あめが好きなので
わたしはあめを抱きしめた


かぜが好きなので
わたしはかぜを抱きしめた


にじが好きなので
わたしはにじを抱きしめた


ゆきが好きなので
わたしは ....
あなたが風変わりな人と知ったのは
新緑の上野動物園の入り口で
二時間後にここに集合という言葉を聞いて
会社の人らと別れて一人
不忍池方面へ消えたときのこと

みんなで群れておしゃべりしなが ....
  玉蜀黍よ、わたしは考えていた
  家にのこしてきた洗濯物のことや
  背広にしのばせた セブンスターの空き箱のこと
  やがて都市は赤く染まり
  猿はどこまでも愚かに
  皺が ....
間違いたくて最終電車をやり過ごす
日付が 変わった

 きょうは
 だれに
 さまよう

幻想を見るのは自由だと言い聞かす
差し出したものに見合うだけの温度が欲しい

 どなたか
 ....
たいていの嘘に理由はないので
存在しない自由に絡まるのは
あなたの残したアンダーヘアぐらい

生きることの基本にもっと忠実だったら
楽になれるのかしら
 ....
目覚めればもう日の出
せみしぐれはまだ弱々しい

過眠の代償の
ぼやりと重い頭を引きずって
タオルケットを払いのけたなら
ひとつ、咳払い
空虚な部屋に広がる
わたしの粒子が

この ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける

両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
 ....
楽園の門が閉ざされて久しい
寝室には潰れたふたつの枕だけ
ふたりは台所にいる
夏は不快な熱で部屋を満たして
居座っている
まるで昨夜着いたばかりのように

テーブルには缶詰がひとつ
ふ ....
一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
陽が照らしつけるバス停の 屋根の下で涼む僕の
隣に座っていたどこかの会社員さんは
今 自販機の側に立って得意げに煙草なんか咥えている
吐き出す煙が空の雲に溶けてすぐ見えなくなる様は
この空を何 ....
雨のなかの馬
時間さえ檻のなかに閉じ込められる
そっと名前を呼んだ
季節が過ぎて青いさびしさが満ちてくる


後ろさえ振り向かず駆けていこうとする
雫のビーズをまき散らす夢よ
どうか名 ....
きみの柔らかい生き物を
毎晩夢に見る
わたしの柔らかい生き物を
かつて沼だった土地に放した
放物線を描いて
慎ましい身なりを合言葉に一斉に種弾く
それからの手記
それからの鐘の音
きみ ....
今でも想うよ

君に会いたいなって自然にね

何か迷ったり
悩んだりした時にさ

なんの為の君との出逢いだったのか
真剣に考えてみたり

女の子としての気持ちを
蘇らせてくれたの ....
白いひかりの内側で
やさしくもつれ合うものを
聴いていたかったのに
ただ、聴いていたかったのに

生きていてもいいですか、と問うよりも
生きていなくてはいけませんか、と問うほうが
 ....
  透明な石になりたかった
  あなたのからだを
  ただ
  通過するだけの



  暴かれることのない
  巧妙な嘘になりたかった
  ひとのこころのくらがりに
   ....
私の石はいま
眠っている
眠りながらも
あなたに関する記憶を育て
あの日と それにつづく日々を
絶対性のなかに閉じこめている
それほどに強い
あの日の記憶
どんな時間が私の上を
通り ....
洗濯機に寄りかかり
点在する晴れ間を
信じるか否か決めかねて
ぼんやり空をながめている
憂うつなのかもはっきりしないの
寒さに体を枯らす朝

眠気を知らない弾んだ声で
ラジオがさっ ....
#1

きんいろのふりこがゆっくりと放たれて
はらはらと粉を撒き散らしていく
とがった屋根のさきっぽに
逃げ出した雲がひっかかったまま
夜がくる

そのまちでは風が吹かない
時計の ....
にゃんこ磨いて春の祝日 ひとりごとをいう

ひとりごとは
大きな声ではいえない
口元でこっそりいう

だれかにきかれてはいけない
だれにもみられてはいけない

そんな時に限って
空はみているし
猫だって ....
初めて君にキスをした 
「全世界を手に入れた」って思えた 
何の疑いもなくただ素直にそう感じたんだ
かなしくてないているのか
さびしくてないているのか
雲の切れ間に青空
風に小さな羽根をふるわせて


