ふと、 指と指
知らず知らず遭遇したら
あ、デコレーション
あなたの根拠を知りたいわたしの炎症
(ラズベリーのつぶらさ、紅さ、の)
を、ホイップクリームでくるみ、わたしは
しん ....
花しょうぶ
さびしく並ぶ
ホームの柵で
白いパンをちぎる
包むもののない肩は
冷たく硬く
黒い雨の滴は
長く久しく
朝はこんなにも
騒がしい

ビルを巡る溝渠の水が
空をつかん ....
 
裏木戸が
閉じたり開いたり
冬の言葉で話してる

積もる
雪の音以外
何も聞こえない
意味の欠片さえ

さくさくと
家に帰る足音が
遠くからやってくる
もっと遠い
何処 ....
あなたが降りた後の地下鉄に
言葉になりきれない音が鳴っている
ガタゴトカタコト
言葉のトレイン
頭に鳴り止まない音が鳴っている

大好きな女の子の背中には
大人になりきれない羽がある
 ....
「目線を一歩ずらした所に、詩はあると思います」 

何年も前の合評会で 
今は亡き講師のMさんは 
僕に云った 

仕事帰りの夜道を 
車のライトで照らしながら辿り着いた 
深夜の飲食 ....
私たちには
自由がないから
私たちはそれぞれ
素敵なものを提出しあい
小さな箱庭を
作った

透き通る石や
カラフルな千代紙や
マフラーからほどけた
大好きな色の毛糸や
私 ....
冷蔵庫のなか
ひときわ目を引くふたつの色
重なり合う
あなたのバッカス
あたしのレミー

縦横無尽
その巧みさを知っているがゆえ
余計に腹が立つ
今までに
少しでも考えてみたことは ....
雷鳴に犬が怯える空で
やさしい言葉のように冷たく凍ったものが
老人ばかりの街を無数の宝石で覆い
 (あるいは灼石灰のような骨の粉)
まぶしく結晶に閉じこめる

今だけはうつくしいだろう ....
おかあさんの ブラウスを 握る
おかあさんの めがねを  握る
握る
おとうさんの 鼻を 握る
おとうさんの 指を 握る
握る

がらがらを 握りそこねた君は
まだ きかない手を 小刻 ....
木魅 (こだま)


「好きだ」
溢れ出した想いを返せないまま
あなたは土に還り
わたしは朽ちることもできずに
「好きよ」
抱えすぎた言の葉をざわめかせながら
夜毎 すすり泣 ....
したたる、したたり、

侵食しはじめた月夜に
手足はどこまでも深く伸びている

やさしく影を包み込むようにして
月は、静かにあたたかい

当たり前のようにそこにいて
闇が照らすはずも ....
 
もう長いこと
あなたと暮らしてきたけれど
もし今日が
はじまりの一日だったなら
僕はあなたに何を言えばいいだろう
と考えた

暮らしてきた日々とひきかえに
これからも暮らすための ....
恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから

建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム

さびしさの背中に
スプーンを落として ....
そらを切り取る限界線
雲のはじまりとおわり
みえていることだけが
ほんとうのように
ほんとうのような青空

バックライトで透過され
綺麗なレースがひかれ
いくつもの鍵で守られ
夜に自 ....
あなたは書かれた事のない手紙
いまだ出された事のない手紙
封を切られないまま
大切に言葉をしまい込んで


わたしはそっと考える
その言葉がどんなに心を震わせるかを
わたしは夢を見る
 ....
一番星を探す



夕日に隠れた雀が
さえずりながら帰っていく、手のひら

親指から終わるあなたは
小指から始まるわたしの声に
ただ、耳を貸している



紫が雲 ....
ろくろ首


それにしてもあなたを待ちすぎました
わたしの断ち切れぬ想いはあの日の
あなたのうしろ姿に縋りついたままで
身体だけが狂おしく軋みながら
いくつもの夜を越えて来たので ....
インターネットにより
世界は発散に向かっていたが
戻ってきた土地は
歳を重ねて
背が丸くなり
収束していた様子だった
私の空間は
止まっていた
拡大するでもなく
収束するでもなく
 ....
 
