両手を広げてみる
手の平じゃない
腕を
肩を張って
手を肩の高さまで上げて
腕を水平に真っ直ぐに伸ばして
手の平は地面に向けて
身体全体で十の字になって
真っ直ぐに立ってみる
特に目 ....
鳴り響く洗濯機の脱水音に
怒りを露わにすることもできず
苛立ちを隠すこともなく
ぶつける先を見渡してみる

もうすぐ夕飯の支度をしなければならない
なにもかもが面倒くさくなる
明朝までも ....
眠れないのではない
眠らないのだ

やる気があるのではない
やるせないのだ

零れそうな涙を堪えるのでも
吐き出しそうな想いを飲み込むのでも
走り出したい気持ちを抑えるのでも

な ....
はちきれんばかりの心が
叫び出しそうで
泣き出しそうで
必死に口を押さえて
両手で覆って
精一杯のスピードで
駆け抜ける
何者をも諸共せずに
一直線に走り続ける
疾風のごとく
あら ....
やるせなさが消えない

こんな気持を抱えたままで
あとどれくらい遣り過せるのだろうか

不満など
爆発してしまえばいいのに

八つ当たりする対象も見つけられず
ただ黙々と時間が経過す ....
晴れていないのは
私の心で
強い雨が降り続く
彼女の気持ちを
抱きしめたいと
期待も込めて
希望する

星々よりも
蒼い月が輝く夜空を
欲する心が止まることなく
叫び出したい衝動 ....
ふーっと息を吐いているつもりで
実はこれが溜息だと気付く
そこにまたやるせなさを感じる
なにを悩んでいるのか
そんなに悩ましいことなのか
大したことなんてなにもないじゃないかと
言い聞かせ ....
怠惰な日々に終止符を打つだなんて
想像するだけで笑ってしまう

この世は廻り続ける
いかようにも
なにがどうであろうとも

困ったような笑顔を見せて
寂しげな容貌で
スレンダーな力強 ....
熱を含んだ空気が舞う
まだ春だというのに
新しい制服は
この肌に馴染まない
だから遠くへでも行こうか
誰かの悲しむ顔は見たくない
けれど自分でいたいから
夏の気配が確かに漂う
まだ肌寒い夕方
この居心地の悪さが
不気味にすら思われ
全速力で駆け抜けようと
試みた後で思い出した
速くは走れないことを
あんまりにも格好悪くって
笑って誤魔化 ....
むせるような息苦しさが
深い色の雲とともに立ち込め
空の青を覆い隠し
陽の光を閉じ込め
明日という希望を
もう少し先に追いやる

息をするのを少し我慢して
涙を零さないように
歯を食 ....
髪を振り乱して
掻き乱して
心を落ち着ける

なんとも情けないことだ
自らを乱してやっと
束の間安らぎを得るだなどとは

ちっぽけな自分はちゃんと立てているか
前を向いているだろうか ....
求めているのは
そんな答えじゃない

思い通りに返してくれないなら
いっそ返事はいらない

気持ちを裏切られるのは
寂しいを通り越して
腹立たしい

心なんて
塞いでしまえば
 ....
晴れが続いて
数日後に
雲の日があると
安心する
ふと眠くなるのを
春のせいにする

怠惰な気持ちで溢れ
意欲という言葉すら忘れ

のんべんだらりと
日がな一日を過ごすというか

半分寝ているような心持ちで
過ぎゆく時間を眺める
 ....
優しいピアノの旋律が響く中
目の前で崩れていく世界
このアンバランスが充満して
飲み込んでいく刹那を
救う手立てはなにもなく
立ち向かうための武器もなく
精神だけが抗うことを求め
背中に ....
自分の気持ちに嘘をつくと
心が涙を流します

嘘の言葉が口から出ると
嫌な気持ちにはなるけれど
罪悪感も覚えるけれど
生きてはいけます

嘘は嫌いです

嫌いだからといって
付き ....
足首が凍りつくほどの寒さを堪えて
桜の花びらを踏み付け
横殴りの雨の中を
傘を握りしめて前へ進む

灰色の空は遠く
希望を掻き消し
さらに冷たい風が吹き荒ぶ
嗚咽を押し殺して

目 ....
空を見上げる
雨粒が降りてくる
一直線に堕ちてくる
粒の一つをただ見つめる
目的などない
経過する時間の長さと
静寂を感じられる
この手の平に堕ちてくる
もたらされた潤いを
握りしめ ....
高層ビルの展望室が好きなのは
地上に降り立ち
展望室を見上げ
あんなにも高い所にいたのだと
あそこから美しい景色を眺めたのだと
余韻に浸ることができるからで
高い場所に居続けること自体は
 ....
ふと窓辺に立って
外を眺めたりしてみる

波が荒れている
春はまだ先だと聞かされている気になる

その寂寥たる景色に
自らの境遇の温かさが身に染みる

沈黙に包まれることの幸せを噛み ....
ひとかじりしたリンゴは
あんまりにも酸っぱくて
思わず涙を流してしまった

大きくもうひとかじりしたのは
そうしないと
大きな声で泣き喚いてしまいそうだから

酸っぱいだなんて
ただ ....
だめだ
もうだめだと思いながら
それでもまだ生きながらえている

この鼓動は止まることがなく
呼吸が止むことなく
陽の光を浴びて幸せを噛みしめる

気を失ってしまいたいと切望し
なに ....
桜の花弁が敷き詰められた
大きな水溜りに
堕ちたら二度と
這い上がることはできない
そして花弁を色付けるため
身をやつすことになる
だからせいぜい用心しろ
目眩がしそうなほど
ぶちかまされた現実は
あまりにも
残酷で美しく
否定することさえできず
ただそこにあるそれをそのまま
受け入れることしかできない

渇きは潤されると
思わない方が ....
力強く踏み付けた地面に
穴が空いた

穴は細長いトンネルになって
どこまでも落下して行った

割と早いスピードで
うねうねと
蛇の身体のように
なだらかなカーブを描いているように思え ....
うなだれて

中途半端な姿勢で
寄りかかって
肩が痛い

眠たいからしょうがない
かと言って眠れない
今夜もまた
夜は更ける
朝が近くなる
やっと眠りにつく

目覚めは早く
 ....
明日は明日だから

今日がどんなに澱んだ一日であっただろうが

つまらないことだらけで
怒りに満ち溢れ
涙が止めどなく
暗雲が立ち込めた日であったか

明るい笑い声に包まれ
歌声が ....
溢れ出した感情は
もはや誰も止めることができず
受け留めてもあげられない

泣きたいときは泣けばいいと
そういうのに似ているのかもしれない

感情が溢れ出したらもう
渇くまで流出させる ....
ただ休んでいい

どうにも身体がいうことを聞かないときは
休んでいればいい


休むしかない

笑顔を作れず
前に進めず
指さえ微動だにせず
涙も零れ落ちない

そんなとき ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
十文字自由詩1*17/5/15 18:49
つまらない休日自由詩4*17/5/14 16:50
ほとんど朝だというけれど自由詩1*17/5/12 2:53
弾丸は暴れる自由詩2*17/5/12 1:16
やるせない自由詩1*17/5/11 0:12
不眠症の夜に自由詩1*17/5/10 1:48
またまた自由詩3*17/5/8 20:01
今宵もまた夜は更ける自由詩1*17/5/8 1:14
五月病自由詩2*17/5/6 23:45
成長の過程自由詩3*17/5/4 18:47
空の高くへ自由詩1*17/5/2 18:42
髪は乱れし自由詩2*17/4/27 22:49
生返事自由詩2*17/4/24 19:52
お天気自由詩1*17/4/22 8:52
春微睡む自由詩0*17/4/20 0:09
混沌の始まり自由詩017/4/19 0:28
繰り言自由詩017/4/15 18:25
いと寒き春の夜に自由詩5*17/4/11 19:08
雨粒ひとつ自由詩3*17/4/9 17:54
高層ビルの展望室自由詩1*17/4/7 1:00
待機中自由詩017/4/5 12:45
リンゴなみだ自由詩2*17/4/3 0:24
生きてゆく自由詩10*17/4/1 22:42
春の注意事項自由詩0*17/3/31 23:31
行き倒れ自由詩2*17/3/30 1:47
地底トンネル自由詩017/3/28 23:34
リフレイン自由詩017/3/28 1:15
明日という日自由詩1*17/3/26 23:49
押された背中自由詩017/3/25 22:40
休憩自由詩1*17/3/20 22:32

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