うれしくてないているのか
いとしくてないているのか
透きとおった雪が流れて
目の ....
【すりおろした林檎】

ねこをかんぶくろにいれて ポンと蹴っていいような
汗と毒と 荒い呼吸の  みすぼらしい私が すっかり蒸発しました
ぬけがらの私の みぞおちを 
糖蜜が ....
だれでも見えないところに空がある

晴れたり、くもったり
雨が降ったり、嵐が吹いたり

届きそうで届かないのは
空とほんとにおんなじで

何もなさそうで何かあって
そんな空っぽみたい ....
指のとどかない所に 風が吹きつける
残る葉は からくりに寄り添い
ほどこしに 目をあけない

脈が 望みを往く
土に 酔い交じり

ひかるのは星だけと
枝の夜は ふける
すっげえ詩をよんだら

かきたいとおもったり
かけないとおもったり
それほどでもないとおもおうとしたり
でもさ

やっぱり

すっげえ詩ってあるんだよね
自分が ごまかせないほど
 ....
すみぬり教科書を使ったのは
なにも
昭和に
限ったはなしではなく
ゆとり教育の時代にわたしたちは
せんせいに言われるまま
指導要領からはずれたところへ
だまって
すりすりと
線をひい ....
 
父が釣りをしている
何を釣っているのか聞くと
忘れたと言う
僕も隣に座って糸を垂れる
息子とよくいっしょに釣りに行ったもんだ
という話を皮切りに
父が息子の自慢を始める
小さいころ ....
私は花を、あなたに渡す 
あなたの瞳に映る花 
私の瞳に映る花 
ふたりの間にひらく、喜びの花 
かんなさんのおすすめリスト(1332)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
好きなので- とろり自由詩413-11-1
あなたの不安- イナエ自由詩6*13-10-31
誰が誰かもわからない人だかりのなかで- 草野春心自由詩513-10-31
まわり道- 伊織自由詩7*13-10-30
欲求に忠実であるための答え- 中山 マ ...自由詩213-10-30
季節、夏、咳- 茜井こと ...自由詩3*13-10-30
わたしが消えたあとにも- そらの珊 ...自由詩22*13-9-27
雨の日の猫は眠りたい_2013- たま自由詩29*13-8-1
失楽園- salco自由詩9*13-7-29
- 塔野夏子自由詩9*13-7-29
劣等感のミント感- Neutral自由詩18*13-7-29
雨のなかの馬- 石瀬琳々自由詩18*13-7-18
篝火- 嘉村奈緒自由詩813-3-31
改めてありがとう- ちゃんこ自由詩313-3-28
氷点- 千波 一 ...自由詩513-3-28
Being- 草野春心自由詩713-3-28
砂になるまで- 岡部淳太 ...自由詩913-3-26
結ぼれる雲路- 茜井こと ...自由詩2*13-3-26
てのなるほうへ- 小夜自由詩413-1-26
にゃんこ磨いて春の祝日- 北大路京 ...自由詩6*13-1-24
ひとりごと- 朧月自由詩513-1-24
It's_Love- 文字綴り ...自由詩3*13-1-23
冬の小鳥- 石瀬琳々自由詩11*13-1-23
【りんごの_ゆくえ_】二編のオムニバス- るるりら自由詩14*13-1-23
「空がある」- ベンジャ ...自由詩10*13-1-22
無明- 砂木自由詩11*13-1-21
基本- 朧月自由詩613-1-5
ゆとり- 因子自由詩613-1-4
正月- たもつ自由詩2313-1-3
日々の花束_- 服部 剛自由詩3*13-1-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45