干からびる
夢を見た朝は
寝覚めが悪く
太陽がとても
近く感じる

滲み出る汗が
首の周りに不快を
もたらし続け
足の裏は白砂で焼かれ
それでもなお

暑さを感じていられること ....
踝から糸を吐く
女郎蜘蛛のように
罠を張り巡らせて
虎視眈々と標的を
雁字搦めにして
力に任せることなく
暴れることなく
罵ることなく
それでも抑する
この我が身の前で
ひれ伏すが ....
{ルビ紅=あか}が降り注ぐ
昼のど真ん中は
生臭くも怪しくもなく
倦怠感を振りまくけれど
威風堂々と誇らしげに
肩で風を抑えつけて
赤信号をものともせず
下唇を乾かせたまま
左右色の違 ....
枯れ葉が欲しい

掻き集めて
潜り込んで
隠れていたい

きっと
かさかさする
ちくちくもする

それでいい

うずまって
でんぐり返しして
ばらまいて
また掻き集めて
 ....
空が眩しすぎるから
なにもしないでいよう

項垂れて
汗を滴らせ
ただぼんやりとしていよう

気怠いというのは
こういうことを言うのだろう

やる気など欠片も持ち合わせず
ただ時 ....
梅の木の根本で小さな箱を見つけた
錆だらけのブリキの小箱には
鍵がかけられているようだ
力任せにこじり開けたところ
瑞々しい桜の花弁が溢れんばかりに流れ出した
そう、私の手の上の小箱から桜の ....
雨が降るのは今夜がいい
明日はどうぞ降らないで

晴れなくてもいい
灰色の雲が空を覆っても
光の影さえ見えなくても

それでもいいから
どうぞ明日は雨を降らさないでおくれ

そのた ....
真夜中に目が覚めると
襟足がしっとりと冷たくなっていて
そんなにも暑かったのかと自らを疑う

喉に渇きを覚えるも寝ぼけ眼で
頭と足とを入れ替えるように
寝床の中でもそもそと蠢く

窓の ....
どうにも気分が晴れないのを
外の雨のせいにしたい

まだしばらく止まないんだろう
シトシトと降り続けている

憂鬱な気分を募らせて
やる気を失わせる

雨のせいにしていいのならば
 ....
予告なくもぎ取られた背中の羽根は
踏みにじられて血塗れの雑巾と化し
意識は朦朧としてひざまずき
涙も声も出せずにただ愕然とする

それでも月は昇り星は輝く
明日という日がまた来るのだと
 ....
悲しみは訪れる
予告なく
足音も立てず

時刻を止めて
くれたらいいのに

逃げ出したいけれど
行き先が見当たらなくて

呆然としたいのに
誤魔化しようがなくて

わたしはわ ....
欲しいものは欲しい
なんとしても欲しい
どんなことをしても欲しい
誰かを傷つけるようなことがあっても欲しい
かもしれない

欲しがらないようにはならない
欲しくってないものねだりまでする ....
汗ばんだ背中が気持ち悪い

ふと一滴の汗が首から背骨を伝って腰の方へと滴るのは
なお一層のこと気持ちが悪い

陽の光が憎らしくさえ思われ
湿った空気など蹴散らしてしまえと
誰に言ったもの ....
ほころびた糸を
手繰り寄せて
手繰り寄せて
辿り着いたあなたは
優しさの欠片さえ与えてくれず
涙の滴さえ見せてくれず
私は渇きを覚え
希望を忘れ
堕ちてゆくことを夢見るようになる

 ....
右足が攣る

疲れているのか
精神が病んでいるのか

痙攣したその無様な
自らの意志に抗い
ただの棒きれの方がまだマシと思わせる
痛みさえももたらされる
この攣ってしまった右足

 ....
左足の小指が見当たらない

なくても困らないと思ったのだけれど
意外とバランスが取れない
歩き難い

喪失感が大きくて
寂しくて
もう耐えられそうにない

痛みはないくせに
痛い ....
蓄積された責務から束の間逃避行
罪悪感などあの棚の上の上へと追いやって
見えない振りをして
明日があると言い聞かせ
一切合財を忘れようと最大限の努力をする
生真面目に真摯でいるのは疲れるもの ....
項垂れる
久しぶりに
脱力して
やる気はすべて消え失せた
蛻の殻と化したこの身体を
支えてくれるのは大地のみ
雨に打たれ
風に吹き付けられ
人様に踏みつけられようとも
微動だにせず
 ....
風の強い日は
気持ちが塞ぐ

