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曇天の午後に
無地のワイシャツが眩しくて
コウモリ傘がひらく
つかめない顔
剥げたマーブルチョコになる
ロックグラスの淵をふさぐ手の平
中身は空っぽに満たされて
そっと僕の息を閉じ込めた
3月 せっかちな不結合のチリは
町の中を撫で歩き
時折、見せてくれる隙間に ....
ちらつきながら水平に下り
疲労の渦を抱いて
硝子瓶の粒輪が昇る
ミネラルの刺激
風鈴でうすまる
ソーダ水
....
ゆら
ゆら 男が現れ くしゃみする
丸くなる背中 男 ひとり
ゆら ネクタイが 飛ぶ
男 引き上げられる 皮靴
会社へ 行きたくないと
取り払う 背広 ゆら 名刺
雲雀の羽 離れ ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと
もがいているようで
かなし ....
おいかけてゆきたいのです。
包丁でざくりと切ると、すぐ後ろでネギがぱらぱらと広がるように
ざくりの跡をぱらぱらと追いかけてゆきたいのです。
続けたいのです。
にんじんをする ....