夜空の雲は灰色で
坂本瞳子
哀しい想いをしたときには
夜空を見上げると
稀に灰色の雲が流れてゆく
そんな不安な姿を眺めては
気持ちが和らぐ
速くないスピードで
浮いているだけのようで
どこへ行くともなく
目的もないさまは
自らと重なるのかもしれない
あの雲に飛び乗ることができたとしても
きっと楽しくはない
筒抜けて落下してしまうかもしれない
その方がむしろ楽しいのではないだろうか
片足曲げて
今日も不安定に生きてゆく
自由詩
夜空の雲は灰色で
Copyright
坂本瞳子
2016-08-05 22:53:16