部屋に閉じこもって
大人しくしていよう
とか思ったりする

雨の日もそんな感じ
ジメッとして
外に出る気がしない

晴れた陽射しの強い日も
雪が降 ....
やっと痒みが取れてきた
この前できた靴ずれ

このサンダル履いたらいけないって
分かってたけれど
どうしても履きたかった

まだサンダルには早いし
涼しいかもよ
それ以前に
これで ....
ゴルゴンゾーラのパスタは濃厚で
胸につかえるくらいで
マズイとは言わないけれども
オイシイとはとても思えなくて
それでもなにかこう
懐かしい感じがするのは
いつだか食べたことがあるんだろう ....
雑踏にまみれ
一人立ち
逆風に煽られようとも
しっかとしていられる
私は私だから
桜の花が散り去ろうと
ビニールの傘
雨の滴が伝う

船の帆のように
ピンと張って
緩むことなく
風には向かう

弱くない
ひるまない

ボタボタと
雨に打ち付けられて
音を立てるけれども

破 ....
久しぶりに機嫌がいいのは
いつもと少し違う
土地のせいかもしれない

風が違う
空気が違う
行き交う人すら優しく見えて
山も見えず海も見えない此処ではあるけれども

時間が進むのが穏 ....
しょうがない
今日はもうやる気が起きないんだから
なんともならない

なんとかしようとは思うんだけれどもさぁ
そっから先に進まないんだよ

ペンを握ってはみても
すぐにペンを置いてしま ....
なんだかふんわりとして
とても眠くって
でもこのまま眠りに堕ちては
とてもいけない感じ

なんだろうこの静けさ
安心感が満杯で
違和感を覚えるのは

舌の奥の方が少しだけ
苦い味を ....
桜の花びらが散り尽きてしまったら
なにが起きるのだろうか

今抱えている不安すべてから
解き放ってくれるだろうか

一歩前に進むことはできるだろうか

桜の花びらは冷たい

無数の ....
背中の掻き傷が疼くのは
蒼白い月が輝く夜
足音を立てずに風のごとく
走り去って身を潜め
雄叫びを必死に抑えて
爪を立てて歯軋りを堪え
零れる涙を拭いもせずに
朝日が昇るのを恋い焦がれ
 ....
夢を見ることなどとおに忘れた
そんなことをいうあなたの横顔は
泣いているようにさえ見えた

眠り方を覚えてくれたのは嬉しいけれど
なんだか寂しい気持ちが胸に押し寄せ
{ルビ別離の時刻=わか ....
目蓋の重みにもはやこれ以上は耐えられないというとき
せばまる視界の遠い向こうにボンヤリと輝くあれは
きっと黄金虫に違いない

徐々に眠りに堕ちながらも脚はそちらへと歩み
腕はそちらへと伸ばさ ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
灼熱の錯乱自由詩018/7/19 23:41
捕食者自由詩018/7/18 0:43
束の間に見た夢自由詩018/7/17 0:23
枯れ葉舞い自由詩3*18/7/12 23:47
眩しくて自由詩018/7/11 23:35
桜流し自由詩2*18/7/10 0:52
明日への願い自由詩2*18/7/6 23:51
切なる願い自由詩1*18/6/28 0:00
雨降りの夕方に思ふ自由詩018/6/20 16:45
白い鳥は自由詩3*18/6/18 21:10
いまのひかり自由詩3*18/6/12 23:04
欲しい自由詩4*18/5/31 23:16
汗かきの午睡自由詩018/5/29 22:42
糸屑め自由詩4*18/5/27 23:59
攣った右足自由詩3*18/5/25 23:15
左足の小指が自由詩2*18/5/20 21:01
夢見る時間自由詩4*18/5/12 21:52
力ない眠り自由詩3*18/5/7 23:33
お天気ムスメ自由詩4*18/5/3 23:19
お気に入りの赤いサンダル自由詩018/5/2 23:18
濃厚なるゴルゴンゾーラチーズのパスタ自由詩018/5/1 23:44
今日の決心自由詩1*18/4/28 16:45
気もそぞろ、雨の中自由詩1*18/4/26 1:01
この週末は朝から歌ってみたりして自由詩2*18/4/21 9:50
今日のやる気は自由詩3*18/4/19 22:21
夢うつつ自由詩4*18/4/18 18:05
冷たい桜の花びら自由詩2*18/4/13 20:42
焦燥感に苛まれ自由詩2*18/4/12 23:21
夢の女自由詩1*18/4/12 0:56
今宵もまた黄金虫は輝く自由詩3*18/4/10 22:43

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