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強烈な風雨を受けて
折れてしまった月下美人の葉を
何気なく水に差しておいたら

根が出た

その後も根は伸び続け
葉のくぼみに蕾をふたつつけた

さすがに花を咲かせることはなく
 ....
少し神経質で几帳面すぎる
右手

無骨だけど何故か憎めない
左手

ろくに箸も持てないくせにと
名前すら満足に書けないくせにと
いつも左手をなじってばかりの
右手

何を語る ....
息を押し殺して
手のひらでそっと囲んだら
金色の鱗粉を残して
忽然と消えた

紫色の残像は
一瞬だけ切なく薫った後
押し寄せる後悔の波に
さらわれていった

視界の端をくすぐる ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう

うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後

無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中

花が落ち ....
水曜日の夜明け前
午前3時に起きたからって
別に魚河岸に行こうってんじゃないんだ

ただ奇妙な夢にうなされて
凍えた静寂の音の真っ只中に
目覚めてしまっただけなんだ

夢の中でおれは岩 ....
涙が止まらない君を
為す術もなく眺めていた

いちばん綺麗な君を
見せてくれてありがとう

涙を流し終えたら君は
見慣れた景色の中で
自由になればいい

でも

また咲きたくなったら
会おうね

き ....
摩擦子音+母音の
「す」
を発音する時の
舌先をすり抜ける息の
すがすがしさが好き

破裂子音+母音の
「き」
を発音する時の
喉の奥で突き放す息の
いさぎよさが好き

「すき ....
I がない一日でした
アイがない一日でした
自分が留守な一日でした
ただ流されていくばかりでした
土左衛門なのでした

いくつもの橋の下をくぐり
今更ながら橋の憂鬱を知り
壊れたが ....
「予」


予め渡されたまっさらな空に

どんな雲を描いたって勝手だけど

思い込みの風力のぶんだけ

天気予報ってはずれるんだよね




「定」


定まった行先 ....
「始」


新たな枝の方へ折目正しく曲ろう

幼い葉っぱにいちいち名前をつけよう

選んできたのはいつも自分だから

勇気を転がしながら歩き始めよう




「発」
 ....
「移」


知らぬ間に忍び込んだ次の季節を

昨日より微かに老いた眼差しでやり過ごす

移ろっていく速度のやるせない違いに

胸の奥をさざめかせながら運ばれていく



 ....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている

まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど

僕は君の傾き方 ....
人当たりの良い夜風に浮かれて
ゆうらり裏道をそぞろ歩く
コンクリートの余白から湧き上がる
若すぎる命のにおいに
甘い吐き気をもよおしながらも
どこにも辿り着けない足取りで
高層ビルを迂 ....
デージー (無邪気)


他愛ない君の言葉がそよいで

僕の唇の端に小さな花を咲かせた

飾り気のない君の笑顔がとろけて

僕の胸の奥の陽だまりになった





 ....
なのはな (快活)


山裾に噴き出したいくつもの黄色い掌が

緩やかな風にくすぐられて歓声をあげた

思わず駆け出しそうになる鼓動の先で

君の後ろ姿が弾みながら春になった ....
<余分三邪鬼>




脂肪


最後に君と食べたネギ塩カルビ
泣きながら飲み干した生ビール(大)
美味しくも哀しい想い出の数々が
僕の内臓にぴったり寄り添って離れない
鏡を見 ....
自由の翼が手に
入ったとしても
額縁の絵の中を
飛ぶことぐらい
しかできないし

お洒落な足かせ
をガチャガチャ
いわせながら記
号でお喋りして
いたほうが楽し
いかもしれな ....
一反木綿


ブランドって何でしょう
トレンドって何でしょう
ステータスって何でしょう
セレブリティって何でしょう
誰かの視線につながれた風船になるよりも
飾り羽が多すぎて飛べ ....
木魅 (こだま)


「好きだ」
溢れ出した想いを返せないまま
あなたは土に還り
わたしは朽ちることもできずに
「好きよ」
抱えすぎた言の葉をざわめかせながら
夜毎 すすり泣 ....
ろくろ首


それにしてもあなたを待ちすぎました
わたしの断ち切れぬ想いはあの日の
あなたのうしろ姿に縋りついたままで
身体だけが狂おしく軋みながら
いくつもの夜を越えて来たので ....
カトレア (優美な女性)


含み笑いの訳すら読ませてはくれずに

まろやかな眼差しで僕を押しとどめて

あなたは沈黙の端に句読点を置いた

微かな痛みを伴った午後が紫に薫っ ....
てっぽうゆり (純潔)


迷うことのない指先が夜を滑って

僕が吐いた言葉を花に変えていく

闇にも溶けないひたむきさを透かして

仄見える君の純潔が僕を温かくする

 ....
プリムラ (永続する愛)


朝が生まれるように君の名を呼び

風が踊るように君と手をつなぎ

雨が語るように君を想い続け

星が黙るように君を抱き寄せた


 ....
震える指先を
ポケットに滑り込ませたら
捨て損ねたレシートが
指の間で微かに笑った

不確かな足取りで
迷子のふりをしながら
逃げ損ねた枯葉を
靴の踵で踏みにじった

丸めた背 ....
雨雲がはびこった空へ
僕のねずみ色の狡さが
こっそり飛び去っていくのを
ぼんやり見落としながら
また天気予報がはずれたと
君は唇をとがらせた

ガジュマルの葉っぱに
君の赤毛のした ....
うっかりついてしまった
溜息の先端から
滑り落ちたマンボウが
午後3時17分の紙コップの
コーヒーの中に浮かんでいた

セクハラまがいの
丸い横っ腹を堂々と晒して
背びれと尻びれを ....
目頭にこびりついた
ノスタル自慰を
擦り落としたら
液晶で描かれた
瑞々しい少年は
皮肉っぽい脂身になっていた

買い置きしすぎた
ファンタ自慰を
解凍し損ねたら
活け作りのつ ....
お人好しの楽天家を
気取ったって
些細な石にもつまづく
几帳面
後ろを向きながら
前へ歩いていく
ちょっと湿っぽい
僕らしき僕

典型的なO型気質を
なぞったって
大雑把な素 ....
ちょっとだけ焦げたトーストに
マーマレードを丹念に塗りつけながら
行間が欠伸している新聞記事を
接続詞のように眺めていた

かなりぬるくなったコーヒーを
スプーンで執拗にもてあそびなが ....
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