なんの目的もないのに
前に進まなければなら ....
ルルルなんて
鼻歌を唄ってみる
涙が溢れないように

フフフなんて
空笑いをしてみる
怒りを隠すために

スキップして
ジャンプしてみたり
ベロベロバーって
変な顔してみたり
 ....
ふらり
ふらふらと
目的もなく
街をさまよう

烏に慄き
野良犬に脅され
飼い猫に見下され

それでもあるき続ける

すれ違う人は
挨拶どころか
笑顔もくれない

風が吹 ....
まあなんと
落ち着きのないことよ

眠れずに
不安が蓄積され
叫び出したくなり
喉を掻き毟るほど
のた打ち回って

想いが
魂が
この身体から飛び出してしまわないように

気 ....
久しぶりに見る陽光は眩し過ぎて
自らの汚らしさを思い出す

卑屈になって
謙って
疲れ果ててしまったこの心に
暖かな陽差しはむしろ痛みをもたらす

無防備に放り出された四肢は
幾千の ....
たるんでいる
それだけだろうか

絶対に遅刻してはいけない場面で
どうしてそんなことをするんだ
しかもそれが当の自分だ

この自分自身を許せないという
やるせない想い
この気持をどう ....
風の音が聴こえる
こんな夜は

抑えつけた想いが
はじけそうになるのを
必死でこらえて

八つ当たりするなにかを
探し求めて
家から出ないように

夜がさらに更けていくのを
じ ....
速度は一定がいい
そんなに速くなくてもいい
あんまり遅くない方がいい
目をつぶらずにいられるくらい
微かに向かい風を頬で受けるくらい
しばらくこのままで進みたい
今日の初めの一歩は
泥濘んだ土の上
靴が滑るのを必死に留まった

右足が自分の意志に逆らって
少し前に進む感覚は
ほんの少しでありながら
驚異であると同時に
快感さえも感じられる

 ....
いかように熱かろうとも
喉元を過ぎると忘れるように
腸が煮えくり返るほどの怒りを
今はもう忘れようとしている

こんな自分に嫌気が差す

どうにかして嫌味の一言も告げてやろうと思う割に
 ....
吐き気を催すほどの閉塞感
我慢をし過ぎるなと常に言い聞かせているのに
自分でも上限を認識できないらしい
まるで他人事のようだ
優しい気持ちをどこかに置き忘れて
目の前をすべて遮断する
独り ....
不安を掻き消した後の
かすり傷からは今もまだ
軽微な流血が続いている

舐めたりしない
子供じゃないんだから

人の目に触れるように
ちらつかせて
少し跛を引いてみたり

同情な ....
少し歩くと嫌な汗をかく
そして自覚する
未だ完治してはいないのだと

だからと言っていつまでも
休んでばかりはいられない

目眩を
吐き気を
催しそうになりながら
へたばらずに過ご ....
満たされない想いは
消化することなく
いつまでも腹の底に横たわり
この身体の中で燻り続ける

一気に昇華させる術を知りたいものだ
せめてもの気休めになったはずだ
頬を涙が伝おうとも
な ....
忘れていた
左側の肩甲骨の少し内側の背骨に近いところ
ここに熱を感じるときは高熱を発する前兆

気持ち悪さ
むかつき
身体中の節々の痛み
悪寒
種種雑多がごった煮されたように
悪いも ....
呟きたい言葉はなんだろうか
優しい戯れ言
激しい罵り
慈しみの慰め

それとも沈黙
ただそこにいる
それだけでありがたい
だからもうしばらく
こうして居よう
ふふふとほくそ笑んでみる
訳はない
意味もない
他人が見たらさぞ気持ちの悪いことだろう
楽しいこともなく
面白いことを思い出したのでもない
笑顔を浮かべてみたくなったのとも違うけれど
そ ....
忘れかけていた痛みは
何度でも繰り返す
人に与えた痛みは
自らに降り掛かってくる
何度でも
何度でも
忘れさせてはもらえない
一生許されることはないのだと
針の筵の上で
今日も血を流 ....
この気持ちの悪さを
医師に伝えられる自信がなくて
今日も病院からは足が遠ざかる

左側の肩甲骨の少し内側、背中寄りが
熱を持っている

そんなことを言って信じてもらえるのだろうか

 ....
うだるような暑さとはこのことか
高層ビルの谷間に垣間見る入道雲がうらめしいのは
その白い大きな柔らかそうな巨大な塊が
涼しさの欠片ももたらさないからかもしれない
じんわりと滴る汗に焦躁を掻き立 ....
深呼吸ができる場所を探してる
なにも怯えてなどいないくせに
うまく呼吸ができないから
たまに深い息をついて落ち着く
まれに深い息を吸って心を洗う
求める光は月が放つ蒼
今宵もまた
自らの ....
血が足りていないこの感覚
ふんわりとした
しっかりしていないと
気持ちが

魂が
どこかへ飛んで行ってしまいそうな
風船のように宙を舞って行きそうなこの身体は
目を閉じると眠りに堕ち ....
空腹ではないのに
時間が来ると食べる
食べ始めると
食べ過ぎる
空腹ではないのに

食べずに過ごすと
いつまでも食べない
絶食するのではなく
食べない
だから
時間が来たら食べる ....
朝の朝から書き物をするなどとは贅沢の極み
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
フォーリング自由詩2*16/10/8 21:26
ふたり自由詩1*16/10/7 23:03
いま、ほんのもう少し自由詩016/10/7 11:08
未だの夏自由詩0*16/10/5 2:02
le fou rouge 〜赤の狂気自由詩3*16/10/3 19:59
むず痒いの結果自由詩2*16/10/2 1:08
前へと自由詩1*16/10/1 0:33
短距離走自由詩1*16/9/29 19:35
ありふれた平凡な一日自由詩1*16/9/29 15:25
クロアァ自由詩0*16/9/29 1:57
サバイバル自由詩1*16/9/28 8:49
まだまだだ自由詩1*16/9/27 10:19
朝陽が欲しい自由詩1*16/9/26 23:49
ナビゲーション自由詩2*16/9/24 23:08
この一歩は自由詩3*16/9/24 9:00
イン ザ サンシャイン自由詩3*16/9/23 0:28
ソリチュード自由詩3*16/9/20 21:51
今日もまた血を流す自由詩016/9/19 21:05
今宵は自由詩1*16/9/18 0:31
未だ夢の途中自由詩1*16/9/17 0:03
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静寂自由詩3*16/9/15 0:22
ふふふ自由詩2*16/9/13 16:47
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医者嫌い自由詩4*16/9/11 19:34
サボタージュの言い訳自由詩0*16/9/5 11:36
真夜中に吠える自由詩1*16/9/5 1:11
貧血気味の週末自由詩016/9/2 19:32
食べるということ自由詩1*16/9/1 22:57
ゴージャス自由詩1*16/8/31 10:00

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