ここで暮らしていたことが
夢のよう
いつかそうなる日が
来るとわかっていたから

やさしさは
やさしさでしかないことも
知っていたから
ただ祈るしかなくて
今も祈ることしかでき ....
空色のスモックを着て
如雨露も空色だったから
お空のかみさまになった気分で
プランターに雨を降らせた

ミニチュアの森を作り出す
背丈の小さなこのぐん生が
何という名前を持つのか
お空 ....
沢山の「さようなら」を蒔きましょう
いつの日か再び御縁が在ったら
笑顔で御迎え致します
愛しています愛して愛して
自分よりも愛しくて(断言、)

振り向かず前を見て下さい
私の事を思い出 ....
駅から宿に向かう道の両脇に
悪趣味な電飾に彩られた街路樹が
等間隔に我が身を嘆いていた

不自然に丈の短いスカートを履く
太い足の女達と何度すれ違っても
何を誘っているのか分かりやしない
 ....
音楽と光が止み
(ひそ、ひそ、)
雪など降らぬ、ましてや星など降らぬ
最初から諦めて、無数の
ただ、咳が
ただ、冬が
最初から諦めて崩れ落ちた白い灰の気配で
見知らぬマフラー ....
クリームソーダを注文すると
ウェイトレスは 少し
嬉しそうな顔した

昔の僕は デパートメントストアの屋上に行く
そこで 必ず クリームソーダ
注文して

その透明な緑の泡 ....
 花が咲く頃

にわかに、雨の降る頃

 私達
 
また会いましょう


気がつけば
 
 優しい命に守られていた

夢は近く
 
 本当に、ここにいた


 ....
生まれ変わったら
私、アメーバになる気がするの

そう言ったら
友達、笑ってくれたから

ミジンコになってよ

そうお願いしたら
友達、満更でもないみたい

そのあと
二人して ....
ドーナツを買った
大好きなチョコファッション


ひと口めをかじった後で

ドーナツの代金は
支払ったけど

ドーナツの穴の代金は
支払っていないコトに
気がついた
 ....
女の子は春に生まれました
桃色の小さな小さな靴が贈られました
風が若葉や清楚な花の匂いを運んできました

女の子の母親は六月がいっとう好きでした
雨が降ると木々や庭の草たちが
歌を歌うから ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで

  ラッシュアワーに平気で押しのける
  普通に見 ....
 
 
 
 
・あいじん
 
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
 
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
 
 隠れる、ようにして
 
 ....
かんなさんのおすすめリスト(1332)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ラズベリーの窒息- A道化自由詩609-1-17
花しょうぶ並ぶ- オイタル自由詩3*09-1-16
裏木戸- 小川 葉自由詩809-1-15
トレイン- しゅう自由詩309-1-15
幻ノ花_- 服部 剛自由詩509-1-14
六角の箱庭- RT自由詩1509-1-13
生平- FUBAR自由詩4*09-1-13
やさしき雪にふるえて- たりぽん ...自由詩9*09-1-13
握る- 池中茉莉 ...自由詩12*09-1-12
百鬼夜行詩_<4>- nonya自由詩17*09-1-12
ゆめ_〜月と海〜- さくら自由詩20*09-1-11
はじまりの一日- 小川 葉自由詩309-1-10
多角形な体- かいぶつ自由詩9+09-1-9
ヨルノマドニ- たりぽん ...自由詩6+09-1-7
手紙- 石瀬琳々自由詩10*09-1-7
,- 山中 烏 ...自由詩5*09-1-5
百鬼夜行詩_<1>- nonya自由詩15+*09-1-5
一時停止- 北村 守 ...自由詩309-1-5
帰省- 小川 葉自由詩609-1-2
お空のかみさま- アヴィ自由詩6*09-1-2
さようなら- AKiHiCo自由詩309-1-2
ミッシング- 松本 卓 ...自由詩409-1-2
冬騒- A道化自由詩309-1-1
クリームソーダ- 瀬田行生自由詩10*08-12-31
無題- as自由詩308-12-31
Plankton_Union- アヴィ自由詩4*08-12-30
聖域- 夢月自由詩208-12-30
六月- ふるる自由詩8*08-12-30
いちばん遠い朝- たりぽん ...自由詩7*08-12-30
ほしくずたち- 山中 烏 ...自由詩6*08-12-